【慶應義塾】編み物の端が丸まるのはなぜか?
-産業応用に向けた新たなデザイン技術の鍵-
慶應義塾大学大学院理工学研究科の田尻琴音(修士課程1年)、同大学理工学部機械工学科の佐野友彦 専任講師、大阪大学大学院基礎工学研究科の村上立樹(修士課程1年)、小林舜典 助教と垂水竜一 教授らの研究グループは、編み物が自然にカールする現象のメカニズムを実験とシミュレーションを組み合わせて明らかにしました。
最も基本的な編み方のひとつである平編み構造は、曲げられた糸の周期的な格子で構成され、端部では3次元的なカール形状が自然に生じます。編み物の力学特性に関する多くの研究は2次元的なモデル化に基づいており、3次元的な関係性は十分に明らかにされておりませんでした。編み物のカール挙動は、糸に作用する力やモーメント、単一ループ形状、力学的特性、そして摩擦などが複雑に関連しているため、3次元解析が必要となります。そこで、本研究では、編み機を用いて長方形平編み構造に生じる3次元的なカール形状を系統的に作成し、実験とシミュレーションを通じてループ形状と力学特性がカール形状に相関することを示しました。カール形状は編み数比に応じて変化し、ループ形状が編み物の機械的な異方性に影響を与えることが明らかになりました。本研究の結果は、単一ループ形状の変化が、編み物全体の3次元的な自然形状を制御する可能性を有することを示唆しており、編み物を用いた複合材料、ウェアラブルデバイス、アクチュエータなどの産業応用において、より複雑な3次元形状の予測やデザイン・設計技術の発展に寄与することが期待されます。
本研究成果は、2025年2月25日に英国科学雑誌『Extreme Mechanics Letters』にオンライン掲載されました。
▼全文は本学のプレスリリースをご参照ください。
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2025/3/7/250307-1.pdf
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