ビル用マルチエアコン室外ユニット「グランマルチ」シリーズ新製品発売

業界最高クラスの伝熱性能を実現した新型熱交換器を搭載し省エネ性を向上、脱炭素化に貢献

三菱電機株式会社

    ビル用マルチエアコン室外ユニット「グランマルチ」シリーズ

 三菱電機株式会社は、ビル用マルチエアコンの新製品として、業界最高クラス(※1)の伝熱性能を実現した新型熱交換器「鉛直アルミ扁平管熱交換器(※2)(VFT(※3)熱交換器)」を搭載し、新形状ファンや新デザインの筐体の採用で省エネ性が向上したビル用マルチエアコン室外ユニット「グランマルチ」シリーズ全15機種を2024年9月に発売します。P224形(8馬力相当)では業界最高クラス(※1)の室外ユニット冷暖平均定格COP(※4) 4.55を達成するなど省エネ性の向上に加え、全機種にR32冷媒を新採用するなど、カーボンニュートラルの実現に貢献します。

 近年、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラルの達成目標や持続可能な社会の実現に向けて、ビルや商業施設等で消費されるエネルギーの大半を占める空調機においては、さらなる省エネ性の向上が求められています。また、空調機に使用される冷媒は、地球温暖化防止の観点からフロン排出抑制法(※5)においてHFC冷媒の生産量・消費量の削減が定められており、ビル用マルチエアコン(新設用・冷暖切換タイプ)では、2025年4月よりGWP(※6)を750以下とすることが義務付けられています。さらに、労働人口の減少や、2019年4月の労働基準法改正により設定された労働時間の上限規制の猶予期間が原則終了する「2024年問題」に伴う人手不足が、建築業や保守・管理業でも課題になっており、空調工事においても施工のさらなる効率化が求められています。

 当社は今回、業界最高クラス(※1)の伝熱性能を実現した新型熱交換器「VFT熱交換器」の搭載と、新形状ファンや新デザインの筐体などを採用することで、P224形(8馬力相当)の室外ユニット冷暖平均定格COPが当社従来品に比べて12%向上(※7)したビル用マルチエアコン「グランマルチ」シリーズを発売します。省エネ性の向上に加えて、フロン排出抑制法に準拠した指定製品化に対応するR32冷媒(GWP:675(※8))の採用により、カーボンニュートラル実現に貢献します。さらに、従来の同等能力機種比較で設置面積の削減を実現した新デザインの筐体や、設置やメンテナンス時の作業効率を向上させる新構造を採用したことで、建築業や保守・管理業における業務効率化や人手不足の社会課題解決にも貢献します。

■新製品の特長

1.業界最高クラス(※9)の伝熱性能を実現した新型熱交換器搭載などで省エネ性を向上

・冷媒ガスと冷媒液を均等に混合する二重管構造の高性能冷媒分配器により、微細な冷媒流路で構成されるアルミ扁平管を高密度に多数実装可能としたことで、従来の水平アルミ扁平管熱交換器(HFT(※10)熱交換器)と比べて、伝熱性能が最大で約40%向上し、業界最高クラス(※9)の伝熱性能を実現した「鉛直アルミ扁平管熱交換器(VFT熱交換器)」を搭載

・新型熱交換器(VFT熱交換器)の搭載に適した新デザインの筐体や新形状のファンなどを採用することで、P224形(8馬力相当)で当社従来品に比べて12%の室外ユニット冷暖平均定格COPが向上(※11)。P224形(8馬力相当)では業界最高クラス(※9)のCOP4.55を実現し、BEI値(※12)の改善に貢献し、ZEB(※13)の実現に寄与

・筐体内の吸込流れに適したファン形状を抽出できる流体解析手法により、羽根の内周側まで効率よく利用できるファンを搭載。新形状のファン等により、ファンの外周に生じる渦を抑制し、運転音を当社従来品に比べて2.5dB低減(※14)

<新型熱交換器(VFT熱交換器)、新形状ファン、新デザインの筐体>

<室外ユニット容量別冷暖平均定格COPの新旧比較表>

2.フロン排出抑制法に対応したR32冷媒の新採用と使用冷媒量を削減、冷媒漏えい対策部材を新規ラインアップ

・フロン排出抑制法に準拠した指定製品化に対応するR32冷媒(GWP:675)を新採用

・VFT熱交換器の搭載により、従来のHFT熱交換器と比べて内容積を最大で20%削減したことで、室外ユニット封入の冷媒量を18%削減(15)

