第15回 「shiseido art egg」賞 受賞者決定のお知らせ

　資生堂では毎年、新進アーティストに資生堂ギャラリーの門戸を広く開く公募制のプログラムshiseido art egg(シセイドウアートエッグ)を開催しています。15回目となる2021年度は、入選作家の石原 海(いしはらうみ)氏、菅 実花(かんみか)氏、中島伽耶子(なかしまかやこ)氏が、9月から12月にかけてそれぞれの個展を開催しました。
今回、3つの作品の中で資生堂ギャラリーの空間に果敢に挑み新しい価値の創造を最も感じさせた作品に贈る「shiseido art egg賞」には、中島伽耶子氏が選出されました。
12月23日には授賞式を行い当社常務チーフソーシャルバリュークリエイションオフィサーの青木より、中島氏にトロフィー並びに賞金20万円を贈りました。

■shiseido art egg賞 選考について
3つの展覧会を開催後、今日のクリエイティブシーンで活躍する3名の審査員、金沢 健一(彫刻家)、小田原 のどか(彫刻家/評論家/出版社代表)、小林 エリカ(作家/マンガ家)による審査の結果、ギャラリー空間の使い方の独創性と、最も物質性を感じさせ、かつ身体性の伴う展示だったことが評価され、中島伽耶子氏が第15回shiseido art egg賞に決定しました。

■中島伽耶子展について
「Hedgehogs(はりねずみたち)」
会期：2021年11月23日(火・祝)～12月19日(日)

中島は、壁や境界線をモチーフとして人と場所との関わりについて問う作品を制作しています。
本展では、アクリル片を突き刺した巨大な壁でギャラリーを分断し、鑑賞者の動きによって、光と音のみが行き来する、暴力性と美しさを同居させた空間をつくりました。実際に会うことなく容易に他者とつながることができる今の時代、コミュニケーションについて改めて考えさせられる展示となりました。

撮影:加藤健

■受賞者コメント
shiseido art egg 賞という、ひとつの目標であった賞をいただきとても嬉しく思います。ギャラリーでの展示経験が少ない中で、このような大規模なインスタレーションを実現できたのは、資生堂ギャラリーの皆様の支援や、施工と照明を担当してくださったプロフェッショナルの方々、素材提供していただいた企業様など、様々な方の協力のおかげです。一人では運べない作品を作るということは、私にとって人と関わり、伝え合い、助けてもらいながら制作するということなのだと、改めて感じています。搬出を終え、作品の壁を取り払った資生堂ギャラリーはあっけらかんとしていて、これまでの展示が嘘のようで、そしてやはり美しい空間でした。貴重な経験に感謝し、反省を活かしながら、これからも一人では運べない作品を作りたいと思います。

■中島伽耶子プロフィール
1990年 京都府生まれ
2020年 東京藝術大学美術研究科美術専攻博士後期課程修了
秋田県在住

■ご参考　第15回 shiseido art egg 他の展覧会概要(展示風景画像 撮影:加藤健)

展覧会名：石原 海展 「重力の光」
会期：2021年9月14日(火)～10月10日(日)
展示概要：
演劇とインタビューを交差させた映像を通して、苦しみや生の意味、信仰と救いなどを追求した映像インスタレーション作品を展示
 

展覧会名：菅 実花展 「仮想の嘘か|かそうのうそか」
会期：2021年10月19日(火)～11月14日(日)
展示概要：
自身の頭部を型取りして作った人形と一緒に撮影した、セルフポートレート作品を中心に、映像、インスタレーションも交えて鑑賞者の視覚認識を揺さぶる作品を展示

当社では、shiseido art eggを通じて、新進アーティストの思考や作品を観る視点を学び、アート思考を鍛えることを目的とした社員対象のアートプログラムを実施しています。今期は3つの個展の対話型鑑賞会を通して作家との交流を深める活動や、それぞれの展覧会に対して感じた事を社員同士で意見交換し独自の賞名をつけた「社員賞」を贈呈するなどの活動も行っています。

■お問い合わせ先
株式会社資生堂 社会価値創造本部 アート＆ヘリテージ室 グローバルアートグループ
10:00～17:00 
土日祝・年末年始休
第一期展(石原 海展)　　　担当：板垣 [e-mail] 
第二期展(菅 実花展)　　　担当：真家 [e-mail] 
第三期展(中島 伽耶子展)　担当：豊田 [e-mail] 

■画像資料請求先
資生堂ギャラリー 
11:00～18:00 
月曜・年末年始休
tel. [phone] fax. [phone]
担当：永田 [e-mail] 
　　　大橋 [e-mail]