ルナルナ×シンクパール 共同調査~女性特有のがんとHPVワクチンについて~

株式会社エムティーアイ

 (株)エムティーアイが運営する、ライフステージや悩みにあわせて女性の一生をサポートする健康情報サービス『ルナルナ』では、定期的にサービス内で様々な意識調査を行っています。
多くのユーザーから回答が寄せられ、生理やカラダに関する内容をはじめ、ほかでは聞けない女性の悩みや本音が明らかになっています。
 Vol.44では、毎年3月1日~8日の「女性の健康週間」にちなみ、女性の健康教育と婦人科系疾患の予防啓発活動を行う一般社団法人シンクパール(代表理事:難波美智代)と共同で行った、「女性特有のがんとHPVワクチンについて」の調査結果をお届けします。
 今回は、昨年行った「女性とがんの関係についての調査結果※1」と同じ質問で実施し、乳がんや子宮頸がんなど女性特有のがんに対する1年後の意識の変化を調査しました。また、子宮頸がんの予防となるHPVワクチンについての認知度や理解度についてもユーザーの声を聞いてみました。

■ 女性特有のがんに対する知識、9割以上が不十分と感じている!身近にあるリスクとしての認識は?

Q. あなたは、がんに女性特有のものがあることを知っていますか?

 最初に、女性特有のがんがあることを知っているかを聞いたところ、「はい」91.8%、「いいえ」8.2%でした。女性特有のがんの種類の認知率は、「子宮頸がん」99.2%、「乳がん」93.1%となり、昨年と大きな変化は見られませんでした。

Q. 現在のあなたの、女性特有のがんに対する知識は十分足りていると思いますか?

 女性特有のがんやその種類の認知率は9割以上と高いですが、知識は十分足りているかを聞いてみたところ「はい」が7.2%、「いいえ」が64.7%、「よくわからない」が28.1%となりました。こちらも昨年とほぼ変わらない結果となりましたが、「いいえ」と「よくわからない」を合わせると92.8%となり、女性自身も知識不足だと感じていることがわかります。

 「いいえ」「わからない」と回答した人にその理由を聞いてみると、自由回答では「病名くらいしかしらない。症状や治療法などを知らないから。」「言葉だけ知っていて、詳しい内容は充分に分からないと思うので。」「良くないことですがあまり興味を持てず他人事のように思ってしまいます」「テレビや雑誌に載っているくらいの内容しか知らないから」といった声が挙がりました。やはり、病名などは知っていても自分たちの身近にあるリスクとは感じられない人が多いようです。

 しかし、国立がん研究センターと国立成育医療研究センターの集計※2によると、15歳から39歳までのAYA(Adolescent and Young Adult)世代では女性のがん患者が非常に多く、特に20歳以降は約8割の患者が女性であることがわかっており、若いうちから女性特有のがんについて正しく理解することはとても大切です。

■ 子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウイルスの感染経路、若年層の認知度が低い傾向に!

Q. 日本人のがんの原因として、女性で一番多いものが「ウイルス感染」※3ということをご存知でしたか?

 次に、日本人のがんの原因として、女性では「ウイルス感染」による罹患が一番多いことを知っているかを聞いてみると、「知っていた」が16.0%、「知らなかった」が84.0%となり、8割以上の人が知らない結果となりました。


Q. 「子宮頸がん」の主な感染経路が「性交渉」であることを知っていますか?

 子宮頸がんのほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因である※4と言われていますが、主な感染経路が「性交渉」であることを知っているかを聞いてみると、「知っていた」が60.9%、「知らなかった」が39.1%となりました。年代別にみると、24歳以下の若年層では約5割の人が経路について知らないという結果となり、昨年と比較すると2ポイント減り、認知度が下がっていることが分かります。子宮頸がんは、20歳代後半から増加する※4ことからも、予防のためにも感染経路を含めた正しい知識を、若年層も含めより啓発していく必要性があると感じます。
 

 

■ HPVワクチンの存在を知っていても、推奨される理由を理解していない人が4割以上!

