ニュージーランド発のスタートアップZenno Astronautics Ltd.へ出資
宇宙向け超伝導技術を活用し、宇宙事業の競争力を強化
三菱電機株式会社は、グローバル・ブレイン株式会社と共同で運営するコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)ファンド「MEイノベーションファンド(※1)」が出資する第9号案件として、宇宙向け超伝導技術を開発するニュージーランド発のスタートアップ企業、Zenno Astronautics Ltd.(ゼノー・アストロノーティクス:以下、Zenno Astronautics)へ出資しました。
近年、人工衛星の小型化や低価格化が進み、その打ち上げ数の急激な増加に伴い、人工衛星の運用において必要不可欠な姿勢制御技術の重要性が高まっています。姿勢制御は、人工衛星の姿勢を変更・保持することによって、通信アンテナやカメラ、センサーの位置調整などを行い、通信や観測、データ収集などのミッションを成功させる重要な役割を果たします。
Zenno Astronauticsは、長年にわたり超伝導技術の宇宙利用の研究を重ねてきたCEOが主導するスタートアップで、超伝導技術の活用によりエネルギー損失が少なく磁場を効率よく発生させることが可能な革新的な人工衛星の姿勢制御装置を開発しています。本装置は、従来に比べて(※2)小型であることに加えて、少ない消費電力で高効率なトルク(※3)生成を可能にするなど、さまざまな強みがあります。
今後、当社はZenno Astronauticsへの出資を通じて、Zenno Astronauticsの姿勢制御装置を当社衛星に適用することを見据えた技術検討や評価を進めて、当社の宇宙事業の競争力強化を目指します。
Zenno Astronautics Ltd. Co-founder and CEO Max Arshavsky氏コメント
「MEイノベーションファンドを通じて、三菱電機の出資を受けることを嬉しく思います。日本の宇宙技術開発のパイオニアであり、衛星製造など、宇宙事業のグローバルリーダーである三菱電機とのパートナーシップに大きな可能性を感じています。」
三菱電機株式会社 常務執行役兼CDO(DX担当、ビジネスイノベーション本部長)武田聡コメント
「Zenno Astronauticsへの出資、協業を通じて、革新的な宇宙での超伝導技術を活用することで、当社の宇宙事業における競争力を高めることができると確信しています。今後、両社のシナジーを最大限に引き出し、宇宙産業の発展に貢献してまいります。」
■Zenno Astronautics Ltd.の概要
会社名 |
Zenno Astronautics Ltd. |
代表者 |
Max Arshavsky |
所在地 |
Level 3/130 Saint Georges Bay Road, Parnell, Auckland 1052 |
設立 |
2017年12月 |
事業内容 |
人工衛星の姿勢制御用の超伝導磁気トルカの開発・販売、放射線シールドやドッキング技術開発など |
URL |
■三菱電機グループについて
私たち三菱電機グループは、たゆまぬ技術革新と限りない創造力により、活力とゆとりある社会の実現に貢献します。社会・環境を豊かにしながら事業を発展させる「トレード・オン」の活動を加速させ、サステナビリティを実現します。また、デジタル基盤「Serendie」を活用し、お客様から得られたデータをデジタル空間に集約・分析するとともに、グループ内が強くつながり知恵を出し合うことで、新たな価値を生み出し社会課題の解決に貢献する「循環型 デジタル・エンジニアリング」を推進しています。1921年の創業以来、100年を超える歴史を有し、社会システム、電力システム、防衛・宇宙システム、FAシステム、自動車機器、ビルシステム、空調・家電、情報システム・サービス、半導体・デバイスといった事業を展開しています。世界に200以上のグループ会社と約15万人の従業員を擁し、2023年度の連結売上高は5兆2,579億円でした。詳細は、www.MitsubishiElectric.co.jpをご覧ください。
※1 「MEイノベーションファンド」を設立(2022年1月13日公表)
https://www.MitsubishiElectric.co.jp/news/2022/0113.pdf
※2 超伝導技術を活用していない装置との比較
※3 物体を回転させる力
<お客様からのお問い合わせ先>
三菱電機株式会社 ビジネスイノベーション本部
〒100-8310 東京都千代田区丸の内二丁目7番3号
E-mail:big.contact@pz.MitsubishiElectric.co.jp
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