大画面サイズのタッチパネルを実現できる銅パターンを用いた「微細配線電極フィルム」を開発

パナソニックグループ

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パナソニック株式会社 オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、デジタルサイネージ、電子黒板などの大型ディスプレイに最適な高感度で、タッチ操作性に優れた大画面サイズのタッチパネルを実現できる銅パターンを用いた「微細配線電極フィルム[1]」を開発しました。

<商品情報>
▼本材料は2013年6月5日~6月7日に東京ビッグサイトで開催される「JPCA Show 2013」に出展いたします
https://www3.panasonic.biz/em/jp/event/index.html

デジタルサイネージに代表される大型ディスプレイ用タッチパネルには、さらなる大画面化とタッチ操作性の向上、さらには屋外、屋内問わずあらゆるシーンで高精細画像の再現性が求められます。その大画面サイズのタッチパネルの性能を左右する主要部材のひとつとして電極フィルムがあり、当社は大画面サイズの静電容量方式タッチパネルでも高感度で、優れたタッチ操作性が実現できる銅パターンを用いた「微細配線電極フィルム」を開発しました。

■微細配線電極フィルムの特長
1.静電容量方式[2]タッチパネルの大型化が実現できます
・画面サイズ:80インチ対応 (銅パターンタッチパネルでは業界初※1)
現状のITOタッチパネルでの画面サイズ:最大27インチ程度
・表面抵抗値:0.5オーム(ITOや銀を用いた電極フィルムに比べ約1/100~1/300の低抵抗)
2.高感度で操作性に優れたタッチパネルを実現できます
・電圧変化量[3]:ITOフィルムと同等レベル品※2に比べ4倍 (当社独自評価にて実測※2)
3.大型ディスプレイの設計自由度が向上します       
         
※1 2013年6月3日現在 銅パターンを用いたタッチパネルとして(当社調べ)
※2 23.6インチサイズ ディスプレイ向けとして当社で試作した銅パターン電極フィルム品の比較。ITOフィルムと同等感度に調整。

■販売計画
・製品名:微細配線電極フィルム
・サンプル開始:2013年5月
・量産開始:2013年下期
・価格:数量応談

■用途
デジタルサイネージ、スマートTV、電子黒板、アミューズメント機器、ノートPC、タブレットなど

■特長の説明
1.静電容量方式タッチパネルの大型化が実現できます
スマートフォンやタブレットには、主に静電容量方式のタッチパネルが採用されており、その主要部材である「ITO(酸化インジウム・スズ)電極フィルム[4]」、また今後採用拡大が期待されている「銀メッシュ電極フィルム[5]」は、抵抗値が大きく大型の電極パターンでは信号の劣化が起こるため27インチ以上の大画面には不向きであるという課題がありました。当社では独自の微細配線設計技術の採用により、銅パターンを用いた「微細配線電極フィルム」を開発しました。具体的にはPETフィルム上にパターン幅5ミクロン(当社従来品:8ミクロン)の銅パターンを微細形成するとともに電極のメッシュサイズの最適化を図り、銅が持つ低抵抗性能を最大限に生かすことに成功しました。当社の銅パターン電極フィルムの表面抵抗値は0.5オームと低く(ITOや銀を用いた電極フィルムに比べ約1/100~1/300)、優れた電気特性が得られ、画面サイズ80インチ(ITOタッチパネルでの画面サイズ:最大27インチ程度)にも対応できます。これによりデジタルサイネージ、電子黒板などの大型ディスプレイに使用される静電容量方式のタッチパネルの大型化が実現できます。