Q. 「子宮頸がん」の予防として、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染を予防するワクチンがあることを知っていますか?

 続いて、「子宮頸がん」の予防として、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染を予防するワクチンがあることを知っているかを聞いてみました。「知っている」が55.4%、「知らない」が44.6%となり、半数以上の人が知っているという結果となりました。 

Q. 「子宮頸がん」の予防として、HPVワクチンの接種が推奨される理由についてどのくらい理解していますか? 
 
では、HPVワクチンの接種が推奨される理由についてはどのくらい理解しているのでしょうか?

 ヒトパピローマウイルス(HPV)感染を予防するワクチンがあることを知っていると回答した人にたずねてみたところ、「他人に説明できるくらい理解している」と答えた人は6.3%、「なんとなく理解している」が45.6%でした。「あまり理解していない」41.9%と「全くわからない」6.2%を合わせると5割弱となり、HPVワクチンの存在は知っていてもその理解度はまだまだ不十分なことがわかります。

■ 7割以上がHPVワクチンの接種を考えないという結果に・・・副反応を心配する声が大多数!

Q. あなたは、HPVワクチンを接種したことがありますか?

 HPVワクチンは、厚生労働省が定める定期接種とされていますが、接種したことがある人はどのくらいいるのでしょうか?

 HPVワクチンがあることを知っていると回答した人に、接種したことがあるのかを聞いてみたところ、「ある」15.1%、「今後接種する予定がある」0.7%、「接種について悩んでいる」13.8%、「接種する予定はない」70.4%となり、7割以上の人が接種することを考えていないことが分かりました。 

Q. 「接種する予定はない」と答えた方にお聞きします。その理由について教えてください。(複数回答)

 では、「接種する予定はない」と回答した人にその理由を聞いてみたところ、最も多い回答が「接種後の副反応が心配だから」で49.4%、次いで「信頼できる情報がないから」29.7%、「接種の必要性を感じないから」23.4%でした。副反応を心配する声が一番多かったですが、自由回答にも「副反応が怖いから」「ワクチンの副反応での訴訟ニュースを目にしたから」といった声が目立ち、接種後の副反応に対して不安を感じている人が多いことが伺えます。 

 

 

■ 子どものHPVワクチンの接種については、接種後の副反応を心配する母親が多い結果に・・・

Q. 娘さんが、子宮頸がんの予防のために「HPVワクチン」を接種することについてどう思いますか?

 最後に、HPVワクチンがあることを知っていると回答した人で娘のいる母親に、娘がHPVワクチンを接種することについてどのように考えているのかを聞いてみました。

 「すでに受けたことがある」が8.7%、「受けて欲しい」が22.6%、「迷っている」が54.7%、「受ける必要はない」が14.0%となり、接種することに迷っている母親が多いことが分かりました。

 その理由(複数回答)を聞いてみると「接種後の副反応が心配だから」が最も多く、「信頼できる情報がないから」「接種の効果効用がわからないから」と続きます。 

 


≪慶應義塾大学名誉教授・前内閣官房参与・元日本産科婦人科学会理事長 吉村泰典医師からのコメント≫

 わが国では、子宮頸がんに年間1万人の女性が罹患し、2,800名もの方々が亡くなっています。多くの女性が治療で子宮を失う等の理由により、妊娠出産ができない状態となっており、マザーキーラーとも呼ばれています。子宮頸がんの95%以上は、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因であり、HPVワクチン接種によって予防することが可能です。

 今回の調査結果で、子宮頸がんという病気についての知識やHPVワクチンの有用性についての理解が十分でないことが明らかになりました。HPVワクチンにより子宮頸がんを減らすことは、国民の命を守ることに加え、少子化問題を考える上でも急務であることを御理解いただけたら幸いです。

