【新センシング技術搭載】ファイバーレーザー溶接ロボットシステムを開発

-フジムラ製作所に1号機を初納入、稼働開始-

株式会社スギノマシン

株式会社スギノマシン(富山県滑川市)は、独自のセンシング技術やロボットシミュレーションソフトなどのデジタル技術をパッケージ化し、段取りレスを実現したファイバーレーザー溶接※1ロボットシステムを開発、1号機を株式会社フジムラ製作所※2(埼玉県川口市)に納入し、稼働開始しました。

本商品は、2025年1月22日(水)~24日(金)に東京ビッグサイトで開催される展示会「第9回ロボデックス(Factory Innovation Week)※3」で加工サンプルと共に概要を紹介します。


1.開発背景

溶接板金業界ではブランク加工※4や曲げ加工の自動化が進んでいるのに対して、特に中小企業の溶接工程においては自動化が遅れています。労働生産者の減少と高齢化が進み人材確保が厳しい状況のなかロボットの導入が進まない理由として、次のような課題を抱えています。

・多品種少量生産が多いため専用機導入のメリットが出しにくい

・工程が多く、かつ形状が複雑であるため自動化しにくい

・材質や形状に合わせた条件出しが難しく、ロボットのティーチング作業などで常に微調整が発生するため熟練した技術が必要

このように人のノウハウが詰まった工程の自動化はハードルが高く、同時に技能伝承が進まないことが大半です。

一方で、ロボットに各種デジタル技術を融合させた自動化システムには、人の技能に因らない、安定した速度での作業、曲線・曲面への対応、安定した品質レベル、作業環境への影響低減などのメリットがあります。

そこでスギノマシンは、自動化の課題とメリットのギャップを埋めるため、1つ1つの課題を紐解き、独自のロボット制御とセンシング技術を組み合わせてティーチレスとワークのバラつきに対応した「ファイバーレーザー溶接ロボットシステム」を開発しました。本システムの開発にあたっては、板金製造業におけるDXのパイオニアである株式会社フジムラ製作所にアドバイザーとしてご協力いただきました。

スギノマシンは、溶接工程の自動化をデジタル技術で解決していくことで溶接板金業界の人手不足や作業改善(イメージアップ)、品質向上につなげることを目指します。

◆アドバイザー:株式会社フジムラ製作所

フジムラ製作所は、国内板金製造業において、DXを推進し高効率な精密板金を行う企業として知られています。「デジタル板金」をコンセプトに、デジタル技術を活用した社内システムを構築し、最先端のモノづくりを実践されています。本システムの開発にあたり、特に溶接技術に関してご協力いただきました。

   代表取締役社長 藤村 智広

2.商品概要

本商品は、主に自社製のロボットCRb(シーアールビー:Connected Robot)とその制御/操作ユニット、ファイバーレーザー溶接機器、溶接定盤などで構成されています。

ロボットの手先には新しいセンシング機器を搭載し、溶接経路をリアルタイムで自動補正する機能「アクティブトラッキング」を備えました。ティーチングレスの中核をなすロボットシミュレーションソフト「CROROROS(クロロロス)」、さらに稼働状況や溶接データの保存・分析・可視化を行うIoTツール「ViiNUS」などとデジタル連携を実現させています。

3.特長

(1)ティーチングレス

ロボットシミュレーションソフト「CROROROS」は、3DCADデータ上のワークの溶接箇所や条件を指定することによりオフラインで動作検証できます。その結果自動生成されたロボットプログラムは装置側に転送され、最小限の操作で自動溶接が可能です。

(2)アクティブトラッキング【新技術】

新開発したセンシング技術による溶接経路の自動補正機能です。従来は板金溶接作業をロボットで自動化する際に、ワークごとの溶接位置のばらつき、溶接中のワークの歪みによる位置ずれが起こるため、その都度プログラムを修正し、ロボットのティーチングを行わなければなりませんでした。ワークの歪みを物理的に抑えようとすると、専用の治具が必要になり、製作するための時間やコストも膨大なものになります。

本システムでは、CROROROSで生成したプログラムの動作で実ワークのエッジを検出すると同時に、アクティブトラッキングでその位置や形状のバラつき、変形量に合わせた実際の溶接経路を自動補正できるため、プログラム調整の手間を削減しながら高品質な溶接を実現します。

(3)CRbの広い可動域と直進性

本システムでは1mを超える長尺ワークにも対応できるよう、水平軸を備えた壁掛けタイプCRbを採用しています。可動域が広く長手方向ストロークのカスタマイズが可能で、優れた直進性は溶接精度に寄与します。(比較的小さなワークサイズであれば、協働ロボットによるシステム化も可能です。)

(4)溶接情報のデジタル化(DX)

装置の稼働状況や溶接データを自社の生産性可視化ツール「ViiNUS」で収集・保存し、そのデータを分析することで溶接品質向上や生産性向上に繋げます。稼働状況のモニタリング機能も標準装備しています。

4.用語・補足

※1 ファイバーレーザー溶接

   光を熱源とするレーザー溶接の一種。

※2 株式会社フジムラ製作所

   https://www.fujimurass.com

※3 第9回ロボデックス

   https://www.fiweek.jp/tokyo/ja-jp/about/robo.html

※4 ブランク加工

   パーツの輪郭を外形抜き加工することで、プレス(タレットパンチ含む)、レーザー加工がある。

<本件に関するお問い合わせ先>

株式会社スギノマシン RI事業部 RI技術部

 TEL:076-477-2554


<会社概要>

■会社名:株式会社スギノマシン

■代表者:代表取締役社長 杉野良暁

代表取締役副社長 杉野岳

■本社所在地:〒936-8577富山県滑川市栗山2880番地

■TEL:(076)477-2555(代)

■創業:1936年3月1日

■事業:高圧ジェット洗浄装置、超高圧水切断装置、原子力発電保守用機器並びに廃炉機器、湿式・乾式微粒化装置、ドリリングユニット、タッピングユニット、マシニングセンタ、拡管工具・装置、抜管装置、鏡面仕上工具、バイオマスナノファイバー、産業用ロボット等の開発、設計、製造、販売

■URL:https://www.sugino.com/

-以上-

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会社概要

株式会社スギノマシン

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URL
https://www.sugino.com
業種
製造業
本社所在地
富山県滑川市栗山2880番地
電話番号
076-477-2555
代表者名
杉野 良暁
上場
未上場
資本金
23億2467万円
設立
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