アメリカ史をこの一冊で網羅!歴史と文化を一望する図説が、ついに刊行!書籍『ビジュアル版 アメリカ歴史地図』が12月11日発売。

東京書籍株式会社

東京書籍株式会社は、2023年12月11日に書籍『ビジュアル版 アメリカ歴史地図』(貴堂 嘉之/日本語版監修 デイヴィッド・M・カーバロ他/著 岩井 木綿子/訳)を発売いたしました。

  • 解説

美しいビジュアルと意欲的な視点で、アメリカの歴史と文化を一望!!


先史時代の南北アメリカ大陸からアメリカ合衆国の現在まで、豊富なビジュアルと平明な解説、そして意欲的な観点によって、アメリカ史を立体的にアップデート。


キードリック・ロイ、チェルソ・A・メンドーサ、タマラ・ヴェニット・シェルトンなど、第一線で活躍する気鋭の研究者が本文を執筆。


先住民や黒人、アジア系移民など、非白人の視座も大きな柱として、従来の単線的な歴史記述を超えた新しいアメリカ史を提示。


大判の地図や写真、図版を400点以上収録、また年表や50州の要覧も掲載し、「アメリカ」をビジュアルで立体的に紹介。


  • 序文

日本語版刊行にあたって 日本語版監修者 貴堂嘉之 (きどう・よしゆき 一橋大学大学院社会学研究科教授)

 『ビジュアル版 アメリカ歴史地図──先史時代から現代まで』は、America: The Atlas(アメリカ版はスミソニアン協会協力で2023年9月に出版)の全訳である。本書には、南北アメリカ大陸の先史時代の先住民の世界からアメリカ合衆国の現代史まで、400点を超える地図や図版がカラー刷りで収録されている。アメリカ合衆国と南北アメリカ大陸の歴史を視覚的に理解することができる待望の図説の刊行である。
 政治経済、軍事、文化において、今も大きなプレゼンスを持ち、国際政治を牽引するアメリカ合衆国の存立するこの北米大陸の空間には、どのような歴史があったのか。
 本書では、紀元前5万年頃、最初の移住者が南北アメリカ大陸に到達し、以後、数万年にわたってこの地を支配したさまざまな先住民の生活世界の記述から始まる。やがて15世紀末にコロンブスらヨーロッパ人が「新大陸」としてかの地を征服し始め、転機を迎える。
 本書に収録された地図や図版の特色は、教科書にあるような後世の人間が解説用に作ったものとは違って、世界史上の各時期に同時代人が作った地図を多く掲載している点である。英語で「地図 map」という言葉が最初に使われたのは16世紀といわれているが、それ以来、地図は同時代人が想像した世界を投影して描かれた。
 ゆえに、ヨーロッパ人が描いた地図には、征服の野望にもとづく空間認識が、先住民が描く地図や絵には恐怖や暴力が浮かび上がり、同時代人の世界理解を垣間見ることができる。そのような視座から、読み解かれることを待っているたくさんの古地図が掲載されているのが、本書前半パートの醍醐味であろう。
 本書後半パートは、アメリカ合衆国独立から現在に至る歴史である。先住民抗争や大陸膨脹関連の地図には、依然として入植者側の世界理解が投影されており興味深い。これまでに刊行されてきたアメリカ歴史地図には、白人男性中心の視点から解説が書かれたものが多かったのだが、本書は先住民や黒人、アジア系移民など、非白人の視座からの歴史記述も多く、各章を分担執筆したアメリカの若手研究者の功績も大きい。独立後のアメリカ史パートは、奴隷制をめぐる南北戦争を分水嶺に、19世紀後半の急速な産業化・工業化、帝国主義と二つの世界大戦、冷戦と公民権運動へとつづく。本書の特色は、最後の10章で、1960年代以降の大量収監や新保守主義、9.11同時多発テロからヘイトクライムの急増、オバマからトランプへと、現代史を網羅的に扱いアップデートされている点だ。同章の最終頁が2021年1月6日の連邦議会議事堂襲撃の写真で締めくくられるのが象徴的である。掲載された写真も、その時代を活写した有名なものが多く収録されている。関連する主な先行書には『図説 アメリカ歴史地図』(原書房、1994年)や『アメリカ歴史地図』(明石書房、2003年)などがあるが、両書ともに刊行されたのは、およそ四半世紀前である。激動の現代アメリカを理解するためにも、この地域を専門とする歴史学、人類学、考古学、地域研究などの研究者はもちろんのこと、高校生や大学生、一般の方々にも本書をお薦めしたい。


