【プレスリリース】東部・中部ヨーロッパ/アジア中央部 施設で育つ子ども140万人 施設でなく、家庭での養育を

3歳未満の子どものための施設で暮らしている子ども。ユニセフが里親プログラムを始める前、100人以上の子どもたちがこの施設で生活していた。(ブルガリア)© UNICEF/NYHQ2011-1060/Holt3歳未満の子どものための施設で暮らしている子ども。ユニセフが里親プログラムを始める前、100人以上の子どもたちがこの施設で生活していた。(ブルガリア)© UNICEF/NYHQ2011-1060/Holt



※本信は ユニセフ本部の情報を、日本ユニセフ協会 広報室が翻訳、独自に編集
したものです
※原文は http://www.unicef.org/media/media_75720.html でご覧いただけます


【2014年9月10日 ニューヨーク発】

中部・東部ヨーロッパとアジア中央部の26カ国では、少なくとも140万人の子どもたちが、
親元を離れ、施設で暮らしています。施設での養育は、子どもたちの成長に影響を及ぼす
こともあります。別々に生活する恐れのある家庭を支援することは、施設での養育の
必要性を減らし、すべての子どもたちが持っている親といっしょに暮らす権利を促進する
ことにもなります。

ユニセフ事務局長のアンソニー・レークは、9月のユニセフ執行理事会で、ブルガリアと
共催で行った会議で「子どもにとって、家庭に基づくケアが最善であり、施設での養育は
最後の選択肢であるべきです。安全な場所を与える以上に、愛情があふれ、支えになって
くれる環境こそが、子どもたちにとって大切なのです。こうした環境は、子どもたち自身
が持つ力を自ら開花させる助けとなり、子どもたちはやがて社会の一員として貢献して
くれるようになります」と述べました。

施設での養育は、子どもたちの身体的、知的、情緒的発育を損ねることもあります。
ある調査では、家族やコミュニティに基づく養育は、長期的に見れば、より費用対効果が
高いとの結果がでています。2010年にアルメニアでユニセフが行った調査によると、施設
での養育にかかる費用は平均年3,800米ドルで、政府が負担しています。里親による養育
では、年2,800米ドル、家庭での養育であれば、さらに費用は削減されます。




<CEE(中部・東部ヨーロッパ)/CIS(独立国家共同体)での状況>

3歳未満の子どものための施設にいる子どもたち。(ブルガリア)© UNICEF/NYHQ2011-1049/Holt3歳未満の子どものための施設にいる子どもたち。(ブルガリア)© UNICEF/NYHQ2011-1049/Holt


・施設で育つ子どもの数は減少しているものの、依然として140万人の子どもが
施設で育つ
140万人のうち、約半数は親元を離れ、大規模な施設で育っている

・施設で育つ子ども10人のうち9人は、両親の一方または両方が生きている

・施設で育つ子どもの最大6割を、障がいのある子どもが占めている国もある
背景には、コミュニティに専門的な保健ケアや障がいのある子どもを受け入れる教育が
欠如していることが挙げられる

・少数民族の子どもたちや、ひとり親の子どもたち、弱い立場にある集団の子どもたちは、
施設にいる割合が高い

・3歳までの乳幼児は、養育放棄されたり、身体的、精神的、情緒的発育の重要な段階で
施設に預けられる割合が、3~6倍となっている


中部・東部ヨーロッパならびにアジア中央部の多くの国々では、子どもの養育において
大きな進展がみられます。この数年、不要な家族別離を避けるべく、子どもを施設で
養育することよりも困難な状況にある世帯への支援へと政策が移行しています。

生まれながらに障がいがあり、母親が15歳だったため、施設で生活をしていた7歳の男の子。現在は里親の元で生活している。(セルビア)© UNICEF/NYHQ2011-1140/Holt生まれながらに障がいがあり、母親が15歳だったため、施設で生活をしていた7歳の男の子。現在は里親の元で生活している。(セルビア)© UNICEF/NYHQ2011-1140/Holt


ブルガリアの国連常任代表でユニセフ執行理事会の副理事を務めるステファン・
タフロブ氏は「ブルガリアでは、子どもの養育における改革が進められており、多くの
家族がいっしょに暮らせるようになりました。この進展を確固たるものにするには、
両親への支援を強化し、個々の家庭のニーズを反映する全体的かつ柔軟性のある
アプローチをとっていく必要があります」と述べました。

ブルガリアでは、現在、施設で育つ3歳未満の子どもの数と、乳児院にいる子どもの
割合が減少しています。家庭での養育が困難な3歳未満の乳幼児で、施設ではなく、
コミュニティ内での家庭的なケアや里親のもとで育つ子どもが増えています。

ユニセフは各国政府とともに、法律制定、政策立案、質の高い保健、教育、社会サービス
を含め、最も厳しい環境にある子どもと家族に特に焦点を絞った子どもの養育の改革を
支援しています。

 


■参考情報:CEE/CISで施設養育が多い背景について

中部・東部ヨーロッパならびにアジア中央部の多くの国々では、施設での子どもの養育
に関する政策と慣習が多く存在しています。こうした背景には、貧困や厳しい環境に
ある家庭では、国のほうが子どもをより守り、育ててくれるといった考えが定着して
いることが挙げられます。また、障がいや貧困、養育能力が足りないなどの理由で、
子どもが施設に預けられることもよくあります。

施設での養育は、幼い子どもたちの精神面、行動面、情緒面、社会面の発育に影響を
与えます。また、嫌がらせ(ハラスメント)や屈辱、孤立、監禁、レイプや拷問と
いった暴力にあう恐れも高まります。

適切な支援があれば、多くの家庭では子どもたちを養育し、守ることができ、家族が
離れ離れとなることを避けられます。このため、家族別離の恐れがある家庭が、
子どもを施設に預けるのではなく、家庭で養育できるように支援すること、または
施設養育以外の選択肢を提供することが喫緊の課題となっています。




■ 本件に関するお問い合わせ
日本ユニセフ協会 広報室
TEL:03-5789-2016  FAX : 03-5789-2036  Eメール:jcuinfo@unicef.or.jp
または
ユニセフCEE/CIS地域事務所(在ジュネーブ)
広報官 Tel: +41 792 044482 ldjuhari@unicef.org

■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進
するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、
その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子ども
たちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのため
に活動しています。(www.unicef.org)

※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの
任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会の
ひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動
の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)

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会社概要

公益財団法人日本ユニセフ協会

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業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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