『母国では女の子が生理用品を買うのはタブー』 お茶の水女子大学にてBe-A Japanが生理セミナーを実施。宗教や文化による「生理」に対する扱いや考え方の違いとは。
株式会社Be-A Japan(本社:東京都渋谷区神宮前、代表取締役:髙橋くみ、取締役:山本未奈子)が運営する女性支援ソーシャルプロジェクト「GBA(ジービーエー)」は、2024年10月23日(水)、国立大学法人お茶の水女子大学で生理セミナーを開催しました。受講生はバングラデシュ、タジキスタンからの留学生を含めた8名の学生で、90分間英語での講義を行いました。
テーマは「生理」を切り口とした女性の身体と安全の重要性について。
「Period Seminar by leading Femtech Brand Be-A Japan: Understanding the importance of women’s bodies and personal security」というタイトルで、女性が自分の身体について知っておくことの重要性やその基礎知識、女性が社会においてどのような立場に置かれてきたかなど、日本の歴史から紐解きながらお伝えしました。
また、「男女ともに生理について知るメリット」をテーマに英語でディスカッションを実施。学生たちは、これまでの「生理」にまつわる各々の経験や、感じていたことを共有しました。また、日本と他国の生理に関する文化や考え方の違い、さらに出身国の生理事情についても思考を巡らせながら、テーマに対する意見を出し合いました。
今回のセミナーでは、日本人だけでなく海外の視点も加わった意見が飛び交ったことで、宗教や文化の違いによって「生理」に対する扱いや考え方の差が大きいことがわかりました。
講義の中で、たとえ命を救うためだとしても女性は土俵へ上がることが許されなかったという、2018年に日本の相撲巡業で起こった実際のニュースにも触れましたが、そうした文化的な女性差別や宗教的な問題が日常的に起こっている国は他にもあり、「生理」がタブー視されている現実は、世界的な問題だと言えます。
「母国では女の子自ら生理用品を買うことがタブー。お父さんに買ってもらっていた。」というバングラデシュ出身の学生の話は、日本人の受講生からも驚きの声が上がりました。
生理用品に自らアクセスできない不自由を強いられているだけでなく、生理は不浄であるという考えを理由に、人々の生活の中で重要とされている礼拝やモスクに入ることも許されていない地域や国もあるといいます。
宗教上の理由や文化と生理の関係は一概にこうあるべきと論じがたい問題ではありますが、まずは性別関わらず「生理」について知ること、そして女性自身が正しく理解することが、少しでも生きやすい世の中へ変わる一歩ではないでしょうか。
受講者アンケート回答 一部抜粋
セミナー後、受講生徒に行ったアンケートでは、講義への感想だけでなく、生理に関するエピソードや、世界と比べた日本の生理事情について感じる点などをお答えいただきました。
この回答から、今回のセミナーが学生たちにとって、「生理」を切り口としたジェンダー問題や女性の身体と安全の重要性について、多角的に捉え考えるきっかけになったことが窺えます。
〈セミナーを受講し、特に印象に残ったことを教えてください。〉
・経血は100%血液ではなく、子宮内の組織等も含まれるということを初めて知り、自分の身体ついてもっと知ろうとする必要があると思った。また、ディスカッションパートでは、ディスカッションメンバーの母国では女性が生理用品を買うことがタブーであり、そのため父親が買うということに驚いた。/日本人学生
・使い捨てナプキンの使用と環境問題を結びつけて考えることがなかったけれど、1人の女性が一生涯で使用するナプキンの数が12,000枚と知り、生理用品のあり方を変えてく必要があると思いました。吸水ショーツのクラウドファウンディングに集まった金額を考えれば、とても多くの人が生理用品に関する改革を求めているのだと思いました。生理中約6日間は辛いのは仕方ないことで、それ自体を変えようと思っていなかったけれど、生理用品や生理休暇などの社会的システムで生理の辛さは変えられるのだと思いました。/日本人学生
・みんなでオープンに生理やその他の詳細について話し合っていたことが 驚くべきことでした。言葉にするのは難しいのですが、私たちの女性としての役割が社会的に受け入れられているような感覚がありました。特にみんなで濡れた生理ナプキンを触ったときに感じました。
(The fact that we were all openly discussing the periods and other details was really astounding. It is difficult to describe, but it was a sense of social acceptance for our feminine role. In particular, when everyone touched the pads. )/留学生
〈出身国ならではという「生理」についてのエピソードを教えてください。〉
・高校時代に友人が生理痛でテストを休んだ時に、後日男性の先生にテストの代わりとなるものがないか求めた時に、入試当日も生理痛で欠席するんですか?と言われ、断られたというエピソードがあります。日本ならではかどうかわかりませんが、生理の辛さについて理解が乏しい(特に年配の男性)という現状が反映されたエピソードだと思います。/日本人学生
・私はイスラム教の国で生まれたため、女の子が生理について話したり、自分で生理用品を買ったりすることはあまり好ましく思われません。最近、少しずつ変化が見られるものの、根本的な問題は生理が罪の象徴と見なされていることにあります。私たちの国では、女性が生理を経験するのは、イスラム教におけるハッワー(イブ)が神の言葉に逆らって禁断の果実を食べたためだと教えられています。宗教について詳しくはありませんが、ハッワーがアダムをそそのかして果実を食べさせたとも言われており、ハッワーが誘惑者のように見られています。そのため、生理中の女性が男性を悪い行いに誘うことがあるとされています。私は、これは女性を抑圧するための根深い女性蔑視であり、女性が自分ではどうにもできないことの責任を押し付けられているのだと思います。生理中は、祈りを捧げること、断食を行うこと、神聖とされるものに近づくことさえ許されていません。
