リノベーション・オブ・ザ・イヤー2024総合グランプリが決定|株式会社TOOLBOX「『ReMAKE』-既存の内装を活かす試み-」
2024年を代表するリノベーション事例が決定!
一般社団法人リノベーション協議会(東京都中央区・理事長:山本卓也)は、2024年を代表する魅力的なリノベーション事例を選ぶコンテスト「リノベーション・オブ・ザ・イヤー2024」(選考委員長:リノベーション協議会 発起人 島原万丈)の授賞式および選考委員による講評会を12月12日(木)に東京大学本郷キャンパス内にて開催し、株式会社TOOLBOX「『ReMAKE』-既存の内装を活かす試み-」が総合グランプリを獲得しました。
本コンテストでは、消費者にとって関心の高い施工費別に「800万円未満部門」「1500万円未満部門」「1500万円以上部門」「無差別級部門」の4部門を設けています。全国からエントリーされた計226作品を、リノベーションの楽しさ・魅力・可能性という点にフォーカスしてSNSを活用した一般ユーザーの声を取り入れ一次審査をし、66作品をノミネート選出。その後、住宅系メディアの編集者を中心とした8名で構成された選考委員によって最終選考を実施し、総合グランプリ、部門別最優秀作品賞4点、特別賞15点、プレイヤーズチョイスを決定しています。
受賞作品:https://www.renovation.or.jp/oftheyear/award.html
・受賞作品一覧
□総合グランプリ
「ReMAKE」-既存の内装を活かす試み-|株式会社TOOLBOX
https://www.renovation.or.jp/app/oftheyear/2024/2108
■選考委員長講評(島原万丈/LIFULL HOME’S総研 所長)
この作品の主張をひとことで言えば、「極力ゴミを出さないように作る」である。既存の内装設備で使えるものは徹底的に活かすことを前提に、解体した材を再利用し、あるいはリメイクして再生するなど、解体ではなく二次加工で空間を再構成することに挑戦した実験的プロジェクトだ。I型キッチンを切断し左官で繋いでL型に再生するなど、スケルトンに解体した後でまっさらな住空間を再構築する通常のリノベーションに比べて、現場の職人のアイデアやスキルはもちろん、なによりコンセプトへの共感なくしてはなし得ない仕事だったことは想像に難くない。
このアプローチは、最先端のサーキュラー・エコノミーのコンセプトに呼応したものと評価できる。サーキュラーとは循環を意味し、近代化以降の大量生産・大量消費・大量廃棄の産業モデルを反省し、資源の循環利用を重視して最小限の資源投入量で最大限の豊かさを得ようという考え方である。建築領域で言えば、資材の再利用(リユース・リサイクル・アップサイクル)を繰り返して廃棄物を最小化することを重視する。また建築に用いる資材は解体時にも再利用可能な素材を選び、将来的にはトレーサビリティを確保し資源の追跡管理することも模索されている。
□<800万円未満部門>最優秀作品賞
翳りの間|株式会社N’s Create.
■審査員講評(斉藤アリス/TOKOSIE編集部、ライター、モデル)
ワンルームの床や壁の素材を切り替えることでゾーニングするのは、ワンルームリノベーションのあるあるですが、床壁天井を同一素材でぐるりと囲むことで、部屋の中にもう一つ部屋をつくっているのがかっこいい。リノベーションの枠を超えた高いデザイン性を感じました。また、リーズナブルな合板を使い費用を抑えながらも、ホテルライクで上質な雰囲気を演出。一般的には費用のかかってくる天井のふかしも、木材で費用をおさえつつ、横から見た時の断面が印象的で感動しました。
□<1500万円未満部門>最優秀作品賞
感性を解き放つ、45°の秩序|株式会社grooveagent
■審査員講評(高山都/モデル)
近年の都内のマンションは本当に高くて、物件を眺めては理想を並べ夢を膨らませ、ため息をつく日々。それでも、限られた空間だって頭を傾け捻ってみれば夢は見られるのだ。 この家に大胆にひかれた45度の対角線は、こぢんまりとした部屋の可能性を大きく変えてくれた。広く見えるし、眺めも変わるし、上手に仕切りやすくなる。ワンルームを豊かに自由に開放してくれる魔法のような1本の線。アイデアに工夫とセンスを足していけば、欲張りをギュッと詰め込んだ自分だけの空間が作れる。「こうでないと」という価値観を上手に線引きすれば、都会に住む難関も、前向きにクリアに楽しく解決してくれるのかもしれない。
□<1500万円以上部門>最優秀作品賞
saṃtati(サンタティ)〜他人間相続〜|リノクラフト株式会社
■審査員講評(木村駿/日経アーキテクチュア編集長(株式会社日経BP))
思い出の詰まった家を、解体した上で手放そうとしている売り主と、物件との出会いに運命を感じ、住み継ぎたいと考える買い主。そして、すれ違う両者の思いを1つにするために、建物の調査などに奔走する設計者。「他人間相続」という目新しい言葉も相まって、そのまま映画の脚本になりそうなストーリーに心をつかまれた。リノベーションに当たっては、買い主の思いをくみ取り、内装の雰囲気をなるべく残すことを重視しつつ、耐震性や省エネ性の向上にもしっかり気を配った。見え隠れするプロの仕事が、一連のエピソードに深みを与えている。
□<無差別級部門>最優秀作品賞
soil and soul(Jam+tamtam)|Japan. asset management株式会社
■審査員講評(八久保誠子/LIFULL HOME'S PRESS編集長(株式会社LIFULL))
