中央アフリカ共和国:37万人の子どもが国内避難民に~2014年以降で最多【プレスリリース】

子ども兵士として武装グループに徴兵された10歳の男の子。(2021年3月5日撮影) © UNICEF_UN0426370_Zigoto Tchaya子ども兵士として武装グループに徴兵された10歳の男の子。(2021年3月5日撮影) © UNICEF_UN0426370_Zigoto Tchaya

【2021年4月27日 バンギ(中央アフリカ共和国)発】

現在、中央アフリカ共和国では、継続的な暴力と情勢不安の結果、推定73万8,000人(うち半数は子ども)が国内避難民となっています。これは、2014年以降最多の水準であり、ユニセフは、性的・身体的暴力、武装グループによる徴用、栄養不良の割合の増加、必須サービスへのアクセス制限など、子どもたちに危険が及ぶ可能性が高まっていることに警鐘を鳴らしています。また、長年の紛争や情勢不安によってすでに非常に脆弱な状態にあったホストコミュニティに、最近の避難が及ぼすであろうさらなる影響についても懸念しています。

最新の推計によると、昨年12月の総選挙前後に発生した広範な暴力により、少なくとも16万8,000人の子どもたちが避難を強いられました。そのうち約7万人は、未だに家に戻ることができていません。多くの子どもが家族と離ればなれになっているため、拉致されたり、脅迫されたり、武装グループへの参加を強要されたりするなど、権利が侵害されるリスクが高まっています。

武装グループによる子どもの徴用は、子どもの権利の重大な侵害のなかで依然として最も頻度が高く、2020年に確認された792件のうち、584件を占めています。ユニセフは、2021年の最初の4カ月間、子どもの徴用が続いていることを示す未検証の報告を受けています。暴力と情勢不安のために、報告された違反行為の検証ができていないのです。
 

AFEBリスニングセンターで心理社会的支援を受ける女の子。(2021年3月5日撮影) © UNICEF_UN0426320_Zigoto TchayaAFEBリスニングセンターで心理社会的支援を受ける女の子。(2021年3月5日撮影) © UNICEF_UN0426320_Zigoto Tchaya

「紛争と暴力により人生が一変し、武装グループに加わり、戦闘に参加することを余儀なくされ、自分と他人の命を危険に晒すという新たなトラウマを経験するかもしれない何千人もの子どもたちの運命を、非常に憂慮しています」と、ユニセフ・中央アフリカ共和国事務所代表のフラン・エクイザは述べました。「このような恐ろしい出来事は、子どもたちとその家族の人生に消えない傷跡を残し、基本的な権利を侵害するものです」

人道支援従事者への攻撃などの深刻な課題があるにも関わらず、ユニセフは国内全域で子どもの保護活動の強化を続けています。こうした活動には、遠隔地の子どもたちを含む、弱い立場にある子どもたちに手を差し伸べられる、移動式の子ども保護チームの展開も含まれます。また、子どもにやさしい空間やその他のコミュニティ単位での取り組みを通じて、子どもたちにメンタルヘルスの支援や心理社会的支援を提供しています。

かつて武装グループとつながりのあった子どもたちは、家族やコミュニティのもとに再び戻ることを目指す長期的なプロセスの一環として、学校に戻ったり、職業訓練を受けたりできる専門プログラムに参加しています。
 

保護された子どもたちと話すユニセフのスタッフ。(2021年3月5日撮影) © UNICEF_UN0426325_Zigoto Tchaya保護された子どもたちと話すユニセフのスタッフ。(2021年3月5日撮影) © UNICEF_UN0426325_Zigoto Tchaya

2014年以降、ユニセフとパートナーは、1万5,500人以上の子ども(そのうち30%は女の子)の武装グループからの解放に貢献してきました。しかし、これらの子どもたちの約5人に1人は、主に経済的な制約により、専門プログラムにまだ参加できていません。

ユニセフの子どもの緊急保護活動も、依然として資金不足が深刻です。その中で、2020年に資金が確保できた活動は50%未満で、何千人もの子どもたちに影響が出ました。2021年は、暴力、搾取、虐待の影響を受ける子どもと女性への支援活動を拡大するため、820万米ドルの資金を要請しています。この活動には、武装グループから解放された2,000人の子どもを家族やコミュニティに再統合することや、同伴者のいない子どもや離ればなれになった子どもに代替的養護ケアを提供することなどが含まれます。現時点で、資金が確保できた活動は26%に留まります。

「ユニセフは今後も最前線で、重大な権利侵害から子どもたちを守るための活動を続けていきますが、私たちだけの力では実現できません。子どもたちを危険な目に遭わせず、彼らにふさわしい未来を築くためには、すべての人の協力が必要です。私たちは、すべての紛争当事者に対し、国際人道法や人権法の下の義務に沿って、すべての子どもの即時解放と、すべての民間人、特に子どもと女性を暴力から守るよう、あらためて呼びかけます」(エクイザ)

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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。 https://www.unicef.or.jp/
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

 ■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/

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公益財団法人日本ユニセフ協会

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業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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