ノバルティス、売上高と利益率を大きく伸ばすとともに研究開発面での重要なマイルストーンを達成。通期業績予想を上方修正

この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2023年4月25日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳(要約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については、英語が優先されます。英語版は、https://www.novartis.comをご参照下さい。

2023年第1四半期の売上高は8%増(実質ベース1、米ドルベース 3%増)、コア営業利益は15%増(実質ベース、米ドルベース 8%増)

  • イノベーティブ メディスン(IM)の売上高は7%増(実質ベース、米ドルベース 3%増)となり、コア営業利益は18%増(実質ベース、米ドルベース 11%増)

  • IMのコア売上高営業利益率は、売上高の伸びと生産性向上プログラムにより38.7%(実質ベース 360bps増)

  • 成長は、エンレスト、Pluvicto、ケシンプタ、Kisqali、セムブリックスの力強い業績に牽引される

  • サンドの売上高は8%増(実質ベース、米ドルベース 4%増)となり、コア売上高営業利益率は3%増(実質ベース、米ドルベース 2%減)


営業利益は9%増(実質ベース、米ドルベース 0%)となり、主に売上高の増加が寄与


純利益は14%増(実質ベース、米ドルベース 3%増)となり、主に営業利益の拡大と受取利息の増加が寄与


コアEPSは25%増(実質ベース、米ドルベース 17%増)の1.71米ドルとなり、主に営業利益の拡大と発行済み株式数の減少が寄与


フリーキャッシュフロー 2は27億米ドル(米ドルベース 95%増)となり、主に非現金項目調整後の営業利益の増加と運転資本の改善が寄与


2023年第1四半期のイノベーション面での主なマイルストーン:

  • Kisqali – 第Ⅲ相NATALEE試験の中間解析において、乳がん患者の術後補助療法に関する主要評価項目(iDFS:無浸潤疾患生存期間)を達成

  • コセンティクス - 中等症から重症の化膿性汗腺炎(HS)適応に関する主要試験において、治療開始から52週間の肯定的な結果が得られる

  • エンレスト - 小児の心不全患者に対する適応に関して欧州医薬品委員会(CHMP)から承認勧告を得る;承認された場合、申請データ保護期間(RDP)が2026年11月まで延長される

  • Pluvicto – 米国食品医薬品局(FDA)は4月、Millburnの施設をPluvictoの商業生産施設として承認


第1四半期の好業績を受け、2023年通期業績予想を上方修正3

  • ノバルティス グループの売上高は、一桁台半ばの成長率を予想(一桁台前半から半ばの成長率から上方修正)

  • ノバルティス グループのコア営業利益は、一桁台後半の成長率を予想(一桁台半ばの成長率から上方修正)


2023年4月25日、スイス・バーゼル発 ― ノバルティスCEOのヴァス・ナラシンハンは、2023年第1四半期の業績について、次のようにコメントしています。

「ノバルティスは、エンレスト、Kisqali、ケシンプタを中心とした上市済みの成長ブランドに牽引された力強い成長とともに、2023年のスタートを切りました。Pluvictoおよびセムブリックスの上市は、引き続き力強い成長軌道を描いており、Leqvioの上市も着実に進んでいます。私たちは、5つのコア疾患領域における付加価値の高い医薬品の研究開発に優先的に取り組むことで、研究開発活動の生産性向上を推進しています。パイプラインの勢いは、Kisqaliの早期乳がん適応に関する第Ⅲ相NATALEE試験の肯定的な結果に代表されるように、ノバルティスの成長への自信を強める状況にあります。さらに、iptacopanの複数の適応、Pluvictoの早期治療薬としての適応に関する試験結果も期待されます。第1四半期の好調と成長が見込まれる製品およびパイプラインに関する自信を背景に、ノバルティスは、2023年通期業績予想を上方修正しました。」



主要数値1



戦略アップデート

 

