【YOKOHAMA Hack!】「交通量調査のICT化」の実証実験を完了しました!

(岡谷エレクトロニクス株式会社、立山科学株式会社、三井住友海上火災保険株式会社、Intelligence Design株式会社)

横浜市デジタル統括本部

このたび、「YOKOHAMA Hack!」により、人手観測で行っている交通量調査の効率化と付加価値データの測定・分析による新たな価値の創出を目指して、令和6年7月から各事業者と進めてきた実証実験が完了しましたので、実証実験の結果についてお知らせします。

1 実証実験について

① 本市の抱えるニーズ

交通量調査は、交通状況の把握に加え、道路計画の策定や整備効果を確認するための基礎資料となる、交通データの取得を目的として、約2年に1回の頻度で実施しております。

従来の調査手法では、「慢性的な人手不足」や「煩雑・膨大な集計作業」等が課題となっています。

② 実験の概要

実証実験では、LiDAR※・カメラ映像のAI解析、ドライブレコーダーから得られるGPS走行データなどのICT技術を使用し、交差点における方向別・車種別(小型・大型)の交通量調査を行い、同時に撮影した映像データを人手による観測も行うことで、各技術の精度確認も行いました。

また、車両速度や走行軌跡など交差点における危険要因や渋滞要因に加え、その他政策形成への展開を見据え、デジタル技術ならではの付加価値データの測定、分析を行いました。

※ Light Detection And Ranging の略称。レーザー光を照射し、反射光の情報をもとに対象物までの距離を計測し、形状を表現する技術

2 各技術の実験結果

① LiDAR技術を用いた調査結果

LiDARによる交通量調査
LiDARによる歩行者の人流軌跡データ

(1) 調査手法の概要

LiDARにより取得した車両の位置情報をAI解析することによって、交通量を調査する方法

(2) 調査精度 

概ね95%以上(実用可能な精度)

(3) 調査手法の強み

・正確な位置情報が取得できることから精度が高い

・複数のLiDARの連動が可能であるため死角がなく、広域に精度が高い

(4) 調査手法の弱み

・観測機材が特殊であるため、従来手法と比べ高価

(5) 得られた付加価値と活用方法

・歩行者の人流軌跡データから、斜め横断の実態把握

 ⇒ 利用実態を踏まえた交通ルールの啓発に繋がる可能性

・青信号の時間内に渡り切れない歩行者数等の実態把握

 ⇒ 青信号時間の見直しの検討のための基礎資料となる可能性

② カメラ映像のAI解析技術を用いた調査結果

カメラによる交通量調査
カメラによる車両の走行軌跡データ

(1) 調査手法の概要

カメラから取得した映像データをAI解析することによって、交通量を調査する方法

(2) 調査精度 

概ね90%以上(実用可能な精度)

(3) 調査手法の強み

・映像データさえあれば、比較的簡易に交通量を解析することが可能

・特別な観測機材が不要なため、従来手法と比べ安価

(4) 調査手法の弱み

・撮影位置が遠く、車両が見えづらい場合、調査精度が低下する場合がある

(5) 得られた付加価値と活用方法

・車両の走行軌跡データから、異常軌跡の有無の把握

 ⇒ 車両のはみ出し防止措置など安全対策の検討に活用できる可能性

③ ドライブレコーダーのGPS走行データを用いた調査結果

推計による交通量調査のイメージ
横浜マラソンの交通規制による周辺道路の速度変化

(1) 調査手法の概要

「ドライブレコーダー付き自動車保険」を契約している車両のGPS走行データから交通量を推計する方法

(2) 調査精度 

サンプル数が十分でない等から、現時点では、従来手法の代替になり得る精度は得られていない

⇒ 今後の精度向上に期待

(3) 調査手法の強み

・カメラ等の観測機材の設置が不要なため安価

・広域的な交通傾向を把握することが可能

(4) 調査手法の弱み

・輻輳する道路や複雑な交差点において、GPSの位置情報の誤差により調査精度が低下する

(5) 得られた付加価値と活用方法

・横浜マラソンが行われた日の交通状況を推計から再現し、周辺道路の速度変化や混雑状況を確認

 ⇒ 交通規制時の迂回路案内の最適化等に活用できる可能性

3 実験結果の総評

調査精度

LiDAR・カメラ映像のAI解析を用いた技術において、従来の人手による調査と同等の性能を持つことが確認できました

コスト

カメラ映像のAI解析及びドライブレコーダーを用いた技術において、従来の人手による調査よりも安価であることが確認できました

各事業者の結果概要 ※実用化に向けて、さらなる技術改善が期待されます。

4 今後の展開

  • 実証実験の結果、最新のデジタル技術はコストの削減や 効率化が期待できるということが確認できました。令和7年度から、交通量調査のICT化を進めていきます。

  • ICT化により、新たな情報が得られる一方、コストや精度の面で実用へ向けた課題も確認できました。今後の技術向上や費用感の動向も注視しつつ、活用の可能性を検討していきます。

5 スケジュール(ワーキング募集~実証実験)

これまでの経緯

  • 実証実験に向けたソリューション提案の募集

  • 実証実験のスタート

6 データ利活用の取組

横浜市では、多様化する市民ニーズに応えていくため、データを利活用した政策形成を推進しています。今回の実証実験の結果も含め、今後も質の高い政策検討の取り組みを進めていきます。

7 YOKOHAMA Hack!

横浜市ではDX推進の取組として、行政の業務やサービスにおける課題(ニーズ)と、それを解決する民間企業等が有するデジタル技術(シーズ)をマッチングするオープンなプラットフォーム「YOKOHAMA Hack!」を運営しています。

8 お問合せ先

実証実験の内容に関すること 

道路局 企画課長 金子 真嗣 Tel 045-671-2746

YOKOHAMA Hack! に関すること

デジタル統括本部 デジタル・デザイン室長 洲崎 正晴 Tel 045-671-4761

横浜市におけるデータに基づく政策形成の推進について

政策経営局 データ経営課担当課長 大山 紘平 Tel 045-671-4799

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政治・官公庁・地方自治体
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会社概要

横浜市デジタル統括本部

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URL
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業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
神奈川県横浜市中区本町6-50-10
電話番号
-
代表者名
古石 正史
上場
未上場
資本金
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設立
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