2.高感度で操作性に優れたタッチパネルを実現できます
現状、デジタルサイネージ、電子黒板などの大画面サイズのタッチパネルで採用実績のある光学方式[6]では、太陽光の入射や虫、埃などの異物により誤動作が発生する可能性があるため、屋外での使用には不向きであるという課題がありました。今回開発の本電極フィルムは、1の特長でも述べた通り、低抵抗の銅パターンを採用するとともに、当社独自の微細配線設計技術の採用により、容量検知量をITOフィルムと同等レベル品に比べ4倍に向上(当社独自評価にて実測)、他の金属パターン電極フィルムと比較しても高い感度を実現しています。これによりタッチパネル操作時の入力信号を劣化させることなく出力することができ、また、従来、感度を上げるために必要だった検知回路の調整作業を軽減でき、高性能のタッチパネルを実現できます。

3.大型ディスプレイの設計自由度が向上します
現状、大型ディスプレイで採用実績のある光学方式では、ディスプレイの周りにLEDを設置するためのベゼル[7]が必要で、また、そのベゼルとディスプレイ表面のガラスとの間に段差が生じるなど、デザイン面での課題があります。今回開発の本電極フィルムを採用することで静電容量方式タッチパネルの大型化を実現できるため、光学方式のように幅広いベゼルが必要なく、設計の自由度が高く、デザイン性の向上にも繋がります。一方、一部の大型ディスプレイに採用されている銅ワイヤー布線方式では、タッチパネルの表面に銅のワイヤー(配線)が透けて見えるため、特に、高精細画像の再生には不向きという課題がありましたが、本電極フィルムを使用することで、その課題を軽減できます。さらにPETフィルムを用いているため柔軟性がありディスプレイの設計自由度が高まります。

▼本件に関するお問合せ先
●報道関係お問合せ先
オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社 広報グループ
TEL:06-6904-4732 
●商品に関するお問合せ先
http://panasonic.co.jp/ais/contact/
●パナソニック株式会社 オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社 ホームページ
http://panasonic.co.jp/ais/

■用語の説明
[1]微細配線電極フィルム
タッチパネルの操作性能を左右する主要部材のひとつで、PETフィルム上に銅を用いた導電膜(電気を通す膜) を形成したフィルム。指で触れた部分の静電容量の変化を導電膜が感知するしくみ。通常、X軸とY軸の2層の電極フィルムをガラス基板上に形成し、タッチパネルを構成する。
[2]静電容量方式
タッチパネルに触れた時の指の動きを感じとる方式のひとつ。指先と導電膜との間の静電容量の変化を捉えて位置検出する方式で、スマートフォンやタブレットなどに搭載されている。
[3]電圧変化量
タッチパネルの感度を示す値のひとつ。タッチパネルに触れた時の指の動きにより、ガラス基板と電極フィルム間に生じる電圧の変化量のことで、この値が高いほうが感度が高く、操作性に優れるタッチパネルを実現できる。
[4]ITO(酸化インジウム・スズ)電極フィルム
タッチパネルを構成する主要部材のひとつ。PETフィルム上にITO(酸化インジウム・スズ)を用いた透明導電膜(電気を通す膜) を形成したフィルム。主に、スマートフォンやタブレットなどのタッチパネルに採用されている。
[5]銀メッシュ電極フィルム
タッチパネルを構成する主要部材のひとつ。PETフィルム上に銀を用いた透明導電膜(電気を通す膜) を形成したフィルム。今後、スマートフォンやタブレットなどのタッチパネルへの採用が期待されている。
[6]光学方式
ディスプレイ(パネル) 上辺の左右端にLEDチップを複数個設置した構造。指などで画面に触れるとLED光が遮光され、LED光の変化を捉えて位置検出する方式。主に大型パネルを中心に採用されている。
[7]ベゼル
ディスプレイなどの表示画面の周囲に設ける枠・縁のことをベゼル(Bezel)という。

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会社概要

パナソニックグループ

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URL
https://holdings.panasonic/jp/
業種
製造業
本社所在地
大阪府門真市大字門真1006番地
電話番号
06-6908-1121
代表者名
楠見 雄規
上場
東証プライム
資本金
2590億円
設立
1935年12月