(As I was born in a muslim country, it is not seen upon in a good way when girls talk about periods or even buy sanitary napkins by themselves. Recently, there has been a slight change in that but the root problem of it is how period is seen as the symbol of sin. In our country, we are told women got period because Hawwā (Eve of islam) ate the apple going against God's word. I don't know much about religion but it is also told that Hawwā was also the one to lure Adam of islam to eat the apple making Hawwā seem like a distractor. So that is how women in period can lure men into doing bad things. I think it is just deeply rooted misogyny oppressing women by putting all the blame on them of something they cannot control. We are not allowed to pray, fast or even go near anything that is considered sacred.)/留学生
・私の国の生理に関する最も独特な点は、90%以上の女性がナプキンを使用していないことです。ほとんどの人が布やファブリックを使用することを好み、これらの方がナプキンよりも健康的で手に入れやすいと考えています。ナプキン特有の匂いなども、使用が避けられている理由の一つです。
(The most unique thing about the menstruation periods in my country is that more than 90 percent of the women do not use pads. Almost everyone prefers using the cloth and fabrics, and they think these are way healthier and affordable everywhere. Pads having a specific smell, etc. is also one of the reasons that makes them unpreferable. )/留学生
〈生理について、家族やパートナー、友人などとオープンに話すことがありますか。 誰と、どんな話をしますか。 しない場合は理由を教えてください。〉
・私はこれまで友人たちと生理についてオープンに話してきました。しかし、家族と話すのは難しいです。宗教や文化の問題があるからです。兄に話すことがありましたが、まだタブー視されているトピックで、両親は明らかにそれを良く思っていませんでした。それでも、私は生理についての教育が男性にとっても必要なトピックだと主張しており、家族や周囲の男の子たちに教えています。
(I have always been quite open talking about periods with my friends.But with my family, it has been quite hard. Since there is the issue with religion and culture. It is still treated as a taboo topic but I taught my brother about it and my parents were definitely not happy about it. Although I stand my ground about it being a necessary topic for even men and teach boys in my family or in my surrounding.)/留学生
・生理について話を避けるのは文化的なことだと思います。単なる恥ずかしさからくる問題かもしれませんが。また、父親が娘の生理の血がついた服や他の場所を見るべきではないというジンクスもあります。だから、私たちは常に気をつけなければなりませんでした。
(Simply refraining from discussing the menstruation is a cultural thing, I suppose. It simply comes down to shyness. Additionally, there is a jinx that states a father should never witness his daughter's blood (particularly the blood from the menstruation) on clothing or in any other place. So, we had to be careful at all times.)/留学生
〈世界と比べた時、日本の生理事情について「足りない」と思う点があれば教えてください。〉
・体の見えない不調を、生理を理由にするのがなんとなく後ろめたく感じる。/日本人学生
・生理を止める薬や処置が保険適用外なこと。/日本人学生
・部活やアルバイトなどを欠席するときに、生理痛と言えず、体調不良という言い方をすることが多いため、月に1度も体調を崩す人だと思われたり、ズル休みをしているように取られてしまうことがあります。社会的に、生理休暇のような欠席がもっと浸透すればと思います。/日本人学生
・生理用品が高いと思います。化粧品など、女性ならではの必要経費が多い中で、生理用品はかなりの出費であると思います。/日本人学生
・think there is a lot of benefits regarding menstruation but the social system is making it difficult to use those facilities. I hope people were a bit more aware and understanding about it. Although it is much better than my country but better is not enough. I wish both Japan and other countries all over the world could gain awareness and be understanding.
