<第2回 多発性骨髄腫に関する調査>90%以上の医師と多発性骨髄腫患者さん「やりたいことに時間を充て、充実した気持ちで過ごすことが治療にも良い影響」と回答
充実した日々の実現のため、「通院頻度」や「費用負担」を減らすことが鍵に
Johnson & Johnson(法人名:ヤンセンファーマ株式会社、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:關口修平)は4日、多発性骨髄腫において患者さんや医師が掲げる治療目標や、患者さんが大事にしていることに時間を充て、充実した気持ちで過ごすことの治療への影響などを明らかにすることを目的に、2025年3月に実施した多発性骨髄腫の患者さんと多発性骨髄腫を診療する医師を対象とする調査の結果を発表しました。これは、昨年11月に発表した「多発性骨髄腫における治療継続に関する調査」に続く、2つ目の調査です。
多発性骨髄腫は、現時点では治癒困難な血液がんです。しかし、初発治療だけでなく、再発又は難治性に対しても新しい治療薬や治療法が複数登場するなど、治療も進歩しており、治療を行うことで長期の生存が可能となる疾患になってきています*¹。このため、治療の目的はQOLを維持しながら、長期生存を目指すこととされています*¹。
このように、患者さんが疾患とともに歩む期間が長くなる中、医学的な治療目標だけでなく、患者さんが大事にしていることに時間を充て、充実した気持ちで過ごすことを考慮した治療目標を持つことも重要であると考え、その認識や実態を明らかにするため、今回の調査を実施しました。
調査の結果、患者さんは、治療目標として「多発性骨髄腫になる前となるべく変わらない生活を送る」を挙げる人が最も多く51%(1~3位積み上げ)を占め、次に「自分の好きなこと、やりたいことを楽しむ、続ける」で48%(同)、そして「長く生きる」が40%(同)でした【図1】。
一方、医師が掲げる治療目標は、「全生存期間の延長(65%:1~3位積み上げ)」、「無増悪生存期間の延長(60%:同)」、「副作用や有害事象をなるべく抑えコントロールすること(35%:同)」を挙げる人が多く、「多発性骨髄腫になる前となるべく変わらない生活を送る」は31%(同)、「患者さんが自分の好きなこと、やりたいことを楽しむ、続けられること」を挙げたのは24%(同)と【図2】、医師と患者さんでは、掲げる治療目標に大きなギャップが見られました。また医師に、長期的な治療目標を設定する際の「医学的な治療目標」と「患者さんのwell-beingやQOLの改善」のバランスについて尋ねたところ、65%対34%で、「医学的な治療目標」を重視する傾向にありました【図3】。
他方、医師と患者さんでは治療目標にギャップがあるものの、お互いに治療目標を共有することの重要性を認識していました。医師は、計93%(重要である56%、やや重要である37%)【図4】が、患者さんは計94%(重要である65%、やや重要である29%)【図5】が、長期に治療を継続する上で、治療目標の共有は重要であると回答しました。
そして治療目標について話し合うため、主治医に何を伝えることが重要と考えているのか、何を患者さんやご家族から聞きたいかを尋ねたところ、医師も患者さんも順位に違いはあるものの、「患者さんが普段どのような生活をしているのか」、「治療をしながらでも患者さんが続けたいと思っていること」、「治療法を決める際、患者さんが何を最も重視しているのか」を上位3つに挙げました【図6、7】。そして第1位だけで見た場合、「治療をしながらでも患者さんが続けたいと思っていること」を挙げた患者さんは24%おり、医師の10%の倍以上でした。
患者さんが、大事にしていることややりたいことに時間を充て、充実した気持ちで過ごすことの、多発性骨髄腫の治療に対する影響については、計92%の医師が良い影響を与える(かなり良い影響を与える54%、やや良い影響を与える38%)と回答し【図8】、また患者さんも計96%(かなり良い影響を与える48%、やや良い影響を与える48%)が良い影響を与えると回答しました【図9】。
患者さん自身で大事にされていることややりたいことに時間を充て、充実した気持ちで過ごすことを実現するためには、医師も患者さんも順位は上下するものの、「通院頻度を少なくする」、「治療にかかる費用の負担を減らす」がともに上位を占め、これらが鍵となることが示唆されました【図10、11】
【調査概要】
調査主体 : ヤンセンファーマ株式会社
調査期間 : 2025年3月3日~11日
調査対象者 :
【患者】
多発性骨髄腫と診断され、薬物治療を受けている(もしくは受けたことのある)患者さん 63人
【医師】
血液内科、血液腫瘍内科に所属し多発性骨髄腫を診療する医師 105人
方法 : インターネット調査(調査実施会社:株式会社インテージヘルスケア)
【主な調査結果】
Q1:(患者さん調査)多発性骨髄腫の治療をうける上での目標として当てはまるものを教えてください。また、そのうち重要度の高いものから順に1位から最大3位まで教えてください。(MA)
「多発性骨髄腫になる前となるべく変わらない生活を送る」を挙げる人が最も多く51%(1~3位積み上げ)を占め、次に「自分の好きなこと、やりたいことを楽しむ、続ける」で48%(同)、そして「長く生きる」が40%(同)でした。
【図1】 n=63

