東南アジア初導入!日本発「10代のデジタルエチケット」プログラムがマレーシアで高評価
マレーシアの中学校・高等学校で、著作権とデジタルリテラシーに関わる授業を実施

一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)が開発した「10代のデジタルエチケット」プログラムが、2025年2月、マレーシア・トレンガヌ州にある中学校・高等学校SMI Al Amin Kemamanで実践されました。日本国内やスウェーデンで実績を積んできた本プログラムは、東南アジアでは初実施となり、生徒・教育関係者から高い関心と評価を得ました。
東南アジアで初となる日本発のデジタルエチケット教育をマレーシアの中等教育機関で実施
一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)は、2025年2月、コンテンツと著作権に関する教育プログラム「10代のデジタルエチケット」を、マレーシア・トレンガヌ州のSMI Al Amin Kemamanで実施しました。本プログラムは、日本国内での豊富な実施実績に加え、2024年にスウェーデンの公立高校で初の海外実践を行い、今回は東南アジアで初めての導入となりました。
SMI Al Amin Kemamanは、マレーシア・トレンガヌ州ケママンにある私立のイスラム系中学校・高等学校です。学業面の指導はもちろん、イスラムの価値観を大切にした教育にも力を入れ、生徒一人ひとりの個性や能力を伸ばすことを目指しています。地域社会や国内外の教育機関とも積極的に連携し、グローバルな視点を持った次世代の育成に取り組んでいます。
今回実施した「10代のデジタルエチケット」プログラムは、デジタル時代におけるAI生成コンテンツの著作権という現代的な課題にも踏み込み、生徒たちは「創作の独自性」や「クリエイターの権利」について理解を深めました。プログラムには、中学1年生から高校3年生までの生徒が参加し、AI生成コンテンツに関する著作権など、最先端のテーマにも触れながら、「創作の独自性」や「デジタル空間におけるクリエイターの権利」について、活発な意見交換を行いました。




■プログラム実施の様子
授業はSMI Al Amin Kemamanの英語科教員がファシリテーターを務め、現地の教育環境に合わせて英語で実施されました。プログラムでは、生徒によるAI生成画像の制作工程の実演が行われ、「AIを使って作った作品は、自分のものと言えるのか?」という問いから、創作の価値や著作権についてそれぞれの考えを深めていきました。また、授業内では、「誰かが心を込めて作った作品には、敬意を払うべき」「著作権は私たち全員に関わる大事なもの。オンラインでも現実世界でも関係ない」など意見が交わされました。

プログラムを受けた生徒の声
これまで、著作権についてきちんと学ぶ機会はありませんでした。今回のデジタルエチケットプログラムが初めての経験です。友達にも著作権を知っている子と知らない子がいるので、こうした授業はとても大切だと感じました。授業を受ける前は、著作権について詳しく知りませんでしたが、プログラムを通して仕組みや考え方をしっかり理解できました。
私は普段、リアルな絵を描くアーティスト活動をしています。自分の作品にはたくさんの時間と想いを込めているので、もし作品を無断で使われたりコピーされたりしたら、とても辛いと思います。プログラムを受けて、自分の作品を守るために何ができるのか、具体的に考えられるようになりました。オンラインで正しい情報を発信すること、フェイクニュースを広めないことも、著作権やコンテンツを守るための大事なアクションだと思います。

教員の声
今回のプログラムで特に期待していたのは、生徒たちが著作権や権利について正しい知識を持ち、デジタル世界での自分の行動に責任を持つ意識を高めることです。さらに、自分自身がコンテンツを発信する立場だという自覚も持ってほしいと思っていました。実際に授業をしてみて、生徒たちはとても積極的に学び、学んだことを周りにも伝えようとする姿勢が見られましたし、デジタル上での行動をより慎重に考えるようになったと感じます。
現在、学校では著作権について深く学ぶ機会はほとんどありません。生徒たちの多くは著作権の存在すら意識しておらず、知識も十分ではありません。これはマレーシア全体でも同じ傾向だと感じています。だからこそ、日常的に使っているSNSを通じて、著作権や知的財産権の大切さを伝えることが必要です。デジタルシティズンシップ教育でも、SNSでの発信や行動が重要なテーマです。「この投稿はしてもいいのか?」「誰かの作品を勝手に使っていないか?」そんな意識を持つことが、これからのデジタル社会を生きる生徒たちには欠かせません。
学校の授業では、普段からChatGPTなどのAIツールもよく使用しています。「アイデアをまとめるのには使ってもOK。でもそのままコピペはダメ」と伝えていますが、今回の授業を通じて、「これも著作権に関わる話なんだ」と生徒たち自身が改めて理解できたのは大きな収穫でした。今回のプログラムは、単に知識を得るだけでなく、「自分の作品を守る」「他人の作品も大切にする」という考え方を育てる、非常に良いきっかけになったと思います。


■「10代のデジタルエチケット」PBL型プログラム学習について
「どうすればデジタルエチケットを守れるのか?」をテーマに、コンテンツを取り巻く諸課題について「なぜ問題なのか」「どうしたらいいのか」を実社会に紐付け、自分ごと化して理解し学べるPBL型の無料プログラムです。
・プログラム監修:
一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)
一般社団法人STEAM JAPAN / 株式会社Barbara Pool
・協力:
経済産業省
■関連サイト:
「10代のデジタルエチケット」特設サイトURL:
https://digital-etiquette-japan.com/
「10代のデジタルエチケット」英語教材URL:
https://www.youtube.com/playlist?list=PLAUd8-BxsNuFu4JtKSdvVsiWc8xt3MR32
SMI Al Amin Kemaman 公式YouTube:
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