ソーラーシェアリングにおける太陽光パネルの最適な配置を実現する日射量推定機械学習モデルを東京大学大学院と共同で構築
ソーラーシェアリングは、農地として耕作を行いながら太陽光パネルを設置して発電を行うもので、土地を有効活用できることで注目を集めています。JDSCは、この事業を普及・展開するため、東急不動産株式会社をはじめとする12社と連携し、同社保有の実証施設「リエネソーラーファーム東松山」にて、共同で実証実験を実施しています。実証の一環として、JDSCは「作物の特性に応じたパネル配置の最適化」を目的とし、パネル配置パターンを考慮した日射量推定モデルを構築しました。
作物の特性に応じたパネル配置の最適化には、パネル下に届く日射量を確実に推定することが重要である一方、現在は日射量を推定する手法は確立されておらず、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公開する遮光率の計算式を用いて、日射量そのものではなく「遮光度合い」を数値化することが一般的です。しかし、本計算式は、パネル設置面積と設置外周面積(設置する土地全体の面積)の割合を用いる単純な式であるため、太陽の動きによる日射量の変化やパネル配置パターンによる影響は考慮されていません。これに着目したJDSCは、「太陽の動きおよびパネル配置パターンを考慮して日射量を推定するモデル」を構築するために、実証地に設置した5つのパネル配置パターンにおいて日射量の実測を行い、この実測値を用いて日射量推定モデルの構築を行いました。モデルは、固定係数モデル(太陽の動きのみを考慮)、ルールベースモデル(太陽の動きに加えパネル配置を一部考慮)、機械学習モデル(太陽の動きとパネル配置を考慮)の3つを構築し、精度検証を行った結果、機械学習モデルが最も精度が高いことを検証しました。
JDSCは、本研究成果を東京大学大学院情報学環 越塚登研究室の協力のもと「Forecasting Insolation Shaded by Solar Panels for Optimal Layout in Agrivoltaic System(営農型太陽光発電における最適なパネル配置のための日射量予測モデルの構築)」として、2023年10月に奈良県で開催される「2023 IEEE 12th Global Conference on Consumer Electronics (IEEE GCCE 2023)」で論文発表します。
本研究成果により、作物の特性に応じたパネル配置の最適化を可能にすることで、より効率的で生産性の高いソーラーシェアリングを実現し、農業課題の解決に貢献することを目指します。
■論文概要
Title:「Forecasting Insolation Shaded by Solar Panels for Optimal Layout in Agrivoltaic System
(営農型太陽光発電における最適なパネル配置のための日射量予測モデルの構築)」
Author:Yusuke Sasaki, Tamae Itabashi, Takeo Hamada and Noboru Koshizuka
■株式会社JDSCについて https://jdsc.ai/
JDSCは、物流最適化や需要予測、フレイル検知や教育など、基幹産業を中心とした幅広い分野で、一気通貫型の高付加価値なAIソリューションを提供しています。アルゴリズムモジュールの開発とライセンス提供事業、ITシステムの開発と運用事業、データサイエンスに関するビジネスマネジメント事業を行い、業界全体の課題解決にAIを活用し、日本の産業のアップグレードを目指しています。
《JDSCの3つの特長》
1. AIアルゴリズムに関する技術面での豊富な知見
2. AIによる解決策の提示から実行まで一気通貫で支援するビジネス面での高い執行能力
3. 大手企業との共同開発と産業横展開を両立する生産性の高いビジネスモデル
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