第12回中国化粧品学術研討会において優秀な研究論文として「1等賞」と、「2等賞」2件をトリプル受賞

株式会社資生堂

 資生堂は、中国香料香精化粧品工業協会が主催する、第12回中国化粧品学術研討会(2018年6月26~28日、中国・広東省江門市)における優秀論文として、84件の論文のエントリーの中から1論文に授与される「1等賞」と「2等賞」2件をトリプル受賞しました。当受賞は研究内容に加え、中国化粧品業界の技術進歩への貢献が評価されたものです。また、最も優秀な研究に贈られる「1等賞」については、資生堂として通算6回目の受賞です。これらの最新研究や高い技術を今後も中国専用ブランド「オプレ」や、全世界で展開する「クレ・ド・ポー ボーテ」「SHISEIDO」ブランドなどの化粧品開発へ活用していきます。

 中国香料香精化粧品工業協会(China Association of Fragrance Flavour and Cosmetic Industries, CAFFCI)はエッセンス・香料、化粧品および化粧品の原料、機器、包装、関連研究開発、デザイン、教育などの企業、機関、および個人で構成された非営利団体です。中国化粧品学術研討会は2年に一度開催される、化粧品に関する研究発表と学術討論の一大発表会であり、論文賞には、中国国内外の多くの企業・大学・研究機関が参加し、中国化粧品産業の技術進歩に貢献する優秀な論文が選考されます。


 6月27日に行われた授賞式では、「1等賞」を受賞した資生堂リサーチセンター 原祐輔が「シワ形成における角層の役割解明と抗シワスキンケアの開発」について論文を発表しました。原は下記のようにコメントしました。
 「このような栄えある賞をいただき、とても嬉しく思います。皮膚にはまだまだ解明されていないことが多くあります。それを少しでも明らかにしていくことによって、お客さまにさらに美しくなっていただけるような価値を生み出せる研究を進めていきたいと思います。」

 なお、「2等賞」を受賞した2件の論文は以下のとおりです。
● 革新的なアンチエイジングスキンケアの開発 - 汗腺の収縮による肌老化メカニズムの発見:「真皮空洞化」 (発表者:資生堂リサーチセンター 江連智暢)
● リンパ管の機能低下が引き起こす皮膚老化メカニズムの解明に基づくリンパ機能を促進する抗老化成分の開発 (発表者:資生堂リサーチセンター 加治屋健太朗)


《受賞した研究論文の概要》
【1等賞】
<論文タイトル>シワ形成における角層の役割解明と抗シワスキンケアの開発
<発表者>資生堂リサーチセンター 原祐輔
<論文の概要>
日常の表情の動きによって一時的にできるシワ(残りジワ)が毎日形成され続けることによって、肌がシワの形態を記憶して表情ジワが定着します。本研究では、表情を作った際に肌に生じるストレスを解析する技術を新たに開発し、表情をつくる度に角層の折れ曲がる部位に大きなストレスがかかってケラチン線維(角層の主要成分)の配列が乱れることにより残りジワが発生してしまうことを突き止めました。さらに、ケラチン線維を整えるケアがシワ定着の原因となる残りジワに対して有効であることを初めて明らかにしました。

【2等賞】
<論文タイトル>革新的なアンチエイジングスキンケアの開発 - 汗腺の収縮による肌老化メカニズムの発見:「真皮空洞化」
<発表者>資生堂リサーチセンター 江連智暢
<論文の概要>
加齢に伴う顔のたるみの原因を明らかにするため、皮膚内部構造を3次元的に詳細に観察する手法を開発し、加齢に伴い皮膚(真皮)の下部が大きく欠損して皮下脂肪に置き換わること(「真皮空洞化現象」)を初めて明らかにしました。空洞化に伴って皮膚の弾力性が低下し、たるみが起きること、さらに空洞が加齢に伴う汗腺の委縮と密接な関係にあることがわかり、加齢によって汗腺が委縮することで真皮が空洞化し皮膚の弾力性が低下、顔のたるみが起きると考えられました。空洞化を改善する手段として、ローズマリーエキスが皮下脂肪組織に存在する脂肪組織由来幹細胞を誘因し、真皮の細胞を活性化して真皮様の立体構造を構築する効果を有することを初めて見出しました。

【2等賞】
<論文タイトル>リンパ管の機能低下が引き起こす皮膚老化メカニズムの解明に基づくリンパ機能を促進する抗老化成分の開発
<発表者>資生堂リサーチセンター 加治屋健太朗
<論文の概要>
皮膚老化は身体の内側の衰え、特に血管・リンパ管からなる循環系の機能低下も影響しているものと考えられますが、皮膚老化とリンパ管の機能低下については未解明でした。皮膚のリンパ管を可視化することで、加齢に伴ってリンパ管からリンパ液が過剰に漏れやすくなり老廃物や余剰な水分の回収機能が低下していること、たるんだ皮膚では皮下脂肪の蓄積が顕著でリンパ管からリンパ液が漏れやすい構造をしていること、リンパ液に含まれる脂肪酸がリンパ管を過剰に漏れやすくし、その結果皮下脂肪が蓄積していることを明らかにしました。リンパ管の安定化に重要な受容体Tie2の活性化が加齢モデルで減少し、桂皮エキスがTie2を活性化することでリンパ管を安定化させ、皮下脂肪の蓄積を抑制することを初めて見出しました。

