先端半導体パッケージ向け新規感光性フィルムを開発
~ 有機インターポーザーに1.5マイクロメートル以下の微細な銅回路を形成 ~
株式会社レゾナック(社長:髙橋秀仁、以下、当社)は、AI用など先端半導体の製造に使用する、高解像度の感光性フィルムを新たに開発しました。先端パッケージの有機インターポーザー※1において、線幅と配線間隔が各1.5マイクロメートル(μm)という微細な銅回路を形成できます。(特許取得済)
半導体はチップ回路を微細化してより多くの機能を1チップ上に集積させ、複雑な計算処理を高速に行えるように進化してきました。近年では、複数のチップをインターポーザー上で相互接続させ、高機能と高速処理を両立するチップレット技術※2をはじめ、パッケージ技術が革新的な進化を続けています。
現在のインターポーザーはウェハで製造されますが、チップ数が増えるとインターポーザーの面積を大きくする必要があるため、歩留まりなどの課題があります。そこでインターポーザーを有機材料と銅めっきにより、1辺が約500~600mmのパネルで製造する、有機インターポーザーが注目されています。当社が開発した新規感光性フィルムは、有機インターポーザー向けとして線幅/間隔それぞれ解像度1.5 μmを実現しました。製品形態はパネルでの製造プロセスに適したフィルムタイプとしています。
開発においては4つの事業部門による共創が行なわれました。今回、要求される高解像度を達成するための鍵となる新たなポリマー樹脂を開発しました。この開発では計算情報科学研究センターのAI技術を活用して最適な樹脂設計を行い、高分子研究所が実際の樹脂開発を担当しました。さらに、この樹脂を使用して感光性材料開発部が配合とフィルム化を実施しました。最終的に、パッケージングソリューションセンター※3が実際にこのフィルムを用いてパネル上に銅配線を試作・評価し、最適なプロセスの検証まで行っています。
今後も当社は、半導体の進化を支える次世代に向けた最先端の材料を開発し提供していきます。
※1 複数のチップを相互接続する中継部材。
※2 最先端プロセスで製造されたチップと従来プロセスのチップなどの、複数種類のチップをインターポーザー上に搭載し相互接続して機能させる技術。
※3 最先端の後工程装置をフルラインナップで備える、パッケージング技術・評価技術に関するオープンイノベーション・研究開発拠点。
以上
【Resonac(レゾナック)グループについて】
レゾナックグループは、2023年1月に昭和電工グループと昭和電工マテリアルズグループ(旧日立化成グループ)が統合してできた新会社です。半導体・電子材料の売上高は、約3,400億円に上り、特に半導体の「後工程」材料では世界No.1の企業です。2社統合により、材料の機能設計はもちろん、自社内で原料にまでさかのぼって開発を進めています。新社名の「Resonac」は、英語の「RESONATE:共鳴する・響き渡る」と、Chemistryの「C」の組み合せです。今後さらに共創プラットフォームを生かし、国内外の半導体メーカー、材料・装置メーカーとともに技術革新を加速させます。詳しくはウェブサイトをご覧ください。
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