Q2.(医師調査)多発性骨髄腫を治療する中で、先生が治療目標として設定することが多いものをお知らせください。また、そのうち重要度が高いものから順に、1位から最大3位までお知らせください。(MA)
「全生存期間の延長(65%:1~3位積み上げ)」と「無増悪生存期間の延長(60%:同)」、「副作用や有害事象をなるべく抑えコントロールすること(35%:同)」でした。
【図2】 n=105

Q3.(医師調査)多発性骨髄腫の治療が進歩するのに伴い、先生が患者さんの長期的な治療目標を設定する際に「医学的な治療目標」と「患者さんのwell-beingやQOLの改善」のどちらを重視して設定しているかお知らせください。 (SA)
65%対34%で、「医学的な治療目標」を重視する傾向にありました。
【図3】 n=105

Q4.患者さんや患者さんのご家族(もしくは主治医)と治療目標を共有することは、長期に治療を継続する上で、どの程度重要だと思いますか。(SA)
医師の計93%(重要である56%、やや重要である37%)、患者さんの計94%(重要である65%、やや重要である29%)が、治療目標の共有は、長期治療継続において重要と回答しました。


Q5.(医師調査)患者さんが考える治療目標について話し合う際、患者さんや患者さんのご家族からどのような話を聞けると、より治療目標について話しやすくなると思いますか。当てはまるものをお知らせください。また、そのうち重要度が高いものから順に、1位から最大3位までお知らせください。(MA)
「患者さんが普段どのような生活をしているのか」を挙げた人が最も多く71%(1~3位積み上げ)を占め、次に「治療をしながらでも患者さんが続けたいと思っていること」で66%(同)、「治療法を決める際、患者さんが何を最も重視しているのか」(64%:同)が3番目に多い回答でした。
【図6】 n=105

Q6.(患者さん調査)治療をする上での目標について主治医と話しあう際、何を伝えるのが重要だと思われますか?また、そのうち重要度の高いものから順に1位から最大3位まで教えてください。(MA)
患者さんは「治療を決める際、何を最も重視しているのか」を挙げる人が最も多く67%(1~3位積み上げ)、次に「治療をしながらでも自分が続けたいと思っていること」で56%(同)、「普段どのような生活をしているのか46%(同)」でした。
【図7】 n=63

Q7.(医師調査)患者さんが治療を行う以外の時間を有意義に過ごすことは、多発性骨髄腫の治療に対してどの程度良い影響を与えると思いますか。なお、治療を行う以外の時間を有意義に過ごすとは、「患者さん自身で大事にされていることややりたいことに時間を充て、充実した気持ちで過ごすこと」とします。(SA)
患者さんが、大事にしていることややりたいことに時間を充て、充実した気持ちで過ごすことは、多発性骨髄腫の治療に対して、良い影響を与える(かなり良い影響を与える54%、やや良い影響を与える38%)と計92%の医師が回答しました。
【図8】 n=105

Q8.(患者さん調査)患者さんご自身で大事にされていることややりたいことに時間を充て、充実した気持ちで過ごすことは、多発性骨髄腫の治療に対してどの程度良い影響を与えると思いますか。(SA)患者さんの計96%(かなり良い影響を与える48%、やや良い影響を与える48%)が、治療に良い影響を与えると回答しました。
【図9】 n=63