・日本冷凍空調工業会が2016年9月に制定した「微燃性(A2L(※16))冷媒を使用した業務用エアコンの冷媒漏えいの安全確保のための施設ガイドライン:JRA GL-16」に基づく冷媒量の制限(※17)が満たせない場合の対応手段の1つとして設置が必要となる遮断装置「遮断弁キット」(別売)を同時発売で新規ラインアップ。万が一冷媒が漏えいした際には、冷媒漏えい検知器との連動により、遮断弁を作動させることで冷媒漏えいを抑制することが可能

・冷媒漏えいをお知らせする警報器をMAスマートリモコン「PAR-46MA」(2024年5月発売予定)に搭載することで、警報器の別置き設置が不要

<遮断弁キットの使用イメージ>

3.新構造の採用により、設置面積の削減と設置・メンテナンス時の作業効率を向上

・新デザインの筐体の採用で、P224形(8馬力相当)は当社従来品の同等COP性能機種と比較して、設置面積を25%削減(※18)。設置場所の自由度が拡大

・室外ユニットの制御基板上に7セグメントディスプレイを標準搭載し、異常コードや運転状態の確認が可能。従来では別途設置が必要だった別売の専用部材を不要としたことで、試運転や定期点検・メンテナンス時の省力化を実現

・同時発売の「高調波抑制(※19)アクティブフィルター」(別売)を室外ユニット前面への配置としたことで取付作業性が向上。従来品に比べて1台当たり約9分の作業時間を短縮(※20)。また、前面配置により、定期点検・メンテナンス作業時の視認性が向上し、作業負荷を軽減

・従来室外ユニットに防雪フードを設置する際に必要だった、樹脂製のベルマウスへの貫通穴の追加工事を不要とすることで、従来品に比べて1台当たり約9分の作業時間を短縮(※21)

<制御基板7セグメントディスプレイ表示イメージ>

<高調波抑制部材アクティブフィルターの取付性向上>

■その他の同時発売製品について

1.シティマルチY GR 高効率EXシリーズ

・省エネ型のスタンダードタイプとしてラインアップしている「シティマルチY GR 高効率EX」シリーズ全22機種を同時発売

・VFT熱交換器の搭載に適した新デザインの筐体や新形状のファンなどを採用することで、P224形(8馬力相当)で当社従来品に比べて16%の室外ユニット冷暖平均定格COPが向上(※22)

・フロン排出抑制法に準拠した指定製品化に対応するR32冷媒(GWP:675)を新採用し、カーボンニュートラルの実現に貢献

2.シティマルチY GR 高効率シリーズ

・スタンダードタイプとしてラインアップしている「シティマルチY GR 高効率」シリーズ全22機種を同時発売

・フロン排出抑制法に準拠した指定製品化に対応するR32冷媒(GWP:675)を新採用し、カーボンニュートラルの実現に貢献

3.Fitマルチシリーズ

・横吹き形の室外ユニットで、狭いスペースにも配置可能な「Fitマルチ」シリーズ全9機種を同時発売

・フロン排出抑制法に準拠した指定製品化に対応するR32冷媒(GWP:675)を新採用し、カーボンニュートラルの実現に貢献

・「JRA GL-16」に基づく冷媒量の制限(※16)が満たせない場合の対応手段の1つとして必要となる遮断装置を室外ユニットに内蔵。遮断装置の設置工事が不要

・P80~P160形は、ユニットの高さ寸法を現行の1338mmから981mmへ小型化を実現。運搬性の向上とともに、ベランダ等の狭いスペースにも設置可能

ビル用マルチエアコン 室外ユニット 「シティマルチY GR高効率EX」シリーズ
ビル用マルチエアコン 室外ユニット 「シティマルチY GR高効率」シリーズ
ビル用マルチエアコン 室外ユニット 「Fitマルチ」シリーズ

■発売の概要

■商標関連

■環境への貢献

・省エネ性能向上によるCO2排出量の削減により、カーボンニュートラル実現に貢献

・R32冷媒の採用により温暖化係数を抑制、地球温暖化防止に貢献

※1 2024年1月24日現在、当社調べ。ビル用マルチエアコン冷暖切換機種において

※2 2023年11月1日発表。https://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2023/pdf/1101-a.pdf

