ガザ:イスラエルによる物資搬入停止から1カ月──在庫が尽きた医薬品も

イスラエルがパレスチナ・ガザ地区への物資搬入を封鎖してから、4月2日で1カ月が経過した。在庫が尽きた医薬品もあり、ガザの人びとは必要な医療を受けられない状態に陥っている。イスラエル軍によるガザへの空爆が続く中、食料や水、医薬品などの生活基盤を奪うことは、さらなる病気や死を引き起こすことにつながる。
国境なき医師団(MSF)はイスラエル当局に対し、パレスチナ人への集団懲罰を直ちに止め、非人道的なガザの封鎖を解除し、占領国としての責任を果たして大規模な人道援助を推進するよう求める。
物資搬入も送電も停止
3月2日から1カ月余りの間、ガザでは援助物資や商用トラックが入らなかった。これは2023年10月の紛争激化以来、最も長いものだ。イスラエルは3月9日、海水淡水化プラントの稼働に必要な電力供給も止めた。援助と電力を全面的に止めることは、生きるために必要な基盤を人びとから奪うことであり、集団懲罰に等しい。
MSFのガザ緊急対応コーディネーター、ミリアム・ラルーシはこう話す。
「イスラエル当局はガザを封鎖することで、人びとを耐え難い苦しみへと追い込んでいます。意図的に人びとに危害を加えることは、ゆっくりと死に至らせるようなものです。封鎖はすぐに解除されなければなりません」
鎮痛剤なしに傷の治療を行うことも
封鎖により、MSFは鎮痛剤などの医薬品を、量を限定した配給制にせざるを得なくなった。また、本来の治療より有効性の低い治療法に切り替えたり、患者の受け入れができなくなったりする事態に追い込まれている。麻酔薬や小児用抗生物質など外科用の医薬品や、てんかんや高血圧、糖尿病など慢性疾患の治療薬も不足している。薬の不足で、鎮痛剤なしに傷の手当てを行わざるを得なくなった診療所もある。
また、イスラエル軍による攻撃で負傷した患者が多数運ばれてきているが、輸血用血液の在庫は不足し、MSFは南部ハンユニスのナセル病院への継続提供ができなくなった。
せっけんや清潔な水も不足し、ガザ各地の診療所では皮膚疾患を患う患者が増えている。2月には、MSFは中部デールバラハのアル・ヘッケル診療所で565件、ハンユニスのアッタール診療所で1198件の皮膚疾患の治療にあたった。3月の2週間で、アル・ヘッケルの患者数はすでに437人に達し、これは2月の総患者数の8割近くに当たる。一方、アッタールでは711人の患者を治療。2月の総患者数の6割近くに該当する。
しかし皮膚疾患の治療薬は足りず、痛みを和らげるためのローションを少量出すことしかできない。疥癬(かいせん)のような皮膚疾患は、感染拡大や再感染を防ぐために家族全員が治療を受ける必要があるが、薬や清潔な水がなければ不可能だ。

慢性疾患の医薬品不足も深刻
高血圧や糖尿病などの慢性疾患を抱える人びとにとっては、治療が途切れることで、後遺症や、場合によっては死に至る可能性が生じる。封鎖以降、MSFは患者に7〜10日分の薬しか出せていない。
アッタール診療所の患者、ソブヒ・アルベシュティさんはこう訴える。
「血圧の薬がもうありません。息子が2日かけて探してくれましたが、見つかりませんでした。どうすればよいのでしょう。血液をサラサラにする薬を飲まないと、鼻血が出始め、咳と一緒に血を吐くようになってしまうのです」
イスラム教における聖なる月であるラマダン(断食月)とイード(断食明けの祝い)の間、MSFの診療所を訪れる複数の患者から体重減少や適切な食料の不足が見られた。
ハンユニスのマワシにあるMSF診療所で、妊娠中の女性はこう語った。
「今、私の血中濃度はいろいろと低く、体重も減っています。でも、改善するために必要な食料がありません。物価の高騰は大きな問題です。何もかも高く、生活に必要な物すら買うことができないのです」
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