マイナ保険証一本化「賛成だが時期延期を」21% --- 現行健康保険証の廃止反対51%、カードはデジタル化寄与59% ---

[KSI Web調査] マイナンバーカードに関する意識調査(第3回)

紀尾井町戦略研究所

 新産業に挑戦する企業に対して政策活動やリスクマネジメントのサポートなど、パブリックアフェアーズ領域で総合的なコンサルティングを行う紀尾井町戦略研究所株式会社(KSI、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:別所 直哉)は、月に2回程度、時事関係のトピックを中心としたWeb調査を全国の18歳以上の男女1,000人に行っています。

■調査の概要
 政府はマイナンバーカードの一連のトラブルを受け、秋までに総点検を完了する方針です。マイナ保険証への一本化の意向などマイナンバーカードに関する意識調査を、全国の18歳以上の男女1,000人に行いました。2020年11月、2022年10月(現行の健康保険証とマイナ保険証「併用を」34%)に続くオンライン調査で、調査日は7月27日、Yahoo!クラウドソーシングを利用しています。


■​調査結果サマリ

 マイナンバー(個人番号)制度やマイナンバーカードの概要を、十分あるいはある程度理解していると思う人は70%(前回2022年10月16日は68%)となった。マイナンバーカードを持っている人は81%(前回59%)、マイナンバーとマイナンバーカードが違うことを知っている人は69%。マイナンバー制度を必要だと思う人は38%、思わない人は33%だった。

 どのような時にマイナンバーカードを使ったかを複数回答で聞くと「使ったことはない」29%が最多となり、「本人確認や身分証明」の24%が続いた。カードの積極活用は、人口減少で人手不足が加速しかねない日本において行政サービスのデジタル化や効率化などに大きく寄与するという指摘に対し、どちらかといえばを含め納得できる人が59%を占めた。


 今回起きた個人情報の紐付けミスなどを許容できないとする趣旨の回答は計70%。マイナンバーカードで不安な点を複数回答で聞くと、個人情報漏えいリスクが67%でトップとなり、カード紛失リスクが続いた。不安解消策を複数回答で聞くと「ミスや事故が起きた際は政府が被害者に十分説明し救済策を取る」44%が最多を占め、「どのようにしても不安解消できない」29%が2位だった。今回のカードの個人情報漏えいをめぐる政府の対応を民間企業の対応と比べると「どちらとも言えない」46%、「民間の方がしっかりしている」40%、「政府の方がしっかりしている」5%となった。


 マイナ保険証への切り替えに伴う現行健康保険証廃止に51%が反対。反対した人を職業別に見ると、教職員が8割台で最も多く、医療福祉関係の職員等が6割台で続いた。24年秋ごろにマイナ保険証に一本化する政府方針に関し「マイナ保険証への一本化自体に反対」が28%、「賛成だが時期を延期すべきだ」が21%、「賛成」18%、「マイナ保険証やマイナンバー制度自体に反対」16%となった。マイナ保険証を取得しなかった人らへの政府による資格確認書発行について「不適切」42%、「適切」33%となった。

 夏から秋に予想される次期内閣改造で、マイナンバーカードを所管する河野太郎デジタル大臣について「続投して正常化に努めてほしい」47%、「責任を取り退任すべきだ」32%となった。次期衆院選比例代表でどの政党に投票したいかを聞くと、維新が13.9%(前回7月4日12.1%)となり、自民13.6%(16.3%)を抜いて初めて首位に立った。

  • マイナンバー(個人番号)制度やマイナンバーカードの概要を「十分理解している」「ある程度理解している」と思う人は計70.6%(前回2022年10月16日は計68.2%)に達した。(Q6)

  • マイナンバーとマイナンバーカードが違うと「知っている」人は69.7%に上った(Q7)

