上司と新人の ”認識ギャップ” に迫る!オンボーディング成功のカギを徹底分析!

900名以上のデータから「新入社員育成のカギを握る要素」を発表

株式会社NEWONE

エンゲージメント向上を軸とした組織開発・人材育成コンサルティング支援を通して“推せる職場づくり”を進める株式会社NEWONE(本社:東京都港区 代表取締役:上林周平、https://new-one.co.jp/ 以下、NEWONE)は、2025年 4月 21日に、新入社員と上司それぞれのサーベイデータをもとに、オンボーディング※1施策の改善に役立つ調査レポートを発表しました。

本レポートは、新入社員入社後のオンボーディング状態の可視化と、新入社員育成における重要ポイントを明らかにするものであり、上司と新入社員間の“認識ギャップ”に注目した分析を通じて、今後のオンボーディング施策の改善ポイントを検討する上で参考となる示唆を提供しています。

※1:本内容のオンボーディングとは、新しく入社した人が職場にスムーズになじみ、早期から戦力として活躍できるようにサポートする一連のプロセスのことです。

調査概要

調査期間:2024年10月〜2025年2月

対象:2024年度新入社員534名と上司377名

調査方法:PANAIサーベイのサーベイ結果を集計・比較

調査内容:

  • 「オンボーディングの状態」を可視化する15項目

  • 「新入社員に求められるスキル・マインドの日々の行動レベル」についての16項目

  • 各要素に関して、本人・上司比較、相関分析を実施

調査背景

近年、入社後の早期離職やミスマッチに悩む企業が増える中、「入社した人が職場に馴染めているか」「育成施策がきちんと機能しているか」を可視化することは、多くの人事担当者にとって喫緊の課題となっています。また、新入社員側も「思っていた環境と違う」「何を期待されているのかわからない」といった不安を抱えることも少なくありません。

こうした課題に対し、NEWONEでは、職場定着と早期活躍を支援するサーベイ「PANAIサーベイ」を開発。本調査では、PANAIサーベイで蓄積したデータをもとに、新入社員とその上司の間にあるギャップに焦点を当て、“やりっぱなしにしないオンボーディング”の実現に向けてポイントとなる要素を調査しました。

PANAIサーベイとは

PANAIサーベイとは、新卒採用者や中途採用者のオンボーディングに関する専門家である尾形真実哉教授監修のもと開発された、新卒採用や若手育成の効果を測定するためのサーベイ。新入社員本人とその上司の両者から回答を得ることで、現状の把握・育成施策の効果測定・課題の特定までを一貫して行い、よりよい職場定着・早期活躍を支援します。

サマリー

1. 新人・上司ともに低い「1年後のキャリアイメージ」

両者のスコアが共に低く、将来像を描く難しさが浮き彫りになったが、職場定着との高い相関が見られ、軽視できない重要要素と判明し、施策を講じることがポイントである。

2. 新人の自己評価が低い「貢献実感」「リーダーシップ」「ビジネスマナー」

「貢献実感」「リーダーシップ」「ビジネスマナー」の項目では、上司より新人のスコアが低くなっていた。この3項目では、上司の期待を上回っていたことが読み取れるものの、それが新人に伝わっていない可能性が高く、特に「期待の見える化」が鍵となる。

3. 新人の自己評価が高い「裁量権」「周囲との人間関係」「問題発見解決力」「目的・目標把握力」「経験学習力」「積極性・チャレンジ志向」

「裁量権」「周囲との人間関係」「問題発見解決力」「目的・目標把握力」「経験学習力」「積極性・チャレンジ志向」の項目では、上司の期待に達していなかったという結果となった。上司と新人で求めている・求められている基準をすり合わせたり、現状や成長課題について話し合うことが求められる。

主な調査結果

▼「オンボーディングの状態」を可視化する15項目についての新入社員・上司比較

尾形 真実哉教授監修のもと開発されたNEWONE独自のメソッドでは、「職場への定着」と「職場での活躍」に分類される15のゴールを設けており、オンボーディング期間中や期間全体を通したオンボーディングの成功に導いています。

1) 新人・上司ともに低い「キャリアイメージ」

1年後のキャリアイメージを描けているか、を聞く設問では、新人・上司ともに他の項目に比べて低い値を示した。入社してから半年以上経っているとはいえ、新人にとっては「独り立ちできているわけではなく、自分の担当範囲が掴みきれていない」「業務の全体像が分からず、キャリアイメージをなかなか考えることができていない」という思いが現れていると考えられる。上司からの視点で考えてみると、「価値観が多様化している中で長期的な成長イメージを持つ/持たせるのが難しい」「変化の激しい時代の中で、業務内容も新しい要素が多く、過去の事例をあてはめることができない」といった理由でスコアが低いと思われる。

職場への定着を高める要素との相関がある要素として、「上司との人間関係」「職場で働く意味・目的」に次いで、3つ目の要素として「1年後のキャリアイメージ」が挙がっていることからも、「キャリアを描く段階ではない」と軽視することはできないことは明らかであり、定期的に振り返りの機会を設けつつ、先輩社員とキャリアについて対話する場をつくるなど、対策が求められる。

