スタディプラス、学校と民間教育のスタディログ一元化に取り組んだ、経済産業省の令和4年度「未来の教室」実証事業の成果を発表 ~8割以上の生徒が学習記録一元化の意向あり、自己調整学習の促進にも効果~
■ 実証事業の概要
学習計画とスタディログをもとに生徒が自らの学習進捗に合わせて学習する、個別最適な指導・学習のユースケース創出を目指し、複数のEdTechサービスを活用した学習進捗状況の連携方法や、LMS(※)へのデータ連携における学校内外での課題等を調査・検証いたしました。
(注)実証に協力いただいた生徒には、事前にデータの使用に関し、許諾を得て実施 。
※ LMS:Learning Management Systemの略称。学習教材の配信や成績などを統合して管理することができる、学習管理システムのことです。
実施場所 | 「Studyplus for School」を導入している学校および民間教育機関 ・クラーク記念国際⾼等学校 横浜⻘葉キャンパス(神奈川県) ・学校法⼈⽯川⾼等学校(福島県) など |
対象生徒 | 上記の教育機関に通う生徒 |
活用するデータ・ 検証方法 | 複数のEdTechサービスをLMS(Studyplus for School)に連携し、サービスを横断した学習計画策定及び学習進捗を把握し、検証を進める。 |
■ 実証事業の成果
1. 生徒の8割以上が学校・民間教育の学習記録を一元化する意向あり、学びの効率化の観点で先生も好意的な反応
学校・民間教育機関の双方を利用する生徒に、スタディログ(報告資料上では「学習ログ」と表記)一元化の利用意向についてアンケート調査を行ったところ、「学習の振り返りの効率化」と「情報共有の省力化」にメリットを感じており、8割以上が学習記録を一元化する意向を示しました。
教育機関向けの調査では、進学支援機能を抱えていない通信制の学校がスタディログの一元化に好意的な意向を示したほか、民間教育機関では生徒の学校での学習内容を考慮して指導を改善・調整することができることから、約9割の学習塾の先生が好意的な意向を示しました。
一方で、生徒が学内外でのデータ流通に前向きであるのにもかかわらず、学校を中心に慎重な意見が見られます。スタディログは本来生徒自身がもつべきものであるため、本人にデータを渡し、本人が提供先を選べる状態(データオーナーシップの移管)があるべき姿ですが、生徒が未成年であることを踏まえると、安心安全なデータの流通手段の確立が必要不可欠です。
※ PLR:Personal Life Repositoryの略称。パーソナルデータストア(PDS、Personal Data Store)の一種であり、パーソナルデータを原則として本人のみが管理運用し他者と共有・利活用する仕組み。
2. 学校内外のスタディログを活用した指導で、生徒の自己調整学習が促進
3つ以上のデジタル教材とLMS(=「Studyplus for School」)を導入している、クラーク記念国際⾼等学校 横浜⻘葉キャンパス・学校法⼈⽯川⾼等学校において、学校内外での学習記録付けやデジタル教材の利用、学習ログに基づく学習指導等を行う実証を実施。
実証の開始時、終了時に生徒向けにアンケート調査を実施し、前後での変化を確認したところ「学習計画・記録の習慣化」や「学習への主体的な取り組みの創出」といった変化が見られており、生徒の自己調整学習が促進される可能性を示す結果を得ることができました。
また、先生側ではLMS導入によって「各デジタル教材の活用状況のモニタリング負担軽減」のメリットが得られたほか、スタディログが蓄積された場合には「指導改善」「主体性評価の参考資料としての活用」「先生間での情報共有コストの削減」の効果も得られることが明らかとなりました。
一方で、手動記録負担の軽減、先生のデータ活用オペレーション面での課題解消、スタディログがない生徒が不利益を受けないための対策などが課題として見られています。
本事業に関するレポートは、「未来の教室 ~learning innovation~」サイトでご覧になっていただけます。
https://www.learning-innovation.go.jp/verify/f0137/
■ スタディプラスが考える、スタディログの一元化及び利活用を通じて描く教育の未来像
スタディプラスは、「学ぶ喜びをすべての人へ」をミッションに掲げ、学習者一人ひとりが個性や特性を発揮できる、学習者中心の教育環境の実現を目指しています。
現在、学習者が学ぶ場所は家庭・学校・学習塾とさまざまであり、スタディログはそれぞれの場所に散在しています。
学校・学習塾の先生は、生徒である学習者の学びの内容を自身の教室内の様子でしか把握できないため、日常的な学びの中で生じた考えや悩みを真に理解し、指導することが難しくなっています。
家庭・学校・学習塾における学習者のあらゆる学びの記録を「パーソナルスタディログ」として一元化・可視化することによって、学校・学習塾の先生はそれぞれのカリキュラムを越えて、一人ひとりの考えや悩みに寄り添った指導ができるようになり、学習者に個別最適な学びを提供できるようになります。
本実証事業は、
学びの記録
家庭における学びの記録(パーソナルスタディログ)
学校における学びの記録(学習eポータル)
スタディログの同期
学習eポータル、パーソナルスタディログ、学外教育データ基盤の同期
指導への活用
学校の指導への活用
に該当します。
今後もスタディプラスは目指す教育環境の実現のため、官公庁をはじめとしたスタディログ利活用に関連する実証事業を続けてまいります。
※官公庁・教育機関等で、「スタディログ」「教育データ」を活用した実証事業をご検討されている方は、お気軽に下記連絡先までお問い合わせください。
担当:スタディプラス株式会社 企画部 西脇 tomoki.nishiwaki@studyplus.jp
■「未来の教室」実証事業 概要
経済産業省が、「『未来の教室』ビジョン(2019年6月)」を踏まえ、様々な個性の子ども達が、未来を創る当事者(チェンジ・メイカー)になるための学習環境づくりを目指し、1.学びの探究化・STEAM化、2.学びの自律化・個別最適化、3.新しい学習基盤づくりを柱に、2018年度より取り組む実証事業です。
「未来の教室」ってなに? (「未来の教室 ~learning innovation~」サイト)
https://www.learning-innovation.go.jp/about/
■ 教育機関向け学習管理プラットフォーム「Studyplus for School」 概要
スタディプラスが提供する「Studyplus for School」は、生徒と先生を学習記録アプリ「Studyplus」でつなぎ、生徒の日々のスタディログを先生が見守り助ける、教育機関向け学習管理プラットフォームです。紙の教科書や参考書からデジタルの映像教材や演習教材まで、あらゆるスタディログを一元化・可視化することで、先生の業務負荷を軽減しながら、生徒一人ひとりの学びの個別最適化をご支援します。文部科学省CBTシステム「MEXCBT」と接続する学習eポータル。
2023年4月より大幅リニューアルし、生徒の入室、出席、予定、成績などの管理や、保護者・生徒との連絡など、多岐にわたる業務をデジタル化できる「教室管理システム」と、AIドリルを生徒に配信できる「教材配信システム」が使える無料プランの提供を開始。
現在、全国の学校や学習塾など約1,700校以上に導入されています。
https://for-school.studyplus.co.jp/
■ スタディプラス株式会社 概要
所在地:東京都千代田区神田駿河台2丁目5−12 NMF駿河台ビル4階
代表取締役:廣瀬高志
事業内容:学習管理アプリ「Studyplus」、教育機関向け学習管理プラットフォーム「Studyplus for School」、電子参考書プラットフォーム「Studyplusブック」の運営
設立:2010年5月20日
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