事業の集中

 ノバルティスは、2022年に新たな集中化戦略を発表し、革新的医薬品に特化した製薬企業としての変革を進めています。ノバルティスは、5つのコア疾患領域(循環器、イムノロジー、中枢神経、固形腫瘍、血液腫瘍)に焦点を定め、これらのすべての疾患領域で、疾患による負担を軽減し、大きな成長が見込まれる、複数の有力な上市済みならびに開発中の製品を有しています。ノバルティスは、構築済みの2つの技術プラットフォーム(化学、バイオ医薬品)に加え、新たに3つのプラットフォーム(遺伝子・細胞療法、放射線リガンド療法、xRNA)の研究開発力および生産規模の拡大に優先的かつ継続的に投資しています。地理的な面では、優先地域である米国、中国、ドイツ、日本での成長に焦点を当てています。


優先課題

  1.  成長を加速:付加価値の高い医薬品(新規化合物)供給への注力を新たにするとともに、すべてのコア疾患領域での豊富なパイプラインを背景とした優れた上市活動にフォーカス

  2. 株主への還元:卓越した事業運営と財務業績の改善を継続。資本配分における規律と株主中心の維持、ならびに現金収入の大幅な増加と資本の柔軟性を支える強力な資本構成の実現

  3. 基盤の強化:社員の持つ力の活用、データサイエンスおよび技術の規模拡大、社会との信頼関係構築の継続


サンド独立の計画

 サンド独立の計画は、2023年下半期の完了に向け引き続き順調に進んでいます。独立の完了は、労使協議会や従業員代表との協議(必要に応じて)、全般的な市場の状況、税務上の決定および意見の受領、ノバルティスの取締役会による最終承認、スイス会社法に則った株主による承認など、特定の条件を満たすことを前提としています。今回の独立によるノバルティスの法人税への影響は中立となる見込みです。



財務業績

 

2023年第1四半期(1~3月)

 2023年第1四半期の売上高は、販売量の16ポイントの伸びが、価格低下による4ポイントならびにジェネリック医薬品との競合による4ポイントのマイナス影響により一部相殺され、130億米ドル(3%増、実質ベース 8%増)となりました。


営業利益は、売上高の増加が主な要因となり、29億米ドル(0%、実質ベース 9%増)となりました。事業再編費および減損費用の拡大が、係争関連のその他収益を上回りました。


純利益は、営業利益の増加ならびに受取利息の拡大が主な要因となり、23億米ドル(3%増、実質ベース 14%増)となりました。


1株当たり純利益(EPS)は、1.09米ドル(9%増、実質ベース 20%増)となり、発行済み株式数の加重平均値の減少により、純利益の伸び率を上回りました。


コア営業利益は、44億米ドル(8%増、実質ベース 15%増)でした。コア売上高営業利益率は、1.5ポイント拡大(実質ベース 2.2ポイント増)し、34.1%となりました。


コア純利益は、コア営業利益の増加ならびに受取利息の拡大が主な要因となり、36億米ドル(11%増、実質ベース 18%増)となりました。


コアEPSは1.71米ドル(17%増、実質ベース 25%増)となり、発行済み株式数の加重平均値の減少により、コア純利益の伸び率を上回りました。


フリーキャッシュフローは、非現金項目調整後の営業利益の拡大と運転資本の改善が主な要因となり、前年同期の14億米ドルから27億米ドル(米ドルベース 95%増)に拡大しました。


イノベーティブ メディスンの売上高は、販売量増加による16ポイントの貢献があり、106億米ドル(3%増、実質ベース 7%増)となりました。売上高の伸びは、エンレスト、Pluvicto、ケシンプタ、Kisqaliの好業績が、主にジレニアでのジェネリック医薬品との競合による影響により相殺されたことが主な要因です。ジェネリック医薬品との競合によるマイナス影響は5ポイント、価格によるマイナス影響は4ポイントでした。米国の売上高は41億米ドル(11%増)、その他の地域の売上高は65億米ドル(1%減、実質ベース 5%増)となりました。