  • 著者情報

日本語版監修者

貴堂 嘉之 きどうよしゆき

1966年、東京生まれ。1994年、東京大学大学院地域文化研究専攻博士後期課程中退。博士(学術)。現在、一橋大学社会学部・大学院社会学研究科教授、早稲田大学ナショナリズム・エスニシティ研究所招聘研究員。専攻は、アメリカ合衆国史、人種・エスニシティ・ジェンダー研究、移民研究。主な著書に、『南北戦争の時代 19世紀』2019年、『移民国家アメリカの歴史』2018年(以上、岩波書店)、『アメリカ合衆国と中国人移民 ― 歴史のなかの「移民国家」アメリカ』2012年(名古屋大学出版会)などがある。また、エドウィン・ブラック『弱者に仕掛けた戦争 ― アメリカ優生学運動の歴史』2022年(監訳、人文書院)、『「ヘイト」の時代のアメリカ史 ― 人種・民族・国籍を考える』2017年(編著、彩流社)、ロバート・G・リー『オリエンタルズ ― 大衆文化のなかのアジア系アメリカ人』2017年(訳、岩波書店)など、編・訳書も多数。


著者

デイヴィッド・M・カーバロ

クラリッサ・コンファー

チェルソ・A・メンドーサ

ジョン・チャンドラー

タマラ・ヴェニット・シェルトン

ベン・レイルトン

キードリック ロイ


訳者

岩井木綿子 いわいゆうこ

英語ほんやく工房たてよこ屋幹事。筑波大学比較文化学類卒業。第21回BABEL翻訳奨励賞英日部門(1)フィクション最優秀賞受賞。
主な訳書に、サイモン・ブラックバーン監修・熊野純彦日本語版監修『図鑑 世界の哲学者』、DK社編・岡田暁生日本語版監修『図鑑 世界の作曲家』共訳(以上、東京書籍)、クリス・ロバーツ著『THE COMPLETE MICHAEL JACKSON KING OF POP マイケル・ジャクソンの全軌跡』(玄光社)、ジム&ジェイミー・ダッチャー著『オオカミたちの隠された生活』(エクスナレッジ)など。


  •  本書の構成

序文──日本語版刊行にあたって
はしがき/はじめに

第1章 南北アメリカ大陸の比較考古学 紀元前5万年頃~後1600年頃
第2章 南北アメリカ大陸の先住民 紀元前5万年頃~後1400年頃
第3章 接触、征服、戦争 1492~1638年
第4章 独立前夜 1639~1754年
第5章 独立への道 1755~1800年
第6章 国家の成長 1800~1860年
第7章 国家分裂と発展 1860~1900年
第8章 国家を守る 1900~1930年
第9章 大恐慌の時代 1930~1950年
第10章 進歩の問題 1950年~現在

年表/大統領の出身州/アメリカの州/参考文献・資料/事項索引/地名索引/図版クレジットなど


  • 本書中面ページの例


<概要>

『ビジュアル版 アメリカ歴史地図』

■貴堂 嘉之/日本語版監修 デイヴィッド・M・カーバロ他/著 岩井木綿子/訳

■定価6,380円(本体5,800円+税10%)

■B4変型判・384頁

https://www.tokyo-shoseki.co.jp/books/81645/

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会社概要

東京書籍株式会社

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URL
https://www.tokyo-shoseki.co.jp/
業種
教育・学習支援業
本社所在地
堀船2-17-1
電話番号
03-5390-7531
代表者名
渡辺能理夫
上場
未上場
資本金
8000万円
設立
1909年09月