【岡山大学】岡山大学病院でロボット支援下肝切除術・ロボット支援下総胆管拡張症手術を開始

国立大学法人岡山大学

2022(令和4)年 8月 28日
国立大学法人岡山大学
https://www.okayama-u.ac.jp/
 



<発表のポイント>
  • 2022年4月より、新たに肝疾患に対する「ロボット支援下肝切除術」と先天性総胆管拡張症に対する「ロボット支援下総胆管拡張症手術」が保険適用となりました。
  • 岡山大学病院 肝・胆・膵外科では、保険適用開始に合わせて2022年7月からこの2つのロボット支援下手術を開始しました。


◆概 要
 国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:槇野博史)の岡山大学病院 肝・胆・膵外科では、高木弘誠助教(臓器移植医療センター)、楳田祐三准教授(学術研究院医歯薬学域 消化器外科学分野)を中心に、2020年9月より全国でも先駆けて手術支援ロボットシステム「ダ・ヴィンチ」を用いた膵臓手術を開始し、これまでに中国四国地方で最多となる約60例のロボット支援下膵切除術を行ってきました。

 2022年4月に「ロボット支援下肝切除術」と「ロボット支援下総胆管拡張症手術」という2つの肝臓・胆道手術が新たに保険適用となったことを受け、同年7月より同術式による手術を開始しました。

 従来のロボット支援下膵切除術に、この度の新規術式を加えた全てのロボット支援下肝胆膵外科手術を行っているのは、中国四国地方では岡山大学病院のみです。現在、普及している腹腔鏡手術と比較しても、操作性に優れるロボット手術ではより精密な手術を行うことが可能となり、安全で精緻な肝胆膵外科手術につながることが期待されています。

 本情報は、岡山大学ホームページにて2022年08月24日に公開しました。
 


<背 景>
 近年、患者さんへの身体的負担を減らすために、腹腔鏡手術やロボット(ダ・ヴィンチ)手術による低侵襲手術が肝胆膵外科領域において、欧米を中心として急速に発展してきました。特にロボット(ダ・ヴィンチ)手術では、直線的な操作に限定される腹腔鏡手術と異なり、人間の手のような多関節能を有するロボットアームを用いるため、操作性が格段に向上しています。また、高性能内視鏡による3次元画像やアームの手振れ防止機能も有しているため、高難度とされる肝胆膵領域の手術では、より安全で確実な手術につながることが期待されています。

 肝胆膵外科領域におけるロボット手術は、2020年4月にロボット支援下膵切除術が保険適用となり、今回2022年4月に「ロボット支援下肝切除術」と「ロボット支援下総胆管拡張症手術」という 2 つの術式が新たに保険適用となりました。しかしながら、どの施設においてもすぐにロボット支援下手術を開始できるわけではなく、ロボット支援下手術を行うためには術式ごとに一定の施設基準、術者基準が設けられています


<実 績>
 岡山大学病院臓器移植医療センターの高木弘誠助教は、2017年から2019年にオランダ・ロッテルダムのErasmus Medical Center 肝胆膵・移植外科へ臨床留学し、約 70 例の肝胆膵領域のロボット支援下手術に従事しました。その海外での経験をもとに、岡山大学病院では、2020年9月に中国四国地方初となるロボット支援下膵頭十二指腸切除術を安全に実施しました。

 その後も、高木弘誠助教と楳田祐三准教授(学術研究院医歯薬学域 消化器外科学分野)を中心に手術症例を重ね、今日までに同地方最多となる約60例のロボット支援下膵切除術を安全に行ってきました。以上のようなこれまでの経験を踏まえ、今回ロボット支援下肝切除術とロボット支援下総胆管拡張症手術という2つのロボット支援下手術を新たに開始することができました。

 肝切除術において、多関節能、拡大視効果、手振れ防止機能を有するロボット手術は、安定した視野で精緻かつ難度の高い手技が可能となり、通常の腹腔鏡手術の限界を克服することが期待されています。また、総胆管拡張症手術では複雑な消化管再建を必要とするため、多関節能を有するロボット手術には最適の術式と考えられています。また、手術時間や出血量、術後合併症の頻度は、欧米の結果と比べても遜色のない結果であり、患者さんにとってより安全で低侵襲な手術を実施できることを確認しています。


<今後の予定>
 岡山大学病院では、2022年8月よりロボット支援下肝切除術は1~3例/月のペースで、ロボット支援下総胆管拡張症手術は2~4例/年のペースで行う予定としています。


◆参 考
・岡山大学病院
 https://www.okayama-u.ac.jp/user/hospital/
・岡山大学病院 消化管外科 肝・胆・膵外科、小児外科
 http://www.ges-okayama-u.com/


◆詳しい内容について
 岡山大学病院でロボット支援下肝切除術・ロボット支援下総胆管拡張症手術を開始
 https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id997.html
 

岡山大学病院が所在する岡山大学鹿田キャンパス(岡山市北区)岡山大学病院が所在する岡山大学鹿田キャンパス(岡山市北区)



◆本件お問い合わせ先
 岡山大学病院 臓器移植医療センター 助教 高木弘誠
 岡山大学学術研究院医歯薬学域(医)消化器外科学分野 准教授 楳田祐三
 岡山大学病院 肝・胆・膵外科 教授 八木孝仁
 岡山大学 学術研究院 医歯薬学域(医)消化器外科学分野 教授 藤原俊義
 TEL:086-235-7257
 FAX:086-221-8775
 http://www.ges-okayama-u.com/

<岡山大学病院との連携等に関する件(製薬・医療機器企業関係者の方)>
 岡山大学病院 新医療研究開発センター
 〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
 下記URLより該当する案件についてお問い合わせください
 http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/ph_company/

<岡山大学病院との連携等に関する件(医療関係者・研究者の方)>
 岡山大学病院 研究推進課 産学官連携推進担当
 〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
 TEL:086-235-7983
 E-mail:ouh-csnw◎adm.okayama-u.ac.jp
 http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/medical/

<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
 岡山大学研究推進機構 産学官連携本部
 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
 TEL:086-251-8463
 E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
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代表者名
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上場
未上場
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設立
1949年05月