FromプラネットVol.161<サブスクリプションに関する意識調査>

プラネット

 国内1,400社超が利用する日用品流通の情報基盤を運営する株式会社プラネット (所在地:東京都港区、代表取締役社長:田上正勝)は消費財や暮らしにまつわるトピックスをお届けする 『Fromプラネット』 の第161号として、サブスクリプションに関する意識調査の結果をご紹介します。未掲載のデータもご提供できますのでお気軽にお問い合わせください。
  • サブスクの“内容まで理解”は2割どまり
 コロナ下のステイ・ホーム期間中、急速に普及したもののひとつがサブスクリプションによる動画配信サービスでしょう。サブスクリプションは、月ごとや年ごとに決められた料金を支払うことで、商品やサービスを一定期間利用できるビジネスモデルのことで、「サブスク」という略称のほうが耳なじみがいいかもしれません。動画や音楽、ソフトウエアのネット配信以外にも、最近はリアルの商品・サービスでも広がりをみせています。そこで今回はサブスクリプション(以下、サブスク)について、いろいろと探ってみました。
 まず最初に、サブスクを知っているかをたずねたところ(図表1)、「聞いたことがあり、内容は何となく理解」(28.6%)と「聞いたことがある程度」(28.5%)がほぼ同数に。これに続くのが「聞いたことがなく、内容もわからない」(22.6%)で、「聞いたことがあり、内容もよく理解」と、内容までしっかりと理解ている人は2割程度にとどまりました。
 性年代別にみると、男性は「内容もよく理解」が40代以下で3割を超え、「内容は何となく理解」を加えると60代以下で半数を超えており、認知度は高いようです。一方で女性は、20代で「内容もよく理解」が37.4%と全年代で最多ですが、それ以上の年代では男性より低値となり、「内容は何となく理解」と合わせても半数どまりでした。70代以上は男女とも4分の1強が「聞いたことがなく、内容もわからない」としており、いまひとつ浸透していないことがわかりました。

 

  • 半数が利用サービスは“1つ、支払い料金は1,000円未満
 次に、「何かしらのサブスクを利用している」とした1,462人(全体の36.6%)に、利用しているサブスクの数と毎月支払っている料金を聞いてみました(図表2・3)。
 利用数は、「1つ」が半数以上に。以下「2つ」26.8%、「3つ」13.1%で、「4つ以上」は9.1%にとどまり、現状では利用数はそれほど多くないようです。年齢別にみると(図表非掲示)、20・30代の男女、40代男性で「4つ以上」が1割超にのぼり、サブスクの認知度が高い若年層で積極利用しているようです。月間支払い額は最多の「500円~1,000円未満」を含め、半数以上が「1,000円未満」に。「3,000円以上」という人も19.2%いました。

 

  • 4分の1が動画コンテンツ”サービス利用
 冒頭でも述べたとおり、“サブスク=インターネットを介しての各種コンテンツなどの配信・利用サービス”を想起する人も多いでしょう。そこで、コンテンツやソフトウエア関連のサブスクの利用状況をまとめたのが図表4です。“現在1つ以上利用している”人の比率が最も高いのは「動画コンテンツ」23.7%で、2位の「音楽」(12.4%)を10ポイント以上引き離して断トツに。「電子書籍、マンガ、雑誌」や「新聞のWeb版、有料Web記事」の“読む系”サービスより、「コンピューターのソフトウエア」が上回っているのは興味深いところです。また「ゲームソフト」を除く全項目で、“利用したことはないが、今後利用してみたい”が1割前後にのぼることから、さらなる利用者の拡大余地がありそうです。
 “1つ以上利用している”人の比率を性年代別に見ると、「動画コンテンツ」は20代女性の36.9%を筆頭に30代以下の男女で3割前後と高値に。「音楽」も同様の傾向を示しており、CDではなくストリーミングサービスで音楽を楽しむスタイルが若年層を中心に定着していることを表しています。また30代以下では、女性は「電子書籍、マンガ、雑誌」、男性は「ゲームソフト」が高いというのは納得できるところです。
 職業別では、“会社役員・経営者”と“学生”でサブスク活用率が高いことが読み取れます。なかでも“会社役員・経営者”では職業柄からか、「コンピューターソフト」と「新聞のWeb版、有料Web記事」が高値に。“学生”では少し意外ですが「動画コンテンツ」より「音楽」が高いほか、「ゲームソフト」がほかの属性に比べ突出して高値となりました。

 

  • 4分の3は元がとれるくらい利用
 サブスクでは、利用状況にかかわらず定期的に一定料金がかかることから、“利用すればするほどお得になるサービス”と言えます。そこで、契約しているサービスをどれくらい使っているかを聞いてみました(図表5)。その結果、「支払い料金以上」32.1%、「支払い料金程度」43.0%と、4分の3が“元が取れている”と回答。性年齢別では、女性は年代差が比較的小さいですが、男性は年代が上がるほど“元が取れている”比率が低下する傾向が。女性のほうが年代を問わず“サブスクの使い方が上手い”のかもしれません。
 一方で、「あまり使っていない」とした人は全体の14.9%でした。年代別では70代以上で男性が27.9%、女性が19.5%と高くなっています。高齢層ではせっかく加入しても“幽霊会員”化してしまう人が多い、ということなのでしょうか。

 

