中小規模自治体に向けた“業務標準化モデル”を構築し、広域連携によるSaaS型の業務改革支援サービスの展開を目指す

自治体のデジタル化を通じて業務削減を推進

大日本印刷(DNP)

株式会社ガバメイツと、アルティウスリンク株式会社、大日本印刷株式会社(DNP)、株式会社電通国際 情報サービス、RPAテクノロジーズ株式会社は、中小規模の自治体業務を統一化することで業務削減の推進を図るとともに、その実現に向けた低価格・高品質なSaaS(Software as a Service)型の業務改革支援サービスの開発・提供について、2023年11月7日に基本合意書を締結しました。

ガバメイツと4社は、「業務標準化モデル*1」の開発および、複数の自治体が共同利用可能なSaaS型のシステムとBPO*2を組み合わせた業務改革支援サービスの展開を目指します。これにより、デジタル化に向けて課題の多かった中小規模の自治体における業務の効率化を可能にし、自治体が限られた人材でも行政サービス向上に向けて取り組める環境を作ります。

*1 業務標準化モデル:自治体の業務別に、標準化した最適な業務フロー等を設計したもの。

*2 BPO(Business Process Outsourcing): 顧客の業務プロセスをトータルに請け負うこと(業務委託)


【背景】

近年、公務員不足が加速するなか、特に地方都市や規模の小さい自治体ほど、その問題が深刻となっています。自治体の持続可能な運営および誰一人取り残されない社会の実現に向けて、自治体におけるデジタル技術やAI等を活用した業務効率化が求められていますが、小規模の自治体においては、業務のデジタル化や効率化を推進するための投資力や導入ノウハウに限りがあり、これらを単独で進めることは困難です。こうした課題の解決に向けて、ガバメイツは300以上(2023年8月時点)の自治体の業務改革支援を通じて、以下の推進すべき事項を抽出しました。

  • 複数の自治体が協力して人材・ノウハウ・システム等を共有することで、人材不足の課題を解決し、より良い行政サービスにつなげるとともに、行政DXの推進を図る。

  • 業務全体の6~7割程度を占めるノンコア業務(必ずしも公務員でなくともできる業務)について、複数の自治体が業務を標準化し、民間企業等にアウトソースする。これにより自治体の業務量を大幅に削減し、職員をコア業務(公務員でなければできない業務)にシフトする。

これらを踏まえてガバメイツと4社は、各社が有する業務効率化やBPOに関するサービスやノウハウを掛け合わせ、愛媛県内の20市町でのシステムやBPOの共同利用の実現に向けて取り組んできました。今回、この実績をもとに、5社で取り組みをさらに加速していきます。


【愛媛県におけるモデル事例について】

ガバメイツと4社は、令和4(2022)年度より愛媛県の全20市町で、国がオンライン化を推進する27種の手続き業務を可視化して標準化し、統一された方法で手続きできるデジタル基盤を構築しました。また、複数自治体が共同でBPR*3を実施し、自治体業務の効率化を推進しました(通称:愛媛モデル)。

*3 BPR(Business Process Re-engineering):既存の業務プロセスの課題等を明確にして、その解決を図ること


【今回開発を目指すサービスについて】

1.〔業務標準化モデル〕 ガバメイツが保有する「全庁業務量調査データ」から、業務分類(55種)×作業分類(38種)で類型化します。その中で標準化・共同化に適した業務(職員の業務負荷が高く、デジタル活用効果が高い業務)を抽出し、業務別に、最適な業務フローのモデルを作ります。さらに、最適な業務フローを実現するための各種ソリューション(システムやBPO)の最適な組み合わせをテンプレートとしてまとめます。これらを活用することで自治体は、業務時間の削減かつ費用対効果の高いシステムやBPOの導入が可能になります。

2.〔共同利用型サービス〕 1で構築したテンプレートを活用し、自治体間で発生している業務差異を減らすことで、従来は自治体単体で導入・利用していたシステムやBPOの共同利用を可能にします。まずは、愛媛モデルで構築したデジタル基盤を基にして、対象業務を拡大していきます。

また、各種ソリューション(システムやBPO)の選定においては、地域のSIer(Systems Integrator)が提供するソリューションや、地域の人材の活用により、域内での雇用の創出にもつなげていきます。

