モルフォ、AI画像鮮鋭化技術『Morpho Deep Deblur™』提供開始

様々な種類のブラー(ブレ、ピンボケ)を最適なAIモデルで補正

モルフォ

株式会社モルフォ(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:平賀 督基、東証グロース市場:3653、以下 モルフォ)は、AIを活用して、画像に発生する様々な種類のブラー(ブレ、ボケている部分)を除去し、鮮鋭化する技術『Morpho Deep Deblur™』(※1)の提供を開始します。

『Morpho Deep Deblur』ソフトウェア構成イメージ『Morpho Deep Deblur』ソフトウェア構成イメージ


  • Morpho Deep Deblurの特長

(1)多岐に渡る“ブラー”に対応

一般的に、カメラでの撮影画像にブレやボケに相当する“ブラー”が発生した際、その発生要因は様々です。この“ブラー”を画像から除去する技術は世の中に様々ありますが、発生要因に合わせて最適な補正方法を選択して適用することが画質を改善する上で重要です。例えば、モーションブラー(被写体が動くことによるブレ)に対して画像拡大ブラー補正(一般的に超解像と呼ばれる補正)を適用しても、そのブレは改善しません。

そこで『Morpho Deep Deblur』では、発生要因に合わせて最適な補正ができるように、4種類のブラー補正AIモデルを用意しています。これにより、的確な画質改善を実現することができます。

また、顧客ごとの処理要件に合わせてブラー補正AIモデルのカスタマイズするサービスを併せて提供します。


 <AIモデル別の説明>

・デフォーカスブラー補正AIモデル

いわゆる写真の“ピンボケ”に相当するブラーを補正します。撮影後にピントが合っていないことに気づいた場合などに、こうした補正を行うことで、ピンボケした写真を鮮鋭化し、貴重な一瞬を捉えた写真をより鮮明に残すことができます。

原理的には、明るく撮影するために絞りを開く(光量を多く取り入れる)と、被写界深度が浅くなるために部分的なデフォーカスブラーが発生しやすくなります。


・モーションブラー補正AIモデル

明るく撮影するためにシャッター速度を遅くすると、移動体がブレる現象(モーションブラー)が発生することがあります。本AI補正モデルにより、そうしたブラーの抑制が可能です。また、動被写体の動きベクトル検知技術『Morpho Motion Sensor™』(別製品)と連携し、抑制可能な速度かどうかの判別処理も可能です。


・画像拡大ブラー補正AIモデル

画像拡大時に生じる解像度の低下を補正するAIモデルです。一般的に“超解像”と呼ばれる技術に該当します。ストリーミングなどで帯域が制限されている場合に、画像サイズを縮小後に送信し、受信後にサイズ拡大し本AIモデルを適用することで、画質を補正することが可能です。

また、デジタルズームを使用した撮影画像に対しては、ギザギザなエッジや潰れたディティールを補正し、滑らかで精細な画像を得ることができます。


・歪み補正ブラー補正AIモデル

レンズの歪みを補正した後、画面端に生じる解像度の低下を補正するAIモデルです。


(2)AI推論エンジン『SoftNeuro®』を内蔵

モルフォ製品である高速AI推論エンジン『SoftNeuro』を内蔵しています。様々なハードウェア(CPU、GPU、各種AIアクセラレーター)に対応し、ハードウェアリソースを最大限に活用することで、高速・低消費電力での物体検出処理が実現可能です。動作環境としては、x86/x64/ARM CPU, GPU,各種AIアクセラレーター等が利用可能です。