≪一般社団法人シンクパール 難波美智代代表理事からのコメント≫

 2016年から行っている女性の健康週間に合わせた、子宮頸がんとHPVワクチンについての意識調査。なかなか知識が十分に行き届かない現状が変わらないのはどうしたらよいのでしょうかね。特にHPVワクチンがあることを知っていると回答した人で、娘さんが子宮頸がんの予防のためにHPVワクチンを接種することについて、「すでに受けたことがある」が8.7%、「受けて欲しい」が22.6%、「迷っている」が54.7%、「受ける必要はない」が14.0%となり、厚生労働省が定める定期接種であるものの、当事者やその家族が接種に対して納得できていない実情もあきらかになりました。昨年10月から接種対象者に通知を行うことが推奨されていますが、お住まいの各市区町村からの通知が届いていないという声を聞きます。ぜひ対象者に向けた通知と同時にわかりやすい情報提供の徹底を行っていただきたいと願っています。
 

 今回の意識調査では、女性特有のがんの認知度は昨年とほとんど変わらない結果となりましたが、症状や治療法など疾患の詳しい内容についての知識は不十分だと感じている女性が多いことが分かりました。また、子宮頸がんの予防となるHPVワクチンの存在は知っていても、予防法のひとつとして選択するにためには、信頼ある情報が足りないと感じる人が多くいる状況のようです。
 子宮頸がんは、早期に発見できれば比較的治療しやすいがんであることからも、ワクチンの接種に関わらず、定期的に婦人科を受診し検診を受けることで早めに異常に気付くことのできる状態を自ら作って欲しいと思います。

 『ルナルナ』は今後も、女性特有のがんとその予防に関する情報発信を継続的に実施していきます。
 また「FEMCATION(フェムケーション)※5」を通じて、年齢や性別を問わず誰もが、女性のカラダやココロについて正しく学べる機会を創出し、あらゆる女性たちが、より生きやすく、暮らしやすく、働きやすい社会の実現の一助となることを目指します。

参考資料:
ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~(厚生労働省HP)
ヒトパピローマウイルス感染症に係る定期接種の対象者等への周知について(再依頼)(厚生労働省HP)

調査実施時期 : 2021年2月19日(金)~2月22日(月)

調査方法および人数 :『ルナルナ』、『ルナルナ ベビー』『ルナルナ 体温ノート』にてアンケート調査
           10代~50代以上の女性、4,194名

※1:ルナルナ通信Vol.38「ルナルナ×シンクパール 共同調査~女性の健康週間に考える、女性とがんの関係~」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000651.000002943.html

※2:国立がん研究センターと国立成育医療研究センターによる「がん診療連携拠点病院等院内がん登録2016-2017年小児AYA集計報告」(2019年)より

※3:国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター「がんの発生原因と予防」より

※4:国立がん研究センターHP 「子宮頸がん検診について」より

※5:「FEMCATION」(商標登録出願中)は、FEMALE(女性)とEDUCATION(教育)を掛け合わせた造語です。
 

 

  • サイト名:ルナルナ®
  • 概要:ライフステージや悩みにあわせて女性の一生をサポートする健康情報サービス
  • <無料コース>生理日予測を始めとする、女性のカラダとココロの健康管理サービス。過去の生理日から生理日・排卵日を予測し、日々の体調変化をお知らせします。
  • <ベーシックコース>デリケートな女性のカラダとココロの健康情報サービス。生理日管理に加えて、あなたにあったカラダやお肌、ココロの状態を365日サポートします。
  • ファミリーコース/プレミアムコース>妊活から妊娠・出産までを独自の予測ロジックやアドバイスでサポートするサービス。妊娠しやすいタイミングを「仲良し日」としてお知らせし、妊活を手厚くサポートします。
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代表者名
前多俊宏
上場
東証プライム
資本金
52億1800万円
設立
1996年08月