がん外来化学療法の時代なのに…在宅療養を支える介護職に情報が届かず、副作用対策に穴
―ケアマネジャーをパネルにした要介護高齢者の医薬品独自調査『CMNRメディカル』第44回―
全国のケアマネジャー(以下、ケアマネ)10万人が登録するウェブサイト「ケアマネジメント・オンライン」(https://www.caremanagement.jp/)、全国にリハビリ型デイサービス「レコードブック」(https://www.recordbook.jp/)を展開するなど、健康寿命の延伸に向け、様々なヘルスケアサービスを運営する株式会社インターネットインフィニティー(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:別宮 圭一)は、ケアマネジャーをパネルにした要介護高齢者の医薬品独自調査サービス『CMNRメディカル』にて、がんの外来化学療法における副作用対策に関するアンケートを実施しました。
がんの外来化学療法(副作用対策)に関するケアマネ調査【第1報】
■調査概要
調査名:CMNRメディカル(第44回)「がんの外来化学療法(副作用対策)に関するアンケート」
期間:2025年1月22日~2025年2月1日
調査パネル:「ケアマネジメント・オンライン」に登録する会員ケアマネジャーのうち、居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、小規模多機能型居宅介護のいずれかに勤務している者
調査サンプル数:369名
調査方法:WEBアンケート
サマリー
◆ケアマネ1人あたりのがん経験利用者は平均4.7人
◆ケアマネの半数はがん化学療法で用いる抗がん剤の情報を得ていない
◆ケアマネのほとんどは抗がん剤の副作用に関する情報を得ていない
がんの外来化学療法は、医学の進歩により副作用をできるだけ抑えながら有効性の高い抗がん剤を使用できるようになったことに加え、がん治療をしながら日常生活を営めるというQOL上の利点や、入院期間の短縮による経済面での恩恵などを背景に増加し、今や一般的な選択肢となっています。
がんの外来化学療法では、患者さん自身やご家族が治療や体調、メンタル面に関してセルフケアを行う必要があります。高齢者の場合は、介護家族や介護職が手助けをする場面もあるでしょう。近年では従来の細胞障害性抗がん剤に加えて、分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬が登場し、それぞれに注意すべき副作用があります。暮らしを支える介護職もそのことを把握したうえでサポートやモニタリングを行うことが望ましいと考えます。
そこで、要支援/要介護高齢者(以下、利用者)の自宅療養を支える居宅ケアマネを対象として、介護現場におけるがん外来化学療法の副作用対策の実態調査を実施しました。当調査で得られた知見のうち、今回は抗がん剤とその副作用に関する情報把握に関してご報告いたします。
■ケアマネ1人あたりのがん経験利用者は平均4.7人
当調査に回答したケアマネが担当している利用者数は平均32.8人で、がんの罹患経験がある利用者は平均4.7人でした。そのうち、「現在、外来化学療法を受けている利用者」「約3か月前まで抗がん治療を受けていた利用者」「末期で緩和ケアを受けている利用者」がいるかどうかを尋ね、「いる」と回答したケアマネに該当する人数を聞いたところ、それぞれ平均1.8人、1.6人、1.6人でした。

■ケアマネの半数はがん化学療法で用いる抗がん剤の情報を得ていない
「現在、外来化学療法を受けている利用者」「約3か月前まで抗がん治療を受けていた利用者」「末期で緩和ケアを受けている利用者」のいずれかが「いる」と回答したケアマネを対象に、がん化学療法に用いた抗がん剤の把握状況を複数回答で聞きました。
その結果、副作用対策が大きく分かれる「治療薬の分類」を把握できていたケアマネは17.4%にとどまり、「治療薬の名称」を把握できていたケアマネは43.2%と半数に達していませんでした。
また、「治療薬については把握していない」ケアマネが21.1%もおり、「治療薬の剤形しか把握できていない」ケアマネは28.4%いました。つまり、ケアマネの半数ほどは副作用対策の前提となる抗がん剤の情報を得ていないという実態が明らかとなりました。

次に、がん化学療法のスケジュールについてケアマネがどの程度把握しているのかを調査したところ、利用者や家族から治療スケジュールを共有されているケアマネは約6割しかいませんでした。
特に細胞障害性抗がん剤は副作用の出るタイミングが時期によって予想できるため、それに合わせてケアプランを変更することが望ましいと思われますが、一部のケアマネにはその情報が伝えられておらず、適切なケアプラン作成・運用に支障が生じているのではないかと推察されます。

■ケアマネのほとんどは抗がん剤の副作用に関する情報を得ていない
抗がん剤の副作用に関する情報の入手状況について聞いてみると、本人・家族から情報が伝達されているケアマネは3人に1人で、医療者から伝達されているケアマネは6人に1人しかいませんでした。

比較的新しい抗がん剤である分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬では、間質性肺炎などの重篤な副作用がまれに出現することが知られており、早期に発見して治療を行うことが重要です。
介護職は利用者の身近な存在として日々の生活を支えており、ちょっとした体調の変化にも気づきやすい立場にいます。あらかじめ抗がん剤の副作用をケアマネに伝えておくことで、ヘルパー等の介護職に気を付けて観察すべき事項を連携することができ、副作用の早期発見に寄与することができると期待できます。
今回の調査では、ケアマネの約8割は医療者から抗がん剤の副作用について注意すべきことを説明してほしい、資料を連携してほしいと望んでいました。

ケアマネに抗がん剤の副作用に関する情報が届くようにすることは、薬剤の適正使用や副作用対策を推進するうえで一つの介入すべき重要なポイントであると、私たちは考えています。
今後、第2報では介護職が行える抗がん剤の副作用対策、第3報では抗がん剤の副作用に対するケアマネの知識や学習機会の現状についてご報告する予定です。
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