【医師アンケート調査】「高額薬剤は使用制限すべきか?」について、医師の約9割は「制限すべき」と回答

メドピア株式会社

医師10万人以上(国内医師の3人に1人)が参加する医師専用コミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」(https://medpeer.jp)を運営するメドピア株式会社(東京都渋谷区、代表取締役社長:石見 陽)は、会員医師を対象に、「高額薬剤は使用制限すべきか?」についてのアンケートを実施いたしました。以下、結果をご報告します。

 



■サマリー

  • 「高額薬剤は使用制限すべきか」の質問に対し、4,199人の医師が回答した。結果、「制限すべき」と回答した医師は51.7%、「制限すべきだが、実際には難しい」と回答した医師は35.5%であり、合わせて約9割の医師が「制限すべき」という意見であった
  • 「制限すべき」という回答には、「医療経済、国民皆保険を維持するためには制限が必要」という理由が大半であり、「高額な薬剤は、自己負担額を増やしたり民間の保険でカバーすべき」「費用対効果を十分に検討すべき」というコメントが多く見られた。
    「制限すべきだが、実際には難しい」という回答には、「必要な患者を判断するのが難しい」「患者や世間からの理解が得られないだろう」という声が見られた。
  • 「制限すべきではない」と回答した医師はわずか4.7%であった。コメントには、「現場で医師が適用対象を制限するのは難しい。薬価などで調整すべき」という声が見られた。

 ■回答コメント(一部を抜粋)

 「制限すべき」  2,171件
・一部の利益のために全体の資源を食い潰して医療が受けられない人が出てくるのは問題だと思う。患者としては藁にもすがる思いなので薬自体は否定できない。民間の保険でカバーするのがベターだと思う。(30代、整形外科・スポーツ医学)
・薬価の引き下げ、効果のある患者層の見極め、残薬の別患者への使用等も行ったとしても、使用制限は仕方ないでしょう。根治できるならともかく、できませんし。これからどんどん高額な薬が出てくることを考えると、今のうちに何とかしないと本当に救える患者が救えなくなりそうです。(40代、放射線腫瘍科)
・どうしても必要なケースは限られており、代替薬、方法はある。医療経済的に考えれば安易に高額な薬剤を使用するべきではない。医師もコストパフォーマンスを考えて処方するべきである。(40代、耳鼻咽喉科)
・高額なものに関しては一部実費かそれ用の保険で賄うべき。国民が一律に負担するのは時代錯誤。国民皆保険の原点であるドイツでも一部はプライベート保険になっており保険料を多く負担した人はいい医療を受けられるようになっている。最低レベルの医療を保証し、それ以上を望むのであれば格差が生じても仕方ない。(40代、循環器外科)
・限られた予算を有効に使うべきで、財政破綻するような使い方はすべきでない。そのためには制限は当然。命のためなら金に糸目はつけないという時代ではない。どうやって制限するかは難しいが、高齢者の医療費を増やすべきではない。(40代、一般内科)

「制限すべきだが、実際には難しい」  1,492件
・高額薬剤を制限することは、実際の臨床の場では困難だと感じている。長期生存が可能かもしれない選択肢があるのにそれを提示しないのは犯罪に近い。年齢等で制限するのも困難。自己負担金額を増やすのが良いと思うが、日本国民が受け入れるか疑問。(50代、呼吸器内科)
・本当に必要な症例だけに使用を限る必要があると思うが、この見極めや承認が保険診療上、難しいだろう。(60代、産婦人科)
・制限しないと立ち行かなくなることは明らかですが、高額療養費制度に手を付けるのか、薬価自体をどうにかするのか、適用を厳しくするのか、年齢制限を付けるのか等々、それぞれ賛否両論出そうで、簡単にまとまりそうにはありません。(50代、皮膚科)
・効果のある薬の効果をできるだけ多くの患者が享受できるように工夫が必要。ある程度の薬価がつかないと新しい薬剤開発ができない。そうなると薬剤効果を享受できない。保険の破綻も薬剤効果の享受にマイナス効果。そのバランスが大切。(50代、一般内科)
・婦人科がんにおいても分子標的薬の投薬を、金銭的負担から諦める症例があります。実際にはそういった形で事実上制限がかかっている実態もあると思います。国民皆保険の根幹にかかわる非常に難しい問題であると思います。(40代、産婦人科)