  • マイナンバー制度が「必要だと思う」人は38.3%、「必要だと思わない」人は33.4%だった。必要だと思う人を男女別に見ると、男性4割台半ば、女性2割台後半と差がついた。職業別では、会社役員・団体役員が6割台と最多で、公務員が5割台後半と続いた。岸田内閣を支持する人では7割を超したのに対し、支持しない人では3割台にとどまった。(Q8)

  • マイナンバーカードを「持っている」人は81.4%(前回2022年10月16日59.4%)に達した。(Q9)

  • マイナンバーカードを取得した理由で一番近いものは「ポイントがもらえるから」49.9%が最も多く、「一般的な行政手続きが便利になるから」12.2%が続いた。(カードは取得していない15.9%を除く)(Q10)

  • デジタル庁の政策データダッシュボードによると7月9日時点のマイナンバーカード交付枚数は9337万枚となっており「普及が進んでいる」と思う人は65.0%を占めた。(Q11)

  • どのようなときにマイナンバーカードを使ったかを複数回答で聞くと「使ったことはない」29.6%が最多で「本人確認や身分証明」24.2%が続いた。(Q12)

  • マイナンバーカードの積極活用は、人口減少で人手不足が加速しかねない日本で効率的行政サービスなどのためのデジタル化推進に大きなメリットがあるという指摘に「納得できる」「どちらかといえば納得できる」が計59.2%を占めた。(Q13)

  • マイナンバーカードで今回起きた個人情報の紐付けのミスなどを「許容できない」とする趣旨の回答は計70.1%、「許容できる」とする趣旨の回答は計24.1%だった。(Q14)

  • マイナンバーカードで不安を感じる点を複数回答で聞くと「個人情報漏えいのリスク」67.3%がトップで「カードを紛失した場合のリスク」53.7%が続いた。(Q15)

  • どうすればマイナンバーカードについての不安を解消できるかを複数回答で聞くと「ミスや事故が起きた際は、政府が被害者に十分説明し救済策を取る」44.7%が最多で「どのようにしても不安を解消することができない」29.9%が続いた。(Q16)

  • 民間企業で個人情報漏えいが起きた際は、公表や対象者への通知、場合によってはお見舞金を支払うが、今回のマイナンバーカードをめぐる事案で発生した個人情報漏えいに関する政府の対応を、民間企業の対応と比較してどう思うか聞いたところ「どちらとも言えない」46.9%、「民間の方がしっかりしていると思う」40.8%、「政府の方がしっかりしていると思う」5.0%となった。(Q17)

  • 今回のマイナンバーカードをめぐる個人情報漏えいで、個人情報保護法による対象者への通知が「法律通りに通知されているとは思えない」が49.8%を占めたのに対し「法律に従って通知されていると思う」は19.8%だった。(Q18)

  • マイナンバーカードを返納してもマイナンバーはなくならないことを「知っている」人は68.2%に上った。「知らなかった」人は26.5%だった。知っていた人を年代別に見ると、60代と70代以上で7割を超し、全体的に10代から年代が上がるほど増える傾向があった。(Q19)

  • 一連のミス発覚などを踏まえ、マイナンバーカードを「返納したいと思わない」人は60.3%、「返納したいと思う」人は11.9%だった。「わからない」人は27.8%。(Q20)

  • 相次ぐマイナンバーカードのミスや事故について政府の「説明や謝罪、救済策は不十分だ」が70.7%に達した。年代別に見ると、10代で5割、20代から40代の各層は6割台、50代以上の各層は7割台以上となった。(Q21)

  • 政府が今年秋までに完了させるとしているマイナンバーカード関連システムなどの総点検で問題が「解決すると思わない」「あまり解決すると思わない」が計63.5%に上った。「すべて解決すると思う」「ある程度解決すると思う」は計29.3%だった。(Q22)

  • 健康保険証のマイナ保険証への切り替えに伴う現行保険証の廃止に「反対」51.4%、「賛成」26.6%、「わからない」は22.0%だった。反対する人を職業別に見ると、教職員が8割台で最も多く、医療福祉関係の職員等が6割台で続いた。(Q23)