※3 VFT:Vertical Flat Tubeの略。当社独自の呼称

※4 室外ユニット冷暖平均定格COPは、室外ユニット冷房定格COPと室外ユニット暖房定格COPの平均の値。COPはエネルギー消費効率Coefficient Of Performanceの略。以下の計算式で算出される
室外ユニット冷房定格COP=冷房定格能力(kW)÷冷房定格室外消費電力(kW)
室外ユニット暖房定格COP=暖房定格能力(kW)÷暖房定格室外消費電力(kW)

※5 正式名称「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」(平成27年4月1日施行)。廃棄時のフロン回収率向上のため、違反者への直接罰の導入などを含めた改正を実施(令和2年4月1日施行)

※6 Global Warming Potentialの略称。CO2の何倍の温室効果を有するかを表す値

※7 新製品:PUHY-GMP224FMの室外ユニット冷暖平均定格COP 4.55と
従来品:PUHY-GP224DMG7の室外ユニット冷暖平均定格COP 4.06の比較

※8 IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)の第4次値

※9  2024年1月24日現在当社調べ、ビル用マルチエアコン冷暖切換機種において

※10 HFT:Horizontal Flat Tubeの略。当社独自の呼称

※11 新製品:PUHY-GMP224FMの室外ユニット冷暖平均定格COP 4.55と
従来品:PUHY-GP224DMG7の室外ユニット冷暖平均定格COP 4.06の比較

※12 BEI(Building Energy Index)設計一次エネルギー消費量÷基準一次エネルギー消費量の値
数値が小さいほど、省エネ性能が優れた建物であることを示す

※13 Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略称

※14 新製品:PUHY-GMP224FMの運転音 76dBと従来品:PUHY-GP224DMG7の運転音78.5dBとの比較

※15 新製品:PUHY-GMP224FMの冷媒量5.3kgと従来品:PUHY-GP224DMG7の冷媒量6.5kgとの比較

※16 低毒・微燃性の特性を表す。毒性の高低および燃焼性によってランク分けされ、
A:低毒性、2L:微燃性を示す

※17 システム全体における封入冷媒量が居室に流れ込んだ場合における平均濃度がLFL(Lower Flammability Limit 燃焼下限界濃度)の1/4を超える場合においては、安全対策が必要

※18 新製品:PUHY-GMP224FMの室外機のユニット幅910mm×奥行740mmと
従来品:PUHY-SGP224DMG7の室外機のユニット幅1220mm×奥行740mmの比較

※19 交流の基本波に対する整数倍の周波数成分をもつ波形を指し、高調波成分によって皮相電力の増加等が生じるリスクがありますが、当社インバーター機種は全て直流リアクトルを標準搭載することで高調波対策を実施しております。また特定需要家において「高圧または特別高圧需要家の高調波抑制ガイドライン」の限界値を超えるケースがあり、設備側で対策ができない場合を想定し、アクティブフィルター(別売部品)を用意

※20 アクティブフィルタ取付の作業時の比較。新製品:PUHY-GMP224FMでは24分、従来品:PUHY-GP224DMG7では33分。当社従業員の作業時間であり、時間は目安

※21 穴貫通追加工工事の作業時の比較。新製品:PUHY-GMP224FMでは追加工作業無し、従来品:PUHY-GP224DMG7では9分。当社従業員の作業時間であり、時間は目安

※22 新製品:PUHY-EMP224FMの室外ユニット冷暖平均定格COP 4.46と
従来品:PUHY-EP224DMG9の室外ユニット冷暖平均定格COP 3.82の比較

 

<お客様からのお問い合わせ先>

三菱電機株式会社 冷熱システム製作所 営業部 パッケージエアコン営業課

〒640-8686 和歌山県和歌山市手平6丁目5番66号

TEL 073-436-9815

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会社概要

三菱電機株式会社

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URL
https://www.MitsubishiElectric.co.jp/
業種
製造業
本社所在地
東京都千代田区丸の内2-7-3 東京ビル
電話番号
03-3218-2111
代表者名
漆間 啓
上場
東証プライム
資本金
1758億2077万円
設立
1921年01月