《本学会における資生堂の受賞歴》
<開催年>2018年(第12回)
<受賞>1等賞
<受賞論文のタイトル>
シワ形成における角層の役割解明と抗シワスキンケアの開発

<開催年>2018年(第12回)
<受賞>2等賞
<受賞論文のタイトル>
革新的なアンチエイジングスキンケアの開発 - 汗腺の収縮による肌老化メカニズムの発見:「真皮空洞化」

<開催年>2018年(第12回)
<受賞>2等賞
<受賞論文のタイトル>
リンパ管の機能低下が引き起こす皮膚老化メカニズムの解明に基づくリンパ機能を促進する抗老化成分の開発

<開催年>2016年(第11回)
<受賞>2等賞
<受賞論文のタイトル>
皮膚の係留構造とその加齢変化の解明に基づく新たな抗老化スキンケア

<開催年>2016年(第11回)
<受賞>2等賞
<受賞論文のタイトル>
化粧品成分の光安全性評価における活性酸素分析の応用

<開催年>2016年(第11回)
<受賞>3等賞
<受賞論文のタイトル>
水に応答する自律性塗布膜の開発と革新的サンスクリーンの応用

<開催年>2014年(第10回)
<受賞>1等賞
<受賞論文のタイトル>
中国女性における肌の老化関連酵素ゼラチナーゼの発現に関する研究とゼラチナーゼ抑制剤配合化粧品の開発

<開催年>2014年(第10回)
<受賞>2等賞
<受賞論文のタイトル>
ITS手法を用いた化粧品素材の皮膚感作性評価法開発

<開催年>2014年(第10回)
<受賞>3等賞
<受賞論文のタイトル>
D-アミノ酸:皮膚恒常性維持機能やバリア回復機能等を有する新規アミノ酸群

<開催年>2012年(第9回)
<受賞>1等賞
<受賞論文のタイトル>
アジア人の肌における光老化皮膚でみられる黄色化と、真皮カルボニル化との関連

<開催年>2012年(第9回)
<受賞>2等賞
<受賞論文のタイトル>
PDMEはSDSで誘導された乾燥肌の角層細胞間脂質の構造

<開催年>2012年(第9回)
<受賞>3等賞
<受賞論文のタイトル>
耐水性、洗浄性に優れた刺激応答性ポリマー被覆粉末の開発とサンスクリーン製剤への応用

<開催年>2010年(第8回)
<受賞>2等賞
<受賞論文のタイトル>
表皮肌荒れ原因因子の解明と肌質改善成分の開発

<開催年>2008年(第7回)
<受賞>3等賞
<受賞論文のタイトル>
中国女性の眼袋に関する基礎研究

<開催年>2006年(第6回)
<受賞>1等賞
<受賞論文のタイトル>
血管新生が仲介する新しい光障害メカニズムの解明とそのメカニズムに立脚した傷害防止成分の開発

<開催年>2006年(第6回)
<受賞>3等賞
<受賞論文のタイトル>
中医美白処方の日本人女性に対する科学的皮膚評価

<開催年>2004年(第5回)
<受賞>1等賞
<受賞論文のタイトル>
肌荒れの発生機序と新規有効成分の開発に関する研究

<開催年>2004年(第5回)
<受賞>2等賞
<受賞論文のタイトル>
ビタミンA誘導体安定配合製剤の開発

<開催年>2004年(第5回)
<受賞>3等賞
<受賞論文のタイトル>
乾燥肌及びニキビ肌用化粧品への生薬の応用とその効果の分析

<開催年>2002年(第4回)
<受賞>1等賞
<受賞論文のタイトル>
植物組織培養技術を応用した新皮膚賦活薬剤「サイコエキスBS」の開発

<開催年>2002年(第4回)
<受賞>3等賞
<受賞論文のタイトル>
O/W/O型マルチプルエマルションの特性と応用

<開催年>2000年(第3回)
<受賞>2等賞
<受賞論文のタイトル>
精神ストレスの皮膚への影響と香りによる改善効果
 
※資生堂は、2000年の第3回より本学会に参加しています。


▼ ニュースリリース
http://www.shiseidogroup.jp/news/detail.html?n=00000000002478&rt_pr=trb56

▼ 資生堂グループ企業情報サイト
http://www.shiseidogroup.jp/?rt_pr=trb56

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会社概要

株式会社資生堂

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URL
https://corp.shiseido.com/jp/
業種
製造業
本社所在地
東京都中央区銀座7-5-5
電話番号
03-3572-5111
代表者名
魚谷 雅彦
上場
東証1部
資本金
645億円
設立
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