品川区都市ブランド「しあわせ多彩区」誕生──品川区とヘラルボニーの協働、NEWPEACEがプロデュース
区民と共に描いた、品川区の未来像──「選ばれ続ける街」を実現するためのブランド戦略から、その想いを形にするクリエイティブまで、一貫してプロデュース
これまで富山県や長野市などの自治体ブランディングを手がけてきた株式会社ニューピース（代表：高木新平）は2025年4月、品川区とともに、都市ブランド「しあわせ多彩区」をプロデュースしました。
区民3,538名の声に耳を澄ましながら、持続可能な地域のブランド価値を戦略として設計。40万人を超える人々が暮らし、東京23区の中でも人口規模で上位に位置する品川区の未来を描きました。
ブランド戦略に基づき、ロゴ、キーアート、メッセージの制作に参画いただいたクリエイティブ・パートナーは、「異彩を、放て。」をミッションに掲げる株式会社ヘラルボニー（以下、ヘラルボニー）。
「それぞれの個性が尊重される寛容で多様な街」を目指す品川区の想いと、ヘラルボニーの理念が共鳴し、共感を土台とした真の共創が生まれました。
「選ばれ続ける街」品川区へ。都市ブランディングの背景
生活スタイルが変化し、自分にあった居住地や働き方を比較的自由に選べるようになり、多様なニーズが存在する現代。品川区では未来に渡って「選ばれ続ける街」を目指すため、都市ブランディングの取り組みを始めました。品川区だけでなく、区民や企業、団体など品川区に関わるすべての人と共に、理想とするまちの姿を共有することで、「品川区だから良い」という価値観を醸成する必要があると考えました。
プロジェクトを進めるにあたって、「選ばれ続ける街」とは何かを、区民の方々と考えることから始めました。
区民の声を通じて明らかになった未来の品川区
都市ブランディングを進めるにあたり、品川の魅力を未来に向けて再構築するため、様々な分野で活躍する区民や品川に関係する3,540名以上の人々に、実現したい未来の品川の姿についてアンケートやヒアリングを実施。
調査を通じて、代々受け継がれてきた昔ながらの文化や慣習と、新しく生み出された個性的な魅力が調和しながらも、時代に合わせてアップデートを重ねてきた街、という品川区の姿が浮かび上がってきました。また、「それぞれの個性が尊重される寛容で多様な街」を望む声が多く寄せられ、幾度となく変化してきた街だからこそ、互いの違いを受け入れる寛容さや、意思を尊重しあえる多様性の基盤が育ってきたことを活かしたブランディングが求められていると考えました。
ブランドメッセージとロゴ
区民の声を通して定義した、品川区が目指す未来像を広く共有するため、「異彩を、放て。」をミッションに掲げ、障害のイメージ変容と新たな文化の創出を目指すクリエイティブカンパニー・ヘラルボニーとの共創により、メッセージとデザインで表現しました。
メッセージには、あらゆる人が自分らしく生きがいを感じ、それぞれの個性が尊重される、寛容で多様なまちを目指す品川区の思いを込めています。どんな違いがあったとしても、互いに理解し、補い合うことのできるまち。歴史ある文化と新たな価値が共存し、誰もが自分自身の可能性を活かし、その自然体な個性を発揮できる社会の実現を目指します。
〈ブランドメッセージ〉
デザインは、品川区を縁取った形に、様々なラインが施されています。交通の要所として栄えてきた品川区において、東西南北から人やものが集まり、交流が起こりながらも、それぞれの色が尊重されるまちをイメージしています。背景となるアート作品は、品川区のビジョンと親和性が高い作家・岡部志士氏がオリジナルで制作しました。まるでモザイクアートのように、鮮やかな色が折り重なる様子が、品川区の地域ごとに個性が異なる価値、そしてそこから生み出される多様性を表現しています。
〈オリジナルアートによるロゴ〉
起用アーティスト 岡部 志士 Yukihito Okabe
希望の園（三重県）
1994年生まれ。自閉症。まつさかチャレンジドプレイス希望の園在籍。クレパスを塗って面を創り、色を消すようにニードルで削ってできたクレパスのカスを集めて、粘土のようにして遊びながら作品を創る。最近ではボードやキャンバスに、クレパスにポスターカラーを加え着色した面をニードルで削るといったように、制作方法にも幅がでてきている。実はその削りカスを集めてできたかたまり（本人はコロイチと呼んでいる）こそが本人にとって本当の作品であり、結果としてできた絵画はただの削り残したカスであり興味はない。
制作チーム
Client: 品川区 区長室戦略広報課
Producer: Izumi Nakashima（NEWPEACE）
Creative Director：Shintaro Tanno（ヘラルボニー）
Business Producer：Koji Kameyama（ヘラルボニー）
Project Manager: Ayusa Haga（NEWPEACE）
Production Manager：Shizu Oka（ヘラルボニー）
Artist: Yukihito Okabe（希望の園）
Copy Writer: Daisuke Tamura / Maiyu Takeuchi（PARK Inc.）
Art director：Atsushi Morita（Paper Parade,inc）
Designer：Yuriko Wada（Paper Parade,inc）
Project Advisor: Ryo Masuzawa（NEWPEACE）
へラルボニーについて
「異彩を、 放て。」をミッションに、福祉を起点に新たな文化の創出を目指す、クリエイティブカンパニー。国内外の主に知的障害のある作家とライセンス契約を結び、アートをプロダクト化する自社ブランド「HERALBONY」の運営をはじめ、さまざまな形で異彩を社会に送り届け福祉領域の拡張を見据えた多様な事業を展開。
ニューピースの地域プロデュースについて
NEWPEACEは創業以来、公共領域のブランディングに取り組んできました。省庁との取り組みに加えて、富山県、茨城県、長野市、福岡市、敦賀市などの地方行政や、鹿島アントラーズを中心とする茨城県鹿行地域のまちづくりなど多岐に渡ります。外の目線を持ちながら、地域プレイヤーたちをコミュニティとして巻き込みながら、唯一無二の価値を育て、世界から選ばれる地域ブランドの確立を目指しています。
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