2)上司より新人が低い「貢献実感」

職場で期待されている貢献ができているか、を聞く設問では、新人のスコアが上司よりも低い結果を示した。この要因として、上司が暗黙で期待している貢献は十分できているものの、それが新人に伝わらず、「自分が会社にどの程度貢献できているか分からない」という状況が考えられる。

この状況を打開するためには、仕事を進める上での期待だけでなく、職場として期待していること(期待役割など)を明確に示し、それに対する現状を頻度高くフィードバックしていくことが効果的である。

3)上司より新人が高い「裁量権」「周囲との人間関係」

裁量権(配属前にイメージしていた裁量権とのギャップの有無)や、上司との関係性について聞いた設問では、新人に比べて上司が低いスコアになっていた。このスコアから、上司側の「自律性を持てるような裁量権を持たせることができているか」「新人と良好な関係性を築くことができているか」に不安を抱えている様子が読み取れる。

コンプライアンスやハラスメントの感度の高まりによって、上司から新人に「これは強く言い過ぎてないか?」「無理をさせてないか?」「距離感は大丈夫か?」という不安もある中で、新入社員育成の難易度はどんどん上がっている。そんな時代背景の中でも、業務の目的を丁寧に伝えてどんなアウトプットが必要かと本人に考えもらったり、一度一緒に進めた業務を2回目以降、本人に進め方を決めてもらったりする等、育成でもできる工夫を職場でシェアしていくことが重要となる。

▼「新入社員に求められるスキル・マインドの日々の行動レベル」における認知ギャップ

1) 上司よりも新人が低い「リーダーシップ」「ビジネスマナー」

全体的に、上司のスコアが新人のスコアを下回っていた項目が多かったものの(16項目中14項目)、「リーダーシップ」「ビジネスマナー」の2項目で新人のスコアが低かった。

リーダーシップに関しては、新人は「リーダーシップを発揮できていることはほとんどない」と思い込みがちだが、上司側は「役職に関わらず、積極的に動く姿勢・先回りして行動する姿勢」をリーダーシップと認め、評価していると考えられる。貢献実感と同様に、上司が新人の主体的な動き・リーダーシップを積極的に承認・称賛し、さらなるリーダーシップを引き出していく関わりが、新入社員育成におけるポイントとなる。

2) 新人の評価が高い「問題発見解決力」「目的・目標把握力」「経験学習力」「積極性・チャレンジ志向」

「問題発見解決力」「目的・目標把握力」「経験学習力」「積極性・チャレンジ志向」については、上司の求めているレベル・範囲に達していない可能性が読み取れた。

上司としては、目先の問題や業務だけに囚われず、中長期的な目線や目的に立ち返って事象を捉えたり、上手くいくかどうかを脇に置いて経験をつかみにいく姿勢など、求めている基準をしっかり本人とすり合わせることが重要である。

また、新入社員自身で、できることを考えてみると、まず上司からの期待をキャッチできていなければ、期待を明確にする動きが求められる。そのうえで、「今の現状はどう見えているか」「期待されるレベルに達するにあたっての成長課題は何か」等、上司と一緒に考えていくことがポイントとなる。

※実施時期ごとの傾向分析、上司から見たときの評価を分析した際の相関分析や、職場での貢献に影響する本人行動等、本記事では触れられなかった内容につきましては調査レポートをご確認ください。

まとめ

本調査レポートは、新入社員の育成に加え、新入社員育成のヒントを提供するものです。本レポートでは、色々な企業の全体傾向についての報告でしたが、新入社員のオンボーディングを成功に導くにあたってポイントになる要素は、企業特性によって異なる面も多くあります。自社における育成の要点は何か、自社の育成の施策効果はどうなのか、気になる方がいらっしゃいましたら、調査レポート・PANAI entryをご活用いただければ幸いです。

今後もNEWONEは、新人が定着する育成環境を支援する情報を発信していきます。詳細はウェブサイトでご覧いただけます。

株式会社NEWONE 会社概要

「他にはない、新しい(new one)価値を生み出す」を社名に掲げ、エンゲージメントをテーマに、「個人の意識変革」と「関係性の向上」を中心とした企業向けコンサルティング、人材育成・組織開発を提供。人的資本経営が企業にとって重要な課題となっている昨今、社員が自発的に仕事にのめり込む、熱中していく状態、好循環なエンゲージメントサイクルで生み出す職場「推せる職場」づくりを通して、Softbank、カゴメ、三菱地所ホームをはじめ、多数の企業様の支援を実施しています。

*2022年7月に企業経営者や人事担当者、マネジメント層と接してきた経験をもとに、これからのリーダーに必要なマネジメントのノウハウ本『人的資本の活かしかた』発売

*2024年6月に共著書にて、企業規模問わず活かすことができる従業員体験づくりのノウハウをまとめた『組織の未来は「従業員体験」で変わる』を発売

・所在地:東京都港区虎ノ門3丁目4−7 虎ノ門36森ビル9階

・設立日:2017年9月1日

・代表者:上林周平

・事業内容:コンサルティング、企業研修・組織開発等

・URL:https://new-one.co.jp/

本件に関する企業様からのお問い合わせ先

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株式会社NEWONE

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https://new-one.co.jp/
業種
教育・学習支援業
本社所在地
東京都港区虎ノ門3丁目4-7 虎ノ門36森ビル9階
電話番号
070-1554-2088
代表者名
上林周平
上場
未上場
資本金
1000万円
設立
2017年09月