  • 今後利用したいサブスク“コト”が上位に
 図表4ではコンテンツなどのサブスクの利用状況のデータを示しましたが、最近は大手自動車メーカーが自動車のサブスクを開始するなど、商品や対面サービスにまで広がりをみせてきています。そこで、同じ設問のなかからリアルな商品・サービスについて、「今後利用してみたい」という回答をピックアップしたのが図表6です。その結果、「旅行(ホテルなど)」や「飲食店」「食品」「生活サービス(家事代行など)」で1割強の人が“利用してみたい”と回答。全体的に“モノ消費”より “コト消費”関連のほうが高率になっています。
 性年代別だと、全般に若年~壮年層で利用意向が高い傾向がみられ、特に30代以下男性は全項目で1割を超えています。モノの所有を最小限に抑える“ミニマリスト”志向の表れなのかもしれません。20代女性では、「洋服・ファッション」が16.2%といるのは納得できますね。「習い事、フィットネス」と「美容サービス」は20代男女と40・50代女性で高値になっているのは興味深いところです。「自動車」については20代・40代男性で高値を示しており、この背景には生活環境やライフステージの変化もありそうです。

 

  • サブスクで“気になる” “試したい”ニーズを満たす?
 サブスクを利用する/利用しない理由についてもたずねてみました(図表7・8)。利用する理由として最も多かったのは45.2%の「いろんな商品・サービスを利用できる」。「気軽に商品・サービスを利用できる」が3位、「最新の商品・サービスを利用できる」が5位であることと考え合わせると、“買うほどではないけれど気になる” “試してみたい”というニーズを満たすためにサブスクを使う人が一定数いそうです。また、「購入するより安く済む」や「物を所有せずに済む」といった金銭面やミニマリスト的な理由も高率に。「無料お試し期間に解約し忘れた」という消極的な理由を挙げた人は3.4%にとどまりました。
 片や、利用しない理由をみてみると「利用したい商品・サービスがない」が38.5%と、品ぞろえの点がトップに。これに、「お金の無駄遣いになりそう」と「使わなくても料金を支払う必要がある」といった金銭的な理由が続きました。「やめるタイミングを逃しそう」「自分で管理しきれなさそう」といった契約面の理由を挙げる人は約1割に。「趣味やライフスタイルが変わった」と「無料お試し期間が終了した」は若年層で理由を挙げる人が多い結果となりました(図表非掲示)。

 

  • 発展途上サブスク今後の展開期待
 最後に、サブスクについて思うことや使っての感想などを自由に書いてもらいました。「自分で見て買いたい」「所有したい性分」などの理由で利用しない人がいるなか、サブスクのメリットや、実際に使っての生活の変化などを書いてくれた人も。また、“あったらいいな”と思うサブスクの一部を下記に示しています。サブスクはまだまだ発展途上のサービス、今後どんなサービスが出現するか、期待を持ってウォッチしたいところですね。

 

  • 《 サブスクリプションについて思うことなど 》
【便利に使っています】
● マンガはサブスクを利用するようになって、家での断捨離が進みました。(女性・30代)
● 音楽のサブスクを利用しており、名前だけ聞いたことあるアーティストの曲に触れることができるようになり、新たな出会いが増えて楽しいと思っている。(女性・20代)
● 食料品のサブスクを利用しており、今まで知らなかった商品に出会えて試せるのでよいと感じる。(女性・30代)

【賢く利用したい】
● 契約して使わずにいることがよくないので、見定めが重要に思います。そのために初期の無料期間は必要だなと個人的に感じます。(男性・40代)
● 定期的に行っていることがない人には必要ないが、頻繁に利用する人にはメリットがあると思います。利用額を超えなかったら還元するようなことがあると、もっとよいと思います。(男性・50代)

【使ってはみたが…】
● 無料や安い期間が終わると途端に高くなった気がして、損した気分になる。(男性・30代)
● サブスクリプションの動画アプリを利用していたが、いつでも観られる安心感からか、むしろ利用が減ってしまった。今ではYouTubeや他のアプリの無料範囲で楽しむようになった。(男性・40代)

【利用に抵抗感なども…】
● モノ・サービスを使いたいタイミングで100%使える保証がない部分があまり好きじゃない。(男性・30代)
● まだまだバリエーションが少なく、それぞれ一長一短あり、丁度良いのが見つからない。もう少し選択肢が増えたら、組み合わせなども含めて選びやすくなると思う。(男性・50代)
● モノのサブスクの場合、自分のものでないので、破損や紛失、汚れ等に気を使って疲れそう。(女性・50代)
● 個人的に、映像や音楽は手元に残らなくても構わないので利用しやすいが、洋服や本などは所有して最終的に売ったりした方が得なのではと感じることがあるため、サブスクの形態に魅力を感じづらい。(女性・30代)

【こんなサブスクがほしい!】
子供用自転車(男性・20代)/タクシー(男性・60代、他)/ガソリン・高速代(男性・60代)/クリーニングと服預かり(男性・60代)/観葉植物(女性・20代、他)/ペットの知育おもちゃ(女性・40代)/ヘアカラー(女性・50代)/メガネ(1年に1回視力検査、必要なら度数変更のレンズをサービス)(女性・50代) など

 

調査機関:株式会社プラネットによる調査企画をもとに、株式会社ネオマーケティングにて「サブスクリプション」に関する意識調査を実施。
期間:2021年6月16日~6月21日、インターネットで4,000人から回答を得ています。

株式会社プラネットと https://www.planet-van.co.jp/ 
メーカー、卸売業、小売業がサプライチェーンとして連携し、生活者へのサービス向上を目指して進化を続ける日本の消費財流通を、情報インフラ運営で支えている上場企業(証券コード2391)です。

From プラネットとは https://www.planet-van.co.jp/news/from_planet.html (バックナンバーもご覧になれます)
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本件に関するお問い合わせ先
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株式会社プラネット 広報部(河合、角田)
E-mail : koho-pr@planet-van.co.jp

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業種
情報通信
本社所在地
東京都港区浜松町1丁目31番 文化放送メディアプラスビル3階
電話番号
03-5962-0811
代表者名
田上 正勝
上場
JASDAQスタンダード
資本金
4億3610万円
設立
1985年08月