日本発AIスタートアップのグローバル戦略と課題とは?国内最大級「AI×スタートアップ」コンテストにてハイヤールー取締役COO高柴慶人が登壇!海外進出を目指す理由と今後の展望まで イベントレポートを公開
「日本をもう一度、モノづくりで一番へ。」を掲げ、企業のエンジニア強化プラットフォームを提供する株式会社ハイヤールー(本社:東京都渋谷区、代表取締役:葛岡宏祐)は、10月16日(水)に開催された国内最大級のAIスタートアップピッチコンテスト「HONGO AI 2024」のトークセッション「日本発AIスタートアップは世界とどう向き合うか?グローバル戦略と課題」に当社取締役COO 高柴慶人が登壇したことをお知らせいたします。
2019年より開催されている「HONGO AI」は、国内最大級のAIスタートアップピッチコンテストとして、技術的優位性とスケール可能性を兼ね備えた未来を切り拓くスタートアップを表彰しています。ハイヤールーは、2023年に「HONGO AI BEST AWARD」「フジタ賞」「伊藤忠商事賞」の3冠を獲得。
今回は過去受賞企業によるトークセッション「日本発AIスタートアップは世界とどう向き合うか?グローバル戦略と課題」にて取締役COO 高柴慶人が登壇し、 NVIDIA社、FastLabel社と共に日本企業の海外展開に向けた課題と展望について語りました。
以下トークセッションの中から、高柴がハイヤールーの展望について語ったパートをご紹介します。
■ ハイヤールーが海外進出を目指す理由
ーー日本発AIスタートアップは世界とどう向き合っていくべきか、グローバル戦略と課題についてお話を伺っていきます。まずは、各社での取り組み内容について教えてください。
現在我々は、ビッグテック水準の採用プロセスを実現するSaaS型のコーディング試験サービス『HireRoo(ハイヤールー)』を提供しています。構造化面接を通じてエンジニア採用におけるミスマッチを最小限に抑え、候補者が持つ本来の力を最大限に引き出します。また、ライブコーディングや行動面接を組み合わせ、採用後のパフォーマンスと高い相関で最適な選考を可能にします。
特徴としてキーストロークや検索行動など様々なデータを取得することで、候補者が最終的なアウトプットに至るまでの過程を再現し、その人の考え方を可視化することがポイントです。さらに、候補者の試験中の不正行為を、AIを活用して判定することができます。
ハイヤールーは海外展開も視野に入れており、 ソフトウェアエンジニアのスキルを可視化するというコアバリューは、日本だけでなく海外でも共通のニーズだと考えています。
今のIT情勢ではソフトウェアエンジニアの重要性も増していますが、スマートフォンを開けば日本のアプリケーションはほとんどなく、開発分野で遅れをとっている状況です。
ハイヤールーは、かつて日本が工業製品などで世界に進出したように、ソフトウェアでも世界で再び一番になることを目指し、その下支えをする会社としてミッション「Japan as No.1, again. 日本をもう一度、『モノづくり』で一番へ。」を掲げています。
■市場構造の理解が海外展開への第一歩
ーー日本企業がグローバルで戦うのは大変という話をよく聞きます。海外に競合がいることは逆に展開のチャンスとも捉えられますが、海外展開において苦労されていることや、考えていること、どのような工夫が必要なのかお聞かせください。
ハイヤールーは創業が2020年ですが、海外でもそれ以前からコーディングテストサービスは存在していました。特に多くの候補者から適切な人材を選別するスクリーニングと呼ばれる分野では、私が調べた限りでは海外には20~30程度のサービスが存在します。
一方、海外市場では、スクリーニング後の見極めという観点まで網羅しているサービスは2~3程度しかありません。ハイヤールーとしては海外開拓を現在積極的に進めているわけではありませんが、既に日英両方のネイティブ翻訳に対応しているためインドやベトナムなどで採用を行う日本企業が利用するケースもご支援してきています。
海外展開においては、市場構造を重視しています。日本のソフトウェア産業は、「事業会社」と呼ばれる企業と、多重下請け構造の「SIer」という領域で見ると、65%がSIerで、残りの35%が事業会社です。一方、これはアメリカでは逆転しており、約7割が事業会社です。事業会社とSIerで求められるスキルは異なり、ハイヤールーは日本の市場構造に合ったサービスを提供することに強みがあります。
