キャッシュレス決済を通じて、医療現場に貢献をしたい。「stera pack for クリニック」誕生の背景

開発秘話

2022年2月16日 12時00分三井住友カード株式会社

三井住友カードでは、1台で主要な決済手段に対応できるオールインワン決済端末「stera terminal（ステラターミナル）」を提供しており、この端末を多くの加盟店様で手軽に導入できるサービスが、2021年4月から開始した「stera pack（ステラパック）」です。

「stera pack」サービスサイトはこちら

https://www.smbc-gp.co.jp/stera/

この「stera pack」に、今回新しく医療機関・クリニック向けサービス「stera pack for クリニック」が登場。今回は、それぞれのサービスの誕生背景についてマーケティング統括部の濵野、アクワイアリング統括部の中山へのインタビュー形式でご紹介します。

※「stera pack」は、当社グループ会社であるSMBC GMO PAYMENT株式会社が提供するサブスクリプション型キャッシュレスサービスです。

◆高機能な決済端末「stera terminal」のサブスクリプションサービス「stera pack」

――まず、あらためて本サービスで提供する端末「stera terminal」について教えてください。

濵野：「stera terminal」は、たくさんの加盟店様からニーズを聴取し、弊社が初めて企画・開発段階から携わった端末で、１台で多種多様な決済手段に対応することができます。

店員様側・お客さん側で画面が分かれており、クレジットカードはもちろん、電子マネー、コード決済の読み取りは全てお客さん側でできます。また、電子サイン、暗証番号入力も同じ画面で完結できるので、端末の向きを変えたり、カードの受け渡しをしたりする必要はありません。

さらに、自動音声案内やオートカッター付きのレシートプリンター、暗証番号が周りから見えない仕様など、コンパクトなサイズの中にお店をサポートする、たくさんの機能が詰まっています。

また、Android™ OSを採用しているため、決済に限らずさまざまな機能を追加することができるので、お店の状況に合わせてカスタマイズして、業務効率化を図ることができるのも特徴のひとつです。

――「stera pack」をリリースした背景についてお聞かせください。

濵野：先ほどご紹介した高性能端末「stera terminal」を、たくさんの加盟店様にご利用いただきたい思いから、昨年4月に初期コストゼロ、月額3,300円の新しい「stera pack」というサービスをリリースしました。

また、集客や販促にさらに力をいれたいとの店舗様側の声を受け、デジタル会員証アプリ「おみせポケット」を標準搭載しています。スタンプカードの電子化や、クーポン配信など、既存顧客の囲い込みにつながる機能がお使いいただけます。

実際に「おみせポケット」をご利用いただいているペットサロン様では、お子様が描かれたオリジナルの絵をスタンプに設定したことで、お客さんとの間に会話が生まれコミュニケーションのきっかけになっているのだそうです。

――どういった店舗が導入されているのでしょうか。

濵野：飲食店や小売店の他、理美容室など、お客さんとの絆を深めたい様々な店舗様にご導入いただいています。あるアパレルショップ様からは、決済時のストレスが軽減されることによって「接客力が上がった」という声をいただいています。

キーワードは「ゆとり」です。

希望の決済手段が使えなかったり、スタッフが操作に手間取ってしまったり。せっかくお店でこだわりのサービスを提供しても、最後の会計時にお客さんにストレスを与えてしまうことで顧客体験が損なわれてしまいます。

「stera pack」なら、会計がスマートになることで、お客さんとの会話を途切れさせることなく、お見送りまでスムーズな流れを作ることができます。接客にも空間にも「ゆとり」が生まれるのです。

◆医療機関・クリニック向けサービス「stera pack for クリニック」が新登場

――そんな便利な「stera pack」に、今回新たに医療機関・クリニック向けサービス「stera pack for クリニック」が登場します。リリースに至った背景を教えてください。

中山：新型コロナウイルス感染症の拡大により、医療機関のデジタル化をもっと進めるべきと思いました。受付スタッフの方は案内、会計、問い合わせとやるべきことが多く、会計待ちの患者さんもいます。その状況では、本来、病気を治しにいくための病院で感染する恐れもあり、患者さんからの不安の声も聞こえてきました。

また、コロナ禍で、現金での授受よりも、キャッシュレス決済を希望する方が増加しましたが、医療機関での会計はいまだ現金でのやりとりも多く、キャッシュレス化は進んでいない状況です。

こうした課題を解決するため、私たちは医療機関のデジタル化支援サービスの検討を始めました。

――実際のサービス内容を教えてください。

中山：まず、決済手数料を医療向けのキャッシュレスサービスにおける業界最安水準である1.50％～まで引き下げました。さらに、受付業務のデジタル化を支援するために「おまとめ診察券 by GMO for stera」というアプリを標準搭載しました。これは、患者さんのスマホを診察券代わりにできるアプリです。

――進めていく中で、どういったところに苦労がありましたか。

中山：医療機関のデジタルニーズの把握や、配慮すべき点の理解ですね。私には医療機関の知識がありませんから、どこをデジタル化すれば医療従事者様や患者さんが楽になるのか、また実現可能性が高いのかといったことをゼロから理解していく必要がありました。

例えば、医療従事者様からすると当たり前の知識である「レセプトコンピュータ」と「電子カルテ」についても、私は何も知りませんでしたから。

そのうえで、医療機関では診察情報を扱うため、セキュリティに配慮する必要があります。アプリチームでヒアリングを重ね、どういったサービスなら導入できるのか、便利になるのかを検討していきました。

実際、医療従事者様からは、「受付業務を削減したい」「予約ができるようにしたい」といった声があがりました。また、体調が悪いときに通うクリニックと美容外科クリニックのような医療機関とでは、抱える事情が異なります。こうしたことも実際に携わる方々に聞きながら、サービス開発を進めていきました。

◆店舗やクリニックの「困った」をテクノロジーで解決できる企業に

――「stera pack for クリニック」リリースにあたって、メッセージをお願いします。

中山：キャッシュレスを導入できるだけではなく、「おまとめ診察券 by GMO for stera」により受付業務の効率化、非接触対応も実現できます。1台のIoTデバイスのように活用していただければ嬉しいですね。手数料も1.50％～とコストメリットがあるため、ご導入していただき、3密防止に役立てていただければと思います。

今回は医療機関に向けてサービスを打ち出しましたが、他のサービスも検討していきたいと考えています。「三井住友カードに相談したら叶えてもらえるかも」と思っていただける企業を目指していきたいです。

濵野：キャッシュレスの導入を進めるだけではなく、店舗様側、お客さん側ともにより良い体験をできる世界を実現していきたいですね。三井住友カードでは「Have a good Cashless.」を掲げており、今後もお客さんの「good」のために、さまざまな提案をしていきたいと思っています。

私は入社6年目で、経験のない中で「stera pack」の立ち上げに携わっていますが、いつでも先輩に助けていただける環境で、チャレンジしやすい職場に感謝しています。これからも新たな挑戦をし続けたいです。