((日本は世界と比べて)良い点がたくさんあると思いますが、社会制度が追いついていないと思います。もう少し人々がこのことについて意識を持ち、理解してくれたらいいなと思います。日本は私の国よりはずっと良い状況ですが、それだけでは不十分です。日本や世界中の他の国々が意識を高め、理解を深めてくれることを願っています。)/留学生
開催概要
開催日時:2024年10月23日(火)10:40〜12:10
会場:国立大学法人 お茶の水女子大学
〒112-8610 東京都文京区大塚2-1-1
対象:文教育学部グローバル文化学環 平和構築論Ⅰ の受講生(グローバル文化学環講演会としてオープンに開講)
講義名:
英語タイトル)Period Seminar by leading Femtech Brand Be-A Japan: Understanding the importance of women’s bodies and personal security
日本語タイトル)フェムテック企業Be-A Japanによる生理セミナー:女性の身体と安全の重要性について
使用言語:英語(日本語サポート付き)
スピーカー: 株式会社Be-A Japan代表取締役CEO 髙橋くみ
▪️お茶の水女子大学 文教育学部グローバル文化学環 平和構築論Ⅰについて
国際政治学・国際関係学・平和研究・政治学を専門としている小林誠教授の授業です。科目名は「平和構築論Ⅰ」Peace Building Ⅰ。狭い意味での平和構築ではなく、平和研究のような広い内容を扱い、紛争、差別、格差をどう乗り越えるかなど、学際的に平和探求することを目的としています。
学校サイト:https://www.ocha.ac.jp
▪️お茶の水女子大学 小林誠教授よりコメント
セキュリティを考えるときに見落とされがちであったのが、女性が自らの身体を正しく認識し、自己決定しながら身体を自己管理することの大切さです。女性や社会的弱者を軽視しがちなヘゲモニックなセキュリティ観を押しのけて、私たちが私たちであるために、革新的なアイデアを実現していくことを学んだ貴重な機会でした。
▪️株式会社Be-A Japan 代表取締役CEO 髙橋くみよりコメント
日本においても生理は不浄と見なされてきた歴史がありますが、今回は留学生たちから母国での経験を伺い、私自身にとっても学びの多い有意義な90分となりました。
ある日本人学生からは「現在ジェンダーに関わる授業をいくつか受けていますが、女性が不利な立場に置かれていることについてあまり実感が持てていなかったので、今後の授業がより深く考えられるようになったと思います」という感想をいただき、大変嬉しく思いました。
かくいう私も、社会に出るまでは「女性活躍」や「不平等」という概念を真に理解することができませんでした。
我々のセミナーを通じて、「生理」という身近なテーマを中心に議論する学生の皆さまの姿は大変頼もしく、未来を担う若者にとって、様々な角度からジェンダー課題を考える機会は意義深いものであると改めて確信いたしました。
貴重なお時間をいただき、心より感謝申し上げます。
■GBAについて
Girls Be Ambitiousをメッセージに掲げるGBAは、女性支援ソーシャルプロジェクトです。女性をエンパワーメントし、女性につながるすべての人々と共に豊かに生きる社会を築くことを目的として、日本国内と海外の両軸で活動を行っています。
社会のなかで、誰もが等しく権利と機会を持ち、女性一人ひとりが自らの能力を発揮できるよう、モノの提供だけでなく、手段の提供に取り組んでいます。また、想いに賛同してくださるアーティストと協業して、唯一無二の個性で彩られるアートを創出し、企業やブランドの価値を広げ、企業と社会、人々を繋げることに寄与します。
■Be-A Japanについて
Be-A Japanは、「Girls be ambitious. 望めば変わる。人生も、世界も。」をメッセージに掲げ、女性をはじめ、すべての人の心身の健康と活躍を応援。これまで不便を感じることの多かったサニタリーライフにおいて、その期間のニーズに寄り添う高い機能性を備えた新たな選択肢として、超吸収型サニタリーショーツブランド Bé-A〈ベア〉を提案。
多様化する女性の生き方をエンパワーし、サステナブルなものづくりと消費が求められる現代社会への貢献をめざしています。
【 会社概要 】
社名:株式会社Be-A Japan
本社:東京都渋谷区神宮前5丁目1番7号
代表取締役CEO:髙橋くみ/取締役:山本未奈子
Bé-A公式オンラインサイト:https://withbe-a.com/
Bé-A公式Instagram:https://www.instagram.com/be_a.japan/
Bé-A公式Twitter:https://twitter.com/beajapan1/
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