サンドの売上高は、販売量増加による15ポイントの貢献があり、24億米ドル(4%増、実質ベース 8%増)となりました。売上高の伸びは、前年の新製品上市に伴う勢いの継続と、風邪・咳の流行が拡大した欧州に主に牽引されました。価格によるマイナス影響は、7ポイントでした。米国以外の売上高は、実質ベースで12%拡大しました。バイオ医薬品の全世界での売上高は、米国以外の地域の伸びに牽引され、518百万米ドル(11%増、実質ベース 17%増)に増加しました。



2023年第1四半期の成長の主な原動力

 第1四半期の業績は、以下を含む成長の主な原動力への継続的なフォーカスに下支えされました:





研究開発関連のアップデート ― 第1四半期の主な進捗





資本構成および純負債額

 

事業への投資と強力な資本構成、魅力ある株主還元の適切なバランスを保つことは、今後も引き続き優先されます。


2023年第1四半期、ノバルティスは、スイス証券取引所のセカンド・トレーディングラインを通じて、2021年12月に発表した最大で150億米ドルの自己株式購入の一環として、合計3,150万株の自己株式を28億米ドルで買い戻しました。さらに、120万株(株式価値1億米ドル)が、社員から買い戻されました。同じく2023年第1四半期に、社員持ち株制度関連のオプション権行使ならびに株式受け渡しにより、1,050万株(株式価値3億米ドル)が受け渡されました。ノバルティスは、社員持ち株制度による希薄化影響を今年の残りの期間で相殺したいと考えています。この結果、発行済み株式総数は、2022年12月31日時点と比べて2,220万株減少しました。これらの自己株式の取引により、株主資本が25億米ドル減少するとともに、現金支出(純額)は27億米ドルとなりました。


2023年3月31日現在の純負債額は、2022年12月31日時点の72億米ドルから151億米ドルに増加しました。増加の主な要因は、73億米ドルの年間配当金の支払いと27億米ドルの自己株式の取引による現金支出(純額)が、2023年第1四半期のフリーキャッシュフロー27億米ドルによって一部相殺されたことです。


2023年第1四半期現在のノバルティスの長期信用格付けは、ムーディーズ投資家サービスがA1、S&Pグローバル・レーティングがAA-となっています。



2023年通期業績予想を上方修正 ― 力強い成長の勢いが寄与


この業績予想は、米国においてサンドスタチンLARのジェネリック医薬品が2023年に市場に参入しないことを前提としています。ノバルティスは、引き続きサンドの完全独立が2023年下半期に完了すると見込んでいます。



外国為替の影響

2023年4月下旬の為替レートが2023年の残りの期間も継続すると仮定した場合、2023年通期での為替の影響は、売上高に対してはほぼ影響を及ぼさないレベルとなり、コア営業利益に対してはマイナス3~4ポイントとなると予想しています。業績への為替影響の予想は、ノバルティスのウェブサイトで毎月提供されています。

 


免責事項

本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、現在の予想と異なる場合があることをご了承ください。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照ください。



ノバルティスについて

ノバルティスは、より充実したすこやかな毎日のために、これからの医薬の未来を描いています。私たちは、医薬品のグローバルリーディングカンパニーとして、革新的な科学とデジタルテクノロジーを駆使し、医療ニーズの高い領域で変革をもたらす治療法の開発を行っており、新薬開発のために、常に世界トップクラスの研究開発費を投資しています。ノバルティスの製品は、世界中の8億人以上の患者さんに届けられています。また、私たちは、ノバルティスの最新の治療法に多くの人がアクセスできるように革新的な方法を追求しています。約10万3千人の社員が世界中のノバルティスで働いており、その国籍は140カ国以上におよびます。詳細はホームページをご覧ください。

https://www.novartis.com



すべての画像


ビジネスカテゴリ
医薬・製薬
ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

URL
https://www.novartis.co.jp
業種
製造業
本社所在地
東京都港区虎ノ門1丁目23番1号 虎ノ門ヒルズ森タワー
電話番号
03-6899-8000
代表者名
ジョンポール・プリシーノ
上場
未上場
資本金
60億円
設立
1997年04月