この建物のクライアントである財団の理念は「雲孫世代まで跨がる、社会と共創する熟達」だという。「雲孫」とは8代後の孫のこと。現代も含めて9世代をつなぐことのできる建物であることが求められた。日本最高基準の断熱が施され(離れ)、外の部材は杉の無塗装、経年変化も楽しめ自然と共生する建物として設計されたこの建物。杭から雨水が地に還元されるという近年の大雨被害にも配慮した工夫が凝らされている。さまざまに考えられ、技術がいかされたリノベーションでありながら、緻密というよりは、糸島の風景と相まってどこか悠々とした時間の流れとゆとりを感じられる。美しい風景とともに世代を跨って愛される建物となるだろう、と思わせてくれるリノベーションである。
<特別賞>
□わくわく空間創造リノベーション賞
7帖に作る3つの秘密基地|株式会社i-Plain
□地域文化再生賞
続・小倉昭和館~在り続けるということ~|株式会社タムタムデザイン
□空間アップデート・リノベーション賞
「0LDKの我が家を、大切に住み続けたくて」|株式会社ニューユニークス
□アンティークドリブン・リノベーション賞
遊郭建具と暮らす|株式会社サンリフォーム
□パノラミックグリーン・リノベーション賞
緑映える、心整う。| 株式会社NENGO
□実家アネックス・リノベーション賞
納屋に住む。|有限会社斉藤工匠店
□ベビーフレンドリー・リノベーション賞
『mama to co ROOM』|株式会社日々と建築
□シングルライフ・リノベーション賞
独りがなんだ|株式会社コスモスイニシア
□ミニマリズム・リノベーション賞
時代を超えた賃貸 『2001年宇宙の旅』|イー・ワークス株式会社
□手仕事リノベーション賞
手仕事と無垢材に敬意を払う|有限会社ひまわり
□街かどリノベーション賞
地主さん「街かどリノベ」はじめませんか。「こはらだあぜみち」|株式会社ブルースタジオ
□イノベーティブプランニング賞
廊下が主役の家|株式会社NENGO
□職住一体リノベーション賞
日本初?職住一体に特化した小商いアパート|株式会社エコラ
□ローカルヘリテージ・リノベーション賞
地域資産を、住み継ぐ。|株式会社しわく堂
□ディスカバリング・リノベーション賞
埋もれた魅力再発見!「住み育てた家」の美しさ|G-FLAT株式会社
<プレイヤーズチョイス>
納屋に住む。|有限会社斉藤工匠店 ※特別賞でも入賞
・選考委員長総評
選考委員長
島原 万丈/株式会社LIFULL
LIFULL HOME'S総研 所長
コロナ禍の時にも明らかになったように、リノベーションは時代の社会的変化からの要請に小回りよくレスポンスできる。そういう視点で見れば、今年のリノベーション・オブ・ザ・イヤーは、不動産価格の高騰と建築工事費の高騰というユーザーの二重苦に必死に対応しようと奮闘した作品が多かったことが見えてくる。コストを抑えつつも魅力的な空間をつくるための提案が印象的だった。また、もう一つ印象的なのは再販モデルにおけるデザインの進化である。市場の競争激化と顧客層の広がりがリノベ済み再販マンションのレベルを急速に引き上げていることは間違いない。
(選考委員講評全文はこちら↓)
https://www.renovation.or.jp/oftheyear/award.html
・選考委員
選考委員長:
島原 万丈/ LIFULL HOME'S総研所長(株式会社LIFULL)
選考委員(五十音順・敬称略):
池本 洋一/SUUMO編集長(株式会社リクルート)
君島 喜美子/リライフプラス編集長(株式会社扶桑社)
木村 駿/日経アーキテクチュア編集長(株式会社日経BP)
徳島 久輝/RoomClip住文化研究所 特任フェロー(ルームクリップ株式会社)
八久保 誠子/LIFULL HOME'S PRESS編集長(株式会社LIFULL)
ゲスト選考委員:
斉藤 アリス/TOKOSIE編集部、ライター、モデル
高山 都/モデル
一般社団法人リノベーション協議会について
消費者が安心して既存住宅を選べる市場をつくり、既存住宅の流通を活性化させることを目的に、2009年7月に発足したリノベーション業界団体です。現在、業界・業種の枠を超えた774社(正会員574社、賛助会員182社、特別会員5名・9法人・4自治体)が参画し、優良なリノベーションの統一規格「適合リノベーション住宅」を定め、建物タイプ別に品質基準を設定、普及浸透を推進しています。区分所有マンション専有部に関する品質基準を満たす「R1住宅(アールワンジュウタク)」、区分所有マンション共用部も含む品質基準「R3住宅(アールスリージュウタク)」、戸建住宅の品質基準「R5住宅(アールファイブジュウタク)」が運用されており、適合リノベーション住宅発行件数は、累計74,918件(2024年3月31日現在)。2022年6月からは、R1住宅エコ基準も運用開始し、地球環境にもやさしいリノベーションの普及を目指します。
また、2022年より中古住宅流通とリノベーションの提供に必要な知識を総合的に学ぶことができる新たな資格制度「リノベーションコーディネーター資格制度」を創設。リノベーション業界に関わる人材の知識や技術の底上げや、他業界からの転職、新卒採用等、採用機会の拡大や人材定着につなげ、中古住宅の流通とリノベーションの活性化に寄与してまいります。
名称 :一般社団法人リノベーション協議会
理事長:山本 卓也
設立 :平成21年5月20日
住所 :東京都中央区京橋1-1-5 セントラルビル13F
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