さらに、特に小規模な自治体はシステムの導入・運用における負荷が大きいことを考慮し、職員がシステムを利用して業務をするのではなく、システムを利用する業務自体をアウトソースできるクラウドサービスの開発も検討していきます。

【今後に向けて】

今後ガバメイツと4社は、本サービスの開発および全国の自治体に向けた展開を目指します。また、ガバメイツが提供する自治体のBPR支援を行う専門チーム(シェアードCIO)を通じて、複数自治体が共通で負荷が高い業務を優先的に標準化し、複数自治体でのシステム・BPOの共同利用を推進します。シェアードCIOの取り組みにおいては、全国パートナーとの協業も視野に展開する予定です。


■参考:各企業について

○株式会社ガバメイツ 本社:愛媛県松山市、代表取締役 別府 幹雄

全国自治体業務の DX 化を推進し、地域間格差のない世界を目指します。社名は Government(行政)と Mates(仲間達)を合わせた造語で、自治体に寄り添い、共に課題を解決していく真のパートナーとしての存在である意味を込めて名付けられました。愛媛県に本社拠点を置くことで、「地方発」のプラットフォーマーとして全国自治体業務の DX 化を推進していき、国が提唱する「デジタル実装を通じた地方活性化」の実現を推進します。


○アルティウスリンク株式会社 本社:東京都新宿区、代表取締役社長 網野 孝

アルティウスリンク株式会社は、KDDIエボルバとりらいあコミュニケーションズの経営統合会社です。業界最大級となる国内・海外100か所以上の拠点と、約58,000人の多様な人財が誇るノウハウ・サービス力・技術により、コンタクト    センターやバックオフィスを含むお客様企業の真の課題解決に寄り添うBPO事業を展開しています。官公庁・自治体様関連業務は重点取組み領域の一つで、約20年の実績を有しています。

人による高付加価値なサービスと最新のデジタル技術を掛け合わせた「デジタルBPO」で常に新しい時代のCXを デザインすることで、お客様により良いコミュニケーション体験を提供し、お客様企業の事業成長の実現を目指しています。


○大日本印刷株式会社 本社:東京都新宿区、代表取締役社長 北島 義斉

DNPグループは、民間事業者や自治体・団体等の業務を受託するBPO関連事業に加え、BPO導入時に不可欠なBPRに関する知見・実績を豊富に有しています。BPRによって既存業務を整理し、デジタルツール等の導入やAI・BPO関連サービスと掛け合わせて、自治体の課題解決や構造改革の推進を支援します。


○株式会社電通国際情報サービス 本社:東京都港区、代表取締役社長 名和 亮一

電通国際情報サービスは、2021年8月設置した「スマートソサエティセンター」を中心に、スマートシティや行政DX、脱炭素などの領域で社会課題対応型ビジネスを推進しています。2022年6月には行政手続き申請管理システム「minnect申請管理」の提供を開始するなど、これまでに50を超える自治体にソリューションの導入やBPR支援、DX人材の育成を実施してきました。今後も「HUMANOLOGY for the future~人とテクノロジーで、その先をつくる。~」をビジョンに、確かな技術力と創造力で自治体のDX推進を支援してまいります。


○RPAテクノロジーズ株式会社 本社:東京都港区、代表取締役 執行役員社長 大角 暢之

RPAテクノロジーズは、LGWAN環境下でも利用可能なRPAツール「BizRobo!」およびAI-OCRサービス「BizRobo! OCR(ガバメント)」を提供し、セキュリティ面の安全を担保しつつ業務標準化・業務効率化を支援しております。自治体向けのAI-OCRサービスとマイナポータルAPIを連携させることで、データクレンジングセンター(電子化サポート担当)における一気通貫したデータ処理基盤の設計と構築を行い、自治体業務のデジタル化およびDXを支援します。


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会社概要

大日本印刷株式会社

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URL
https://www.dnp.co.jp/
業種
製造業
本社所在地
東京都新宿区市谷加賀町1‐1‐1
電話番号
-
代表者名
北島義斉
上場
東証1部
資本金
1144億6476万円
設立
1894年01月