・AI推論エンジン『SoftNeuro』:https://www.morphoinc.com/technology/sie


  • サンプル画像

(1)画像拡大ブラーの補正前/補正後

(2)デフォーカスブラーの補正前/補正後


  • 適用分野

自動車分野向け、スマートフォン/PC内蔵カメラ向けなど様々です。


●自動車分野

近年、低解像度の車載カメラ映像を、大きな映像表示用モニタ(HMI)上で綺麗に表示するための画質改善ソフトウェア技術の市場ニーズが顕在化しています。この背景には、近年顕著なHMIの進化があります。HMIの高解像度化が進むにつれ、車載カメラの高解像度化も求められています。一方で、高解像度カメラの採用は自動車の大幅な原価増に繋がるため、車載カメラはできる限り低解像度のまま、HMI上での表示映像のみを綺麗に補正するソフトウェア技術が求められています。

そこで『Morpho Deep Deblur』をHMIとペアで利用することにより、入力映像の画質をAIで改善するためのハブとして利用することが可能となります。これにより、低解像度の画像であっても、大きなモニタで綺麗に表示することが可能です。

車載モニタ(HMI)で『Morpho Deep Deblur』を使用するイメージ図。解像度の異なるカメラA、B、Cの撮影画像を表示用に鮮明化車載モニタ(HMI)で『Morpho Deep Deblur』を使用するイメージ図。解像度の異なるカメラA、B、Cの撮影画像を表示用に鮮明化

また、2023年5月に提供開始した自動車分野向けAIソリューションパッケージ『Morpho Automotive Suite™』の標準AI技術群に、『Morpho Deep Deblur』を追加しました。AI技術を単体で提供するだけではなく、顧客ニーズにフィットするAIの追加学習や用途別の製品カスタマイズ等の提案を通じて、自動車分野における課題解決および顧客製品への付加価値の向上に貢献していきます。


●スマートフォン/PC/デジタルカメラ分野

スマートフォンやデジタルカメラでデジタルズームを行ったり、撮影した画像を拡大することによる解像感の低下を、『Morpho Deep Deblur』を適用することで改善することが可能です。

世の中には信号処理ベースの超解像技術が数多く存在しますが、本製品はAIを活用することで、信号処理ベースの手法の実用的限界を超えることを目指し、さらなる解像感の向上を実現するものです。


※1: 製品名『Morpho Deep Deblur』は仮称です。

 

  • 関連プレスリリース

2023年5月18日

モルフォ、自動車分野向けAIソリューション『Morpho Automotive Suite™』提供開始

~各種画像処理・AI製品、アプリ開発等を用途に合わせてトータルで提案~

https://www.morphoinc.com/news/20230518-jpr-mas


  • 関連製品

動きベクトル検出技術『Morpho Motion Sensor』:https://www.morphoinc.com/technology/mvec

 

  • 株式会社モルフォについて

モルフォは「画像処理/AI(人工知能)」の研究開発型企業です。高度な画像処理技術を組み込みソフトウェアとして、国内外のスマートフォン、半導体メーカを中心にグローバルに展開しています。また、カメラで捉えた画像情報をエッジデバイスやクラウドで解析する、AIを駆使した画像認識技術を車載や産業IoT分野へ提供し、様々なイノベーションを先進のイメージング・テクノロジーで実現しています。


所在地:東京都千代田区神田錦町 2-2-1 KANDA SQUARE 11階WeWork内

代表者:代表取締役社長 平賀 督基(まさき)、【博士(理学)】

設立:2004年5月26日

資本金:1,783,958千円(2022年10月31日現在)

事業内容:画像処理およびAI(人工知能)技術の研究・製品開発。スマートフォン・半導体・車載・産業IoT向けソフトウェア事業をグローバルに展開。

ホームページ:https://www.morphoinc.com/

Facebook:https://www.facebook.com/morphoinc

X:https://twitter.com/morpho_inc


  • お問合せ先

株式会社モルフォ 広報担当 大野

TEL:080-8433-3415

お問い合わせフォーム: http://www.morphoinc.com/contact

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会社概要

株式会社モルフォ

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URL
https://www.morphoinc.com
業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区神田錦町 2-2-1 KANDA SQUARE11階 WeWork内
電話番号
-
代表者名
平賀督基
上場
東証グロース
資本金
17億8395万円
設立
2004年05月