  • 2024年秋ごろに現行の健康保険証を廃止してマイナ保険証に一本化することに関し「マイナ保険証への一本化自体に反対」が28.8%、「賛成だが時期を延期すべきだ」が21.1%、「賛成」18.9%、「マイナ保険証やマイナンバー制度自体に反対」16.7%となった。(Q24)

  • マイナ保険証を取得しなかった人らへの政府による資格確認書発行を「不適切だと思う」42.0%、「適切だと思う」33.3%となった。(Q25)

  • もし現行の運転免許証を廃止してマイナンバーカードに機能を一本化するとしたら「反対」48.9%、「賛成」29.7%となった。(Q26)

  • 一連のマイナンバーカードの紐付けミスなどをめぐり、夏から秋に予想される次期内閣改造で、カードを所管するデジタル庁を率いる河野太郎デジタル大臣の処遇について「デジタル大臣を続投して混乱の正常化に努めてほしい」47.3%、「責任を取ってデジタル大臣を退任すべきだ」32.0%となった。続投して混乱を正常化してほしいとした人を支持政党別に見ると、公明が7割台で最多となり、自民、共産が6割台で続いた。最低はれいわ、参政の1割台だった。(Q27)

  • 次期衆院選の小選挙区でどの政党の候補者に投票したいかを聞くと、自由民主党14.8%(前回7月4日17.3%)、日本維新の会12.4%(12.1%)、立憲民主党4.0%(4.5%)、国民民主党3.8%(2.9%)と続いた。(Q28)

  • 次期衆院選の比例代表でどの政党に投票したいかを聞くと、維新13.9%(前回7月4日12.1%)、自民13.6%(16.3%)、国民4.3%(3.2%)、立憲3.7%(4.9%)と続いた。次期衆院選に関する調査開始後、維新が初めて首位に立った。(Q29)

  • 岸田内閣を「支持する」15.4%(前回7月4日18.4%)、「支持しない」67.9%(63.5%)。(Q30)

  • 政党支持率は自民16.2%(前回7月4日17.9%)、立憲3.6%(4.4%)、維新10.1%(11.1%)、公明党1.1%(1.7%)、国民4.2%(2.8%)、日本共産党1.6%(2.0%)、れいわ新選組1.9%(2.2%)、社民党0.2%(0.6%)、政治家女子48党(旧NHK党)0.9%(0.7%)、参政党0.6%(0.9%)、その他の政党・政治団体0.2%(0.4%)、支持する政党はない53.7%(50.6%)。(Q31)

調査レポートの詳細      https://ksi-corp.jp/topics/survey/web-research-55.html

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 【調査概要】
 ・調査期間: 2023年7月27日
 ・調査機関(調査主体): 紀尾井町戦略研究所株式会社
 ・調査対象: 全国の18歳以上の男女
 ・有効回答数(サンプル数): 1,000人
 ・調査方法(集計方法、算出方法): インターネット上でのアンケート
     ※「Yahoo!クラウドソーシング」(https://crowdsourcing.yahoo.co.jp/)を活用
 
 【紀尾井町戦略研究所株式会社(KSI:https://www.ksi-corp.jp/)について】
 KSIは2017年にZホールディングス株式会社の子会社として設立され、2020年4月に独立した民間シンクタンク・コンサルティング企業です。代表取締役の別所直哉は、1999年よりヤフー株式会社(現Zホールディングス株式会社)の法務責任者として、Yahoo! JAPANが新規サービスを立ち上げるにあたり大変重要な役割を担ってきました。その中で培った幅広いネットワークや政策提言活動を通じて得られた知見をもとに、新産業に挑戦する企業に対して政策活動やリスクマネジメントのサポートなど、パブリックアフェアーズ領域で総合的なコンサルティング行っているほか、社会に貢献していくという方針を軸に多様なサービスを提供しています。
 
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業種
サービス業
本社所在地
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代表者名
別所 直哉
上場
未上場
資本金
-
設立
2017年04月