「わからない」  340件
・巨額の税金が必要とされるのでしょうが、望みがあるのなら患者さんは使用したいと思うのでは、と思うと、制限すべきかどうか、私にはわかりません。(40代、健診・予防医学)
・何でもかんでも保険がきけばベストですが、ではそのための現実的なコストはどこから?の答えがない限り答えはありません。(40代、小児科)
・他の国のように、当初薬価を低く設定し、効果があれば薬価を上げるようにすればいいような気がするのですが。(30代、整形外科・スポーツ医学)
・開発にも莫大な費用がかかっているだろうし、それを回収できなければ、新薬の開発は困難となるでしょうし・・・。(40代、一般内科)

「制限すべきではない」  196件
・医師には最善の治療を行う義務があり、患者はそれを受ける権利がある。薬剤費、医療費は、適正に設定すべきです。(60代、一般内科)
・有効性と対象患者が明らかならば使用制限はすべきではない。むしろ低額で有効性に疑問があり、大量に使用されている薬剤を使用制限や保険不適用にすべきである。(50代、小児科)
・こういう決められる値段の問題は、医療の現場でなく、医療経済の場で調整すべきで、医師はベストを尽くしたいのが本音では。(50代、産婦人科)
・現状では制限すべきではないと考えますが、適応が広がれば、薬価の引き下げや、適応拡大後の効果や副作用等の発現状況で使用制限も検討すべき状況になると思われます。(50代、腎臓内科・透析)

■調査概要
調査期間:2016/9/5 ~ 2016/9/11
有効回答:4,199人(回答者はすべて、医師専用コミュニティサイトMedPeerに会員登録をする医師)
調査方法:MedPeer内の「ポスティング調査」コーナーにおいて、医師会員からご投稿頂いたテーマをもとに、以下の質問を投げかけました。
厚生労働省は高額薬剤への緊急的な対応として、抗PD-1抗体「オプジーボ」について薬価の引き下げを含む検討を開始しました。
高額薬剤が今の皆保険制度でいつまでも使えるはずもないことは、医師であれば誰しもわかることだと思いますが、先生方は「高額薬剤の使用制限」についてどのようにお考えですか?
 
1. 制限すべき
2. 制限すべきだが、実際には難しい
3. 制限すべきではない
4. わからない


■記事引用時のお願い
・ž医師専用コミュニティサイト「MedPeer」調べ、と明記ください。
・WEB上での引用に際しましては、「MedPeer」にhttps://medpeer.jpへのリンク付与をお願い致します。


【メドピア株式会社について】
・社名:メドピア株式会社( https://medpeer.co.jp 
・代表者:代表取締役社長 石見 陽 (医師・医学博士)
・設立:2004年12月
・運営サービス:医師専用サイト「MedPeer(メドピア)」( https://medpeer.jp 

メドピア株式会社は、「Supporting Doctors, Helping Patients.」を理念として、現在10万人以上の医師(国内医師の3人に1人)が参加する医師専用サイト「MedPeer」を運営しています。医師同士が臨床現場で得た知見を「集合知」として共有する場を提供することで、医師の診療を支援するとともに、MedPeerの医師会員および集合知を源泉として、製薬企業をはじめとした企業に対して医師向けのマーケティング支援サービスを提供しています。

【お問い合わせ先】
メドピア株式会社 広報担当 藤野
電話:03-6447-7961 | メール:pr@medpeer.co.jp
 

すべての画像


ビジネスカテゴリ
医薬・製薬医療・病院
ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

メドピア株式会社

92フォロワー

RSS
URL
https://medpeer.co.jp/
業種
医療・福祉
本社所在地
東京都中央区築地1-13-1 銀座松竹スクエア8階
電話番号
03-4405-4905
代表者名
石見 陽
上場
東証プライム
資本金
-
設立
-