天才落語家・立川談志の高座の魅力を再確認!サンキュータツオと春日太一が熱く語る!

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WOWOWでは、2011年に75歳で亡くなった天才落語家・立川談志の伝説的な高座にあらためて触れる機会となる特集「はじめての談志×これからの談志」を2016年1月2日より5カ月連続で放送する。その放送に先駆けて、12月16日には渋谷のユーロライブで「芝浜」「権助提灯」の2演目の試写会と、定期落語会「渋谷らくご」のキュレーションを務めるサンキュータツオ、時代劇研究家の春日太一によるトークショーが行われた。 
時代劇研究家として活躍する春日だが、落語に関してはこれまでそれほど積極的には触れてこなかったという。「芸事に詳しい人は皆さん、談志さんに詳しい方が多く。談志さんを語り出したら本当にすごい方たちばかりなので、逆においそれと近づいてはいけないと思っていた。だから今回の特集はあらためて談志さんの落語に触れるいい機会だった」とその理由についてコメントすると、今回、上映された「芝浜」と「権助提灯」について、「とにかくカリスマ性がすごい。“気難しい”のではなく“気安くない”という感じ。簡単に近づいてはいけないような、簡単には笑わせないぞといったようなピリピリとした緊張感を醸し出している」と感じたといい、その資質を俳優の仲代達矢、平幹二朗、中村吉右衛門などになぞらえて、そのすごさを称賛した。
一方、10代の頃に談志の落語に出会ったというサンキュータツオが「例えば、古今亭志ん朝師匠が出てくる時は、みんなが前のめりになってちょっと客席が浮くということがありましたが、談志師匠の場合は咳(せき)払いひとつしてはいけないという息をのむ緊張感があって。それが癖になる」とコメントすると、春日も「それが不愉快じゃなくて。ある種、奴隷のような感じというか。この人に首根っこを捕まれていることにマゾ的な快感がある」とほれぼれした表情を見せた。

そしてその後は、談志自ら「芸術の神様が舞い降りた」と語ったという伝説の高座「芝浜」(2007年よみうりホール)を上映。その迫力に、映像を観ていた観客からは自然と拍手がわき起こった。そして上映後、ふたたびトークショーにやってきたふたりは「何も話す気が起きないですね」と感激に浸っていた様子。それでも「お年を召した役者の方にインタビューをするとき、最初は2時間も体力が持つかなと心配に思うんですが、だんだん興が乗ってくると、顔つきが昔の生き生きした時の顔に変わるんです。この『芝浜』はまさにその瞬間が見られました」と春日が口火を切ると、サンキュータツオも「2007年ごろは、談志師匠も声が出るのかという不安の声もあった時期ですが、最後のあたりでバシッと声が決まる。あのくだりは迫力がありましたね」と同意。さらに春日が「芸の神様が降りてくると、老境に入った方もフィジカルを取り戻してくる瞬間があって。一瞬にしてみずみずしい雰囲気が立ち現れてくる。それが名人の名人たるゆえんなんだと思います」と付け加えると、タツオが「『芝浜』の話をしたらいつまでも話をし続けますよ!」と語るなど、興奮冷めやらぬ様子だった。

さらに続けて本邦初公開の映像となる「権助提灯」を上映。冒頭から繰り出される近況報告風の“まくら”は、やがて辛口の社会風刺と男女のジョークへと変化するなど、落語の本編以上となる20数分にわたって縦横無尽に展開。そんな談志節を堪能したタツオは「あっという間ですね」としみじみ。春日も「言葉を仕事にする人間がつまらないことを言うなと言われそうだけど、本当に面白い。談志さんの言葉はずっと聴いていられるし、エンドレスで気持ちよくて面白い状態が続く。昔すごかったんですよ、と過去の栄光を笠に着ている人は名人じゃなくて。今でもすごくて、観客を圧倒できる人が名人なんだと。名人の姿をあらためて思い知らされました」とすっかり感服した様子だった。

立川談志 生誕80周年記念 5カ月連続特集
はじめての談志×これからの談志
1/2(土)午後5:30 WOWOWライブ
http://www.wowow.co.jp/pg_info/wk_new/010596.php

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設立
1984年12月