教育研修を産業保健活動の一環として展開したい。企業のさらなる課題解決をめざして立ち上げたプロジェクトの裏側

産業保健

2024年10月10日 13時00分株式会社エムステージ

産業医・保健師の紹介からメンタルヘルスケア、職場環境改善の領域まで対応可能な『健康経営トータルサポート』を提供し、新たに産業保健専門職によるオンライン面談サービス『Sanpo保健室』をスタートした株式会社エムステージ。

企業のさらなる課題解決をめざして、教育研修サービスのリニューアルに向けた改善プロジェクトが始動しました。産業保健事業部長の樋口と専門職グループがリニューアル経緯をお伝えいたします。

幅広い専門職が揃うエムステージならではの、属人化による課題

弊社の教育研修サービスは、臨床心理士などのカウンセラーや、医師、保健師、社労士など、多種多様な講師陣が揃っています。メンタルヘルス問題にはカウンセラーを、ハラスメント対策には社労士を、というように企業様のお困りごとにあわせて、幅広いニーズに対応した研修を提供してきました。

専門職による質の高い研修を提供してきた一方で、これまでは専門の講師陣それぞれのスキルに任せた研修内容となっていたため、同じテーマを扱っていても講師によって内容の切り口が異なる部分がありました。

また、大規模実施や複数拠点の開催についてもより柔軟に対応できるようにしたり、企業様の課題や習熟度にあわせて基礎から応用的な研修へと段階的な展開を促進したりするための仕組みを設けるべきなのではないかという課題を感じていました。

そこで2024年の初めより、教育研修サービスの改善プロジェクトを開始しました。

これまで以上に企業様の課題やニーズに沿える、セミオーダー式の研修カリキュラムを新リリース

2024年10月にリリースを予定している教育研修サービスでは、企業様の課題にあわせて、セミオーダー形式で研修カリキュラムを選んでいただくことができます。

例えば「コミュニケーション」をテーマにした研修では、「相談スキル」や「アサーション」、「ノンバーバルコミュニケーション」「フィードバック」など、より現場で起きている課題のレベルに落とし込めるよう、大・中・小カテゴリというようにテーマを細分化したコンテンツリストを作成しています。

リストによって研修内容を可視化させることで、企業様が自社に必要なテーマが何なのかをイメージしやすくなります。これにより、これまで以上にニーズにあった企画ができるほか、基礎編～応用編、発展編といった今後のステップアップについても検討しやすくなることが期待できます。もちろん、ニーズや実施時間のみを伺い、こちらでベーシックなプログラム案やお勧めのプログラム案を作成しご案内することも可能です。

次のアクションへと繋げてもらうために。産業保健活動の一環として目的意識を持った研修を

現状、必要に迫られてから実施を検討される企業様や、定期的に研修を実施しているものの都度テーマ決めに悩まれているご担当者様も多い印象です。産業保健活動の一環として、明確な目的意識を持って研修を実施していただいている企業様はまだまだ多くはないかもしれません。

弊社では、ストレスマネジメントや生活習慣をはじめとしたセルフケア、ハラスメント防止、ストレスチェックの集団分析結果を用いたラインケアなど、幅広いテーマで研修を提供してきました。

今後はこれまで以上に、中長期的な視点で組織の課題解決を図ったり、研修による行動変容や定着を促進するための工夫をご提案していきたいと考えています。

包括的・段階的な教育研修プログラムの企画や効果的な展開などをサポートさせていただくために、営業担当と一緒に専門職が打合せに同席したり、コンサルテーションとしてお引き受けすることもあります。それにより企業様のニーズに対応した複合的な研修カリキュラムの提案ができるようになりました。企業様も、専門職からの意見を得つつ、一緒に企画するプロセスによって、ニーズとのフィット感や納得感が高まるようでご好評をいただいております。

今回の改善プロジェクトを通して、企業様が教育研修を産業保健活動の一環として位置づけて、目的意識を持って研修を行うことで、さらに次のアクションへと展開していくことが理想です。

教育研修だけではなく、他サービスとの連携により、組織の課題解決をさらに強力にサポート

弊社の強みは、教育研修サービスだけでなく、他のサービスとの連携によって総合的なサポートができる点だと感じています。

例えば、ストレスチェック『Co-Labo』ではストレスコーピングを測定できるので、集団分析の結果から組織がストレスに対してどのような対処をする傾向があるのかが分かります。

労働安全衛生法に基づき、ストレスチェック制度では３領域（「仕事のストレス要因」、「心身のストレス反応」、「周囲のサポート」）を測定する必要があります。そこに、『Co-Labo 』オリジナルのコーピングの視点が加わることで、組織の課題が悪循環や複雑化を来している状況や、その組織のもつ強みなどがより見えやすくなり、組織を理解し、仮説や対策を考えるうえで有用です。

結果を踏まえて、「研修ではこのテーマを扱おう」「特にこのスキルを伸ばしていこう」というように、組織にあった研修を提供することもできます。

また、研修で得た知識を具体的に現場で実践するためには、『Sanpo保健室』のように個別で専門職といつでも面談できるサービスとの組み合わせが非常に有効的だと考えています。

例えば、セルフケア研修で、ストレスコーピングやコミュニケーションスキルについて体験的に学んだ場合に、それを日々の生活の中で実践していく中で難しさを感じたり、ご自身にあった調整が必要になったりすることもあります。

そのような時に、研修で得た知識がベースにある状態で『Sanpo保健室』の専門職に具体的に相談することで、実際に起きている問題と照らし合わせ掘り下げていくことができるのではないでしょうか。