東南アジアは日本の市場構造と似ている部分があり、またアメリカは競合が多いという点も考慮すると、先に東南アジア進出を検討しています。
■ 成功への道筋とは
ニッチな戦略とポジショニング、企業間連携の重要性
ーー今後の展望を教えてください。
基本的な原理原則として、市場構造を分析した上でポジショニングを形成するのかが非常に重要なので、海外においてプロダクトやサービスの立ち位置を明確にすることが前提条件だと考えています。 その先で営業方法や必要なカスタマーサポートレベルの見極めをしていくことでプロダクトやサービスを普及していけると思います。
大きな市場があるからこそ、その中で狙う場所をピンポイントで決めることが重要なため、ニッチな戦略とポジショニングを組み合わせ、特定の国への進出を意思決定していく必要があると考えています。
ーー膨大な機会やチャンスがあるからこそ、何をしたいか、何をやるかを考える必要がある。その点が大きいということですね。
そうですね。 進出先の国や市場構造を理解するだけでなく、時には文化の違いが障壁になることもあるので文化を理解することも重要だと思っています。 最終的にいつ進出するかは経営者が決断することですが、感情的にも戦略的にも進出するという意思決定をしつつ、かつ論理的になぜその国に進出するのかを明確にするプロセスが必要です。
最近ではCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)も注目されているなかで、日本のCVCを持つ大企業の中には海外に販路を持っているケースも少なくありません。 そうした企業と連携して海外進出を進めることが、成功への道筋の一つになるかもしれません。しかし、各国で文化や市場に合わせたサービスを提供する必要があり、日本でPMF(プロダクトマーケットフィット)を達成し、シリーズAの資金調達を行ったとしても、それぞれの国で再びPMFを達成するのは大変なことです。 これは、経営の忍耐力と市場開拓のバランスが重要になってくるのだろうなと改めて感じています。
【プロフィール】
株式会社ハイヤールー 取締役COO 高柴 慶人
ソフトウェアエンジニアとして2年間活動し、2018年LINE株式会社に入社。サービス企画職を経て2020年コマースメディアの事業責任者に。東南アジアを中心としたフィンテック企業でGlobal PdMを経て、2022年にハイヤールーに参画。COO就任。500社以上のエンジニア採用に関するヒアリングなど実施。
■ 開催概要
・開催名:HONGO AI 2024
・開催日:2024年10月16日 14:00~18:30
・会場:東京 丸ビル ホール&コンファレンススクエア
・主催:一般社団法人HONGO AI
・共催:NewsPicks Brand Design
■ ハイヤールーについて
ミッション
Japan as No.1, again.
日本をもう一度、「モノづくり」で一番へ。
モノづくり大国として世界からも高い評価を受けていた日本。しかし、インターネット時代に入りモノづくりの中心がITとなった現在、その勢いは衰え世界に遅れをとっています。
ハイヤールーは、日本の企業の技術・エンジニアリング力の底上げを目指し、現代のモノづくりを担うソフトウェア開発者の採用・評価・育成までワンストップで行うエンジニア組織向けプラットフォームを提供しています。
モノづくりの根幹を担うエンジニアが、本来の力を発揮し新しいプロダクト開発や新たな道にチャレンジできる未来を創る。
そして、かつて世界をリードしたこの国をもう一度、モノづくりの力で一番へ。
受賞歴
-
「HONGO AI 2023」最優秀賞
-
「ICCサミット FUKUOKA 2023|SaaS RISING STAR CATAPULT」優勝
-
「ASPICクラウドアワード2023」
-
「第8回 HRテクノロジー大賞」
会社概要
ビッグテック水準の採用プロセスを実現できる「HireRoo(ハイヤールー)」を提供。HireRooは、構造化面接を通じてエンジニア採用におけるミスマッチを最小限に抑え、候補者が持つ本来の力を最大限に引き出します。
ライブコーディングや行動面接を組み合わせ、採用後のパフォーマンスと高い相関で、最適な選考を可能にします。
会社名 |
株式会社ハイヤールー |
所在地 |
東京都渋谷区道玄坂1-10-8 渋谷道玄坂東急ビル2F-C |
代表者 |
代表取締役 葛岡 宏祐 |
設立 |
2020年12月10日 |
事業内容 |
インターネットサービスの企画・開発 |
運営URL |
すべての画像