Q9.(医師調査)患者さんが多発性骨髄腫の治療を行う以外の時間をより有意義に過ごすため、以下のどのようなことが重要だと思いますか。また、そのうち重要度の高いものから順に1位から最大3位まで教えてください。なお、「治療を行う以外の時間を有意義に過ごす」とは、「患者さん自身で大事にされていることややりたいことに時間を充て、充実した気持ちで過ごすこと」とします。 (MA)
医師は、「通院頻度を少なくする」が圧倒的に多く70%(1~3位積み上げ)を占め、次に「治療にかかる費用の負担を減らす」が2位で47%(同)でした。
【図10】 n=105

Q10.(患者さん調査)患者さんご自身で大事にされていることややりたいことに時間を充て、充実した気持ちで過ごすためには、以下のどのようなことが重要か教えてください。また、そのうち重要度の高いものから順に1位から最大3位まで教えてください。(MA)
患者さんは「治療にかかる費用の負担を減らす」が最も多く62%(1~3位積み上げ)を占め、次に「通院頻度を少なくする」で37%(同)でした。
【図11】 n=63

多発性骨髄腫について
多発性骨髄腫は、白血球の一種である形質細胞が骨髄内でがん化し、骨髄腫細胞となり異常に増殖することで生じる、治癒困難な血液がんです*² ³。日本国内における2020年の多発性骨髄腫の新規診断者数は約7,300人*⁴で、2023年の死亡者数は約4,300人*⁴でした。多発性骨髄腫は初期には無症状の場合もありますが、骨折や骨痛、赤血球数の減少、疲労、カルシウム値の上昇や腎障害などの症状が現れる患者さんもいます*⁵。
Johnson & Johnson について
Johnson & Johnson (ジョンソン・エンド・ジョンソン、J&J)は、健康こそすべてだと考えています。ヘルスケアイノベーションにおける私たちの強みが、複雑な病を予防、治療、治癒し、治療をよりスマート化した、低侵襲なものに進化させ、一人ひとりの患者さんに合ったソリューションを提供することができる世界を築く力になります。Innovative MedicineとMedTechにおける専門性を生かし、将来の飛躍的な進化に向けてヘルスケアソリューションの幅広い領域でイノベーションを推し進め、人々の健康に大きなインパクトを与えていきます。
日本におけるJohnson & Johnson Innovative Medicine について
Johnson & Johnson Innovative Medicine は、米J&Jグループにおける医療用医薬品事業の名称です。日本では、1978年の設立以来、これまでヤンセンファーマ株式会社として、患者さんの治療に貢献する多くの医薬品をお届けしてきました。私たちは、アンメットニーズに基づく開発戦略のもと、注力疾患領域―がん、免疫疾患、精神・神経疾患、心・肺疾患、および眼疾患領域における学術および情報提供活動を強化しながら、私たちの薬剤を必要とする全ての患者さんが適切なタイミングでベストな治療を選択するための活動を続けています。新しいJohnson & Johnson Innovative Medicineブランドとともに、私たちは、今後も医療の未来を切り拓き、日本の患者さんに革新的な医薬品をお届けしていきます。
Johnson & Johnson Innovative Medicineに関する詳しい情報は https://innovativemedicine.jnj.com/japan/ また、 https://www.facebook.com/JanssenJapan/ をフォローしてください。
参考資料
*1:一般社団法人 日本血液学会 造血器腫瘍診療ガイドライン2023より
*2:Abdi J et al. Drug resistance in multiple myeloma: latest findings and new concepts on molecular mechanisms Oncotarget. 2013;4(12):2186–2207.
*3:American Society of Clinical Oncology. Multiple myeloma: introduction. Available at: https://www.cancer.net/cancer-types/multiple-myeloma/introduction. Last accessed: April 2025.
*4:国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」 https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/26_mm.html#anchor1. Last accessed: April 2025.
*5:American Cancer Society. Multiple myeloma: early detection, diagnosis and staging. Available at: https://www.cancer.org/content/dam/CRC/PDF/Public/8740.00.pdf. Last accessed: April 2025
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