めぶきフィナンシャルグループで「審査AIサービス」の実務適用開始

住宅ローン・無担保ローン案件の7割をAIで自動審査

株式会社三菱総合研究所

2023年12月8日 13時26分

株式会社三菱総合研究所（本社：東京都千代田区、代表取締役社長：籔田健二、以下 MRI）は、12月13日から株式会社めぶきフィナンシャルグループ（本社：東京都中央区、代表取締役社長：秋野哲也、以下めぶきフィナンシャルグループ）に「審査AIサービス」の実務への提供を開始し、審査業務のDXを支援します。

1. 経緯

MRIとめぶきフィナンシャルグループは、2021年から、めぶきフィナンシャルグループである株式会社常陽銀行と株式会社足利銀行の住宅ローンおよび無担保ローン（マイカーローン・教育ローン）において、めぶき信用保証株式会社が取り扱う案件の審査業務を対象に、MRIが提供する「審査AIサービス」の導入に向けた取り組みを進めてきました※1。

2022年11月からはサービスの利用に向けたシステム開発・受入テストを実施し※2、受入テスト期間中の受付案件に対するリアルタイムでのAIモデルの判別精度評価、および審査AIシステムの稼働安定性評価を行ってきました。

AIモデルは想定通りの安定した判別精度を記録し、70%以上の案件の自動化が見込める結果となりました。審査AIシステムはサービス稼働率100%、平均応答時間2秒以内を記録し、「審査AIサービス」で規定するサービスレベル※3の基準を満たす結果となりました。

受入テストを通じて、十分な稼働安定性が確認できたため、12月13日から本サービスの実務適用を開始する運びとなりました。

2. 審査AIサービスの概要

MRIが提供する「審査AIサービス」は、従来、人間（審査官）が行っていた審査の諾否判定（融資可否の判断）を学習したAIモデルを搭載した「審査AIシステム」を、金融機関のローン審査システムに連携させることで、審査の自動化を促進し審査業務のDXを支援します。

(1) 特長

申し込みを受け付けた各案件に対して、AIモデルによって承認確率を算出し、この値に応じて業務フローを制御。全体の50％～80％程度の案件について人間の審査を介さずに自動かつリアルタイムでの承認回答が可能
AIモデルは、諾否判定に必要な全ての情報を用いて各金融機関のクレジットポリシーを再現するため、従来の信用スコアリング＋システム上のルールチェックによる方式等より大幅に自動化率が向上
MRIが提供する「審査AIシステム」と金融機関側のローン審査システムの連携はAPI※4によって行われるため、ローン審査システム側の開発はインターフェースなどの小規模な改修のみ。現実的な時間とコストでAIモデルの導入が可能
金融機関ごとに独立した「審査AIシステム」を構築するため、AIモデルのモニタリングやメンテナンスが行いやすく、高い保守性を実現

(2) 導入実績

銀行、保証会社含め複数の金融機関への導入実績があり、住宅ローンから無担保証貸ローン、カードローンなど、あらゆるリテールローン商品に対応し、審査業務の効率化、高度化を実現しています。

目指す姿

出所：三菱総合研究所