【A.T. カーニー調査】 2025年 海外直接投資信頼度ランキング

米国が首位、日本は順位をあげ4位へ

KEARNEY

※ 本プレスリリースは、2025 年4 月8日(現地時間)にKearney より米国で配信された英語版の抄訳です。

経営コンサルティング会社A.T. カーニー(グローバル・ブランド名はKEARNEY)のマクロ経済部門シンクタンクであるグローバル・ビジネス・ポリシー・カウンシル(米国バージニア州アーリントン、以下GBPCと称す)は、「2025年 海外直接投資信頼度指数(The 2025 Kearney Foreign Direct Investment Confidence Index®、以下FDICI)調査結果を公開し、投資先として魅力のある国上位25カ国を発表しました。
今年も米国が首位の座を維持し、日本は昨年より順位を上げ4位でした。

今年で27年目を迎える当調査は、将来の海外直接投資(FDI)における投資家心理をまとめたもので、2024年に世界で相次いだ大型選挙とそれに伴う主要経済国の指導者交代という世界的な転換期を迎えた今年1月に実施されました。その後4月に米国が新たな関税政策を発表するなど大きな変化がありましたが、主要な調査結果は依然として示唆に富んでおり、特に投資家が法的・規制プロセスの効率性、国内景気動向、テクノロジー・技術力およびイノベーション能力に価値を置いていることが明らかになっています。


当FDICI調査報告書の著者で、GBPCのパートナー兼マネジング ディレクターであるエリック R. ピーターソン(Erik R. Peterson)のコメント:
「投資家は、厳しい規制環境を2025年最大の懸念事項として指摘しました。各国が国内産業のみならず特に国家安全保障に関連する戦略的セクターの回復力を強化しようとする中、外国への投資はより困難になります。」

調査対象である投資家に、「今後1年間で最も起こりそうなこと」を挙げてもらったところ

トップが、商品価格の上昇(昨年比12%増の38%が回答)

次に、地政学的緊張の高まり(昨年比7%増の35%が回答)

これは世界的な紛争の増加とそれに伴うサプライチェーンの混乱により商品価格が上昇する可能性によるものと考えられます。

3位に、先進市場におけるより厳しいビジネス規制環境 (32%が回答)

4位に、新興市場におけるより厳しいビジネス規制環境と、先進市場における政情不安 (同率 26%が回答)が続きました。

当調査では、上位25カ国のうち19カ国を依然先進市場が占めており、特に首位の米国は投資家の多数(45%)が投資先として選ぶ最も強力な理由をテクノロジーとイノベーションとして挙げています。カナダは2位を維持し、欧州を先導するのは英国(3位)とドイツ(5位)でした。アジアでは、日本が昨年の7位から4位に上昇し、中国は3位から6位に後退しました。

当FDICI調査報告書の共著者でGBPCのプリンシパルであるテリー・トーランド(Terry Toland)のコメント:

「欧州を拠点とする投資家はEUの見通しについて比較的悲観しがちな傾向にありましたが、EUの強力な組織機関、信頼のおける法的・規制プロセス、教育水準の高い労働力など、投資家に最も魅力的な基盤を強みとして持っていることは注目に値します。その結果、欧州市場が引き続き当調査のランキングで好成績を収めています。」

一方、アジア太平洋地域に対する投資家の信頼は、テクノロジーの顕著な進歩と堅調な経済基盤によって支えられています。日本が昨年7位から今年4位に上昇したことは、その好例であり、日本の優れた技術力・イノベーションと、労働需給の引き締まりによる記録的な賃金上昇に支えられた経済実績が評価されました。

アジア太平洋地域を拠点とする投資家の 82% が、今後 3 年間で 外国への投資を増やすと回答しており、また約半数の投資家が、アジア太平洋地域の経済について1年前よりも楽観的と回答しました。

調査概要
Kearney Foreign Direct Investment Confidence Index®(海外直接投資信頼度指数)調査は、グローバル企業経営者層を対象とした年次調査で、今後3年間に大きな投資を呼び込む可能性が高いと思われる市場を順位付けしています。海外直接投資(FDI)の流れを振り返る、いわば後方視的な他のデータとは異なり、投資家が今後数年間にどの市場をターゲットとして海外直接投資を行うかについて、独自の前方視的な分析を提示するものです。1998年の調査開始以来、海外直接投資信頼度指数調査でランクインした国々と、その後数年間の実際の海外直接投資フローにおける上位投資先との間には密接な相関が見られます。
「2025年海外直接投資信頼度指数」調査は、世界の大手企業の上級幹部536名を対象とし、2025年1月に実施した独自調査から得た一次データを使用して作成されました。回答者の役職はCxOレベルの役員や地域統括責任者など。調査対象企業の年間売上高は5億ドル以上。調査対象企業の本社所在地は世界30カ国にわたり、業種は全産業セクターにわたります。調査対象国は国際連合貿易開発会議(UNCTAD)のデータに基づき選定。当指数に含まれる25カ国で、近年の全世界におけるFDIフローの97%超を占めています。回答企業はサービスセクター企業が約53%、工業系企業が35%、IT企業が12%となっています。
当指数は今後3年間の対市場直接投資見込みに関する質問に対する高、中、低の回答の加重平均で計算されおり、指標数値は当該国から見て海外市場に拠点を置く企業のみの回答に基づいて計算されています。例えば米国の指標数値は米国に本拠地を置く投資家の回答を除いて計算されており、指標数値が大きいほど投資先としての魅力度が高いことを示しています。
当調査報告に記された経済成長を表す数値はすべて、特に記載がない限りオックスフォード・エコノミクスからの最新予測となっており、その他の二次ソースには、投資促進機関、中央銀行、財務省、産業・貿易省、関連ニュースメディア、その他の主要データソースを活用しました。


*最新版および過去の調査報告書全文(英語)はこちらをご覧ください
https://www.kearney.com/foreign-direct-investment-confidence-index

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会社概要

A.T. カーニー株式会社

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URL
https://www.jp.kearney.com/
業種
サービス業
本社所在地
東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー23階
電話番号
03-6890-5001
代表者名
関灘 茂
上場
未上場
資本金
-
設立
1926年09月