大賞に平川東京大学名誉教授 第37回正論大賞・正論大賞特別賞発表

産経新聞社

フジサンケイグループは、正論大賞の選考委員会を開き、今年の正論大賞および各賞を以下の通りに決めました。正論大賞は、フジサンケイグループの基本理念「自由と民主主義のために闘う正論路線」を発展させた個人に贈られる年間賞です。正論大賞新風賞は新進気鋭の言論人に贈られ、今回は該当なしとなりました。正論大賞特別賞は、社会や同グループの活動に顕著な貢献のあった個人や団体に贈られ、これまで9個人・団体が受賞しています。

 


第37回正論大賞 東京大学名誉教授 平川祐弘氏(90)
正論大賞特別賞 北朝鮮による拉致被害者の両親 横田滋さん(故人)、早紀江さん(85)夫妻

1、受賞理由
比較文化史研究の第一人者である平川氏は、英語、フランス語、イタリア語に堪能で、世界の諸文化を学んだ博識で知られる。その豊富な知識を背景に、皇室、神道をはじめ日本の素晴らしさを訴えた。新型コロナウイルスの感染拡大などで世論が揺れるなか、日本の軸を示した功績は大きい。先の大戦と東京裁判にも真正面から向き合った。月刊「正論」で16回にわたり『昭和の大戦とあの東京裁判―同時代を生きた比較史家が振り返る』を連載した。膨大な資料にあたり、それらをつき合わせることで、複眼的な視点で東京裁判の偏りをただした。

平川祐弘氏平川祐弘氏


横田滋、早紀江さん夫妻は、北朝鮮による拉致被害者、横田めぐみさんの両親として長く拉致問題の解決に向けて取り組んできた。平成9年2月、「20年間、何も動かなかった。すべてを公にしないと、何も伝わらず、変わらないままだ」と、めぐみさんの実名公表を決断したのは滋さんだった。家族で「覚悟」を決めて「めぐみ」という実名を公表したことが、世論を大きく動かすきっかけとなった。横田夫妻の活動は主権の問題に限らず、家族の大切さを国民に気づかせた。滋さんが昨年亡くなった後も早紀江さんは救出に向けた活動を続けている。記者会見等での一つひとつの言葉に重みがあるだけでなく、産経新聞の連載「めぐみへの手紙」は1人の母としての思いをつづり、多くの共感を生んだ。横田さん夫妻の言動はまさに正論大賞特別賞に値する。

横田滋さん、早紀江さん夫妻横田滋さん、早紀江さん夫妻


2、贈賞
正論大賞=ブロンズ彫刻「飛翔」(御正進氏制作)
正論大賞特別賞=同「あゆみ」(小堤良一氏制作)
※副賞として賞金が贈られる。令和4(2022)年2月、東京都内のホテルで贈呈式を開催予定

3、受賞者略歴
平川祐弘〈ひらかわ・すけひろ〉 昭和6年、東京都生まれ。東京大学名誉教授(比較文学比較文化)。文学博士。東大教授などを歴任したドイツ文学者の竹山道雄は義父にあたる。旧制第一高等学校1年を経て28年、東京大学教養学部を卒業。同大大学院比較文学比較文化博士課程修了。東京大学教養学部教授を務め、平成4年に定年退官した。ダンテ『神曲』の翻訳で河出文化賞を受賞したほか、『小泉八雲』でサントリー学芸賞、『ラフカディオ・ハーン』で和辻哲郎文化賞受賞。ほかに『和魂洋才の系譜』『戦後の精神史』など著書多数。10年に紫綬褒章、18年に瑞宝中綬章を受章した。
月刊「正論」で令和2年2月号から3年8月号まで、「昭和の大戦とあの東京裁判-同時代を生きた比較史家が振り返る-」を16回にわたり連載した。本紙正論メンバーとして、90歳を迎えた今もなお幅広いテーマでの執筆活動を続けている。

横田滋、早紀江<よこた・しげる、さきえ> 横田滋さんは昭和7年、徳島市生まれ。長女、めぐみさんが北朝鮮に拉致されていたことが判明し、平成9年から19年まで「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」代表を務めた。滋さんの妻、早紀江さんは昭和11年、京都府生まれ。滋さんと国内外を歩き、めぐみさんや、同じように拉致されている同胞救出を目指し、署名活動や講演を重ねてきた。
夫妻は37年に結婚、39年にめぐみさんを授かった。日本銀行勤務の滋さんの転勤で新潟にいた52年、当時13歳のめぐみさんが下校中、失踪。約20年後の平成9年、拉致の疑いが判明した。14年の日朝首脳会談で北朝鮮は拉致を認めて「死亡」と伝えてきたが、後に引き渡された遺骨はDNA型鑑定の結果、めぐみさんのものではなかった。孫のキム・ウンギョンさんの存在も分かった。滋さんは再会を果たせぬまま令和2年6月に他界。早紀江さんは今も救出を訴え続けている。
 

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未上場
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設立
1955年02月