日本メドトロニック 血管外に留置する植込み型除細動器「Aurora EV ICD™ MRI デバイス」「Epsila™ EV MRIリード」の薬事承認を取得

日本メドトロニック株式会社

日本メドトロニック株式会社(本社:東京都港区)は、心室性頻脈性不整脈の治療に用いられる「Aurora EV ICD™ MRI デバイス」(以下、Aurora EV ICD MRI デバイス)「Epsila EV™ MRI リード」(以下、Epsila EV MRI リード)の薬事承認を2024年10月22日に取得いたしました。今後、保険診療下で治療を提供できるよう保険適用に向けた手続きを開始していきます。

Aurora EV ICD MRI デバイス 医療機器承認番号:30600BZX00218000  

Epsila EV MRI リード 医療機器承認番号:30600BZX00219000

心臓の電気的系統に異常が生じ、規則正しい心臓の動きや脈拍が乱れてしまう状態を不整脈といいます。不整脈の中でも特に心室細動は、心臓がリズミカルに拍動できなくなり、心室の筋肉が不規則に興奮する状態で、心臓のポンプ機能が停止し、血液の流れが止まります。心臓のポンプ機能が停止してから3~5秒でめまいが起こり、5~15秒で意識を失い、3~5分続くと脳死に至ります。心室細動は自然に回復しないため、電気ショックで治療します。また、1分間に100回以上の拍動が3拍以上続く状態を心室頻拍と呼びます。この発作が起こると、心臓がポンプ機能を果たせず、脳への血流が減少し、めまいや失神を引き起こし、心不全の原因となることがあります。心室頻拍が続くと、心室細動に移行する場合もあります。このような不整脈での突然死を防ぐために、本邦では、既に致死性不整脈を経験された患者さん、今後そのような不整脈が起こる可能性が高い低心機能、または遺伝性の不整脈が起こりそうな患者さんに対して年間で約4,000台強の植込み型除細動器が新規に植込みされています。

植込み型除細動器は体内に植込まれて、突然起こった心室細動や心室頻拍を自動的に検知し、電気治療を行って心臓の動きを正常に戻すものです。数センチ大の植込み型除細動器本体と、それにつながるリード線からできています。このたび製造販売承認を取得したAurora EV ICDは、胸骨下にICDリードを留置するこれまでにない画期的なシステムで、血管内にリードを留置する必要がないため、従来の経静脈ICDと比べて低侵襲な植込み機器です。本製品は、従来の経静脈ICDと同様のサイズ、形状、電池寿命を持ちます。血管外に留置する植込み型除細動器として、唯一、抗頻拍ペーシング(ATP)を用いて致死性頻脈性不整脈の治療を行い、一時的な徐脈時にも心休止バックアップペーシング治療を提供します。

国立循環器病研究センター不整脈科の部長であり、EV ICD Japan Studyの責任医師の草野 研吾先生は、「Aurora EV ICD MRI デバイスとEpsila EV MRI リード(以下、Aurora EV ICD MRI システム)は、従来の経静脈ICDと同じサイズでありながら、血管外に留置することで血管内の合併症リスクを低減します。更には、ATP治療を送出できることにより、ショック治療を回避しながら致死性不整脈を効果的に治療できる点も大きな利点です。これにより、患者さんの負担やQOLの低下を防ぐことができ、ICDデバイスを必要とする患者さんに大きな恩恵をもたらすことが期待されます。」と述べています。

カーディアックリズムマネジメント・バイスプレジデントの芳賀 聡は、次のように述べています。「今年で設立75周年を迎えたメドトロニックは、これまでにリードレスペースメーカをはじめとする様々なイノベーティブな製品を開発してまいりました。Aurora EV ICD MRI システムもその一つであり、その製品を日本の患者さんにお届けし、新たな選択肢を提供できることを大変うれしく思います。」

【ICDとは】

ICD(植込み型除細動器)は体内に植え込まれて、突然起こった心室細動や心室頻拍を自動的に検知し、電気治療を行って心臓の動きを正常に戻す機器です。最初はペースメーカのような刺激を出して、発作が止まらなければ弱い電気ショックによる治療を行い、それでも止まらなければ、より強いエネルギーに切り替え治療を行います。

【Aurora EV ICD MRI システムとは

本システムは、従来の経静脈ICDと同じサイズ、形状、電池寿命を持っていますが、従来のICDとは異なり、左脇の下(左中腋窩領域)に植え込まれ、リードは胸骨の下に留置されます。この方法は、最小限の侵襲で行われます。Epsila EV MRIリードは、心臓や静脈血管の外側に留置されるため、これまで経静脈ICDで課題とされていた血管損傷や血管閉塞(静脈の狭窄、閉塞、圧迫)などの合併症を避けることができます。

Aurora EV ICD MRI システムは経静脈を経由しない植込みを叶えながらも、Medtronicの経静脈ICDで使用できる機能が含まれており、通常の皮下ICDでは使用できない機能も使用することができます。

•抗頻拍ペーシング(ATP):低エネルギーのペーシングパルスを使用して心室性不整を停止させ、除細動ショックを回避できる可能性があります。

•心休止防止ペーシング:一時的な心拍停止に対するバックアップペーシングを提供します。

•40Jの除細動エネルギー:経静脈ICDと同じデバイスサイズ(33 cc)の不整脈を停止させるためのショック治療を送出します。

•Medtronic独自のPhysioCurve™デザイン:患者さんの快適さと植込みに対する受け入れを向上させます。

•11.7年の予測電池寿命:患者さんの生涯におけるデバイス交換手術件数を減少させます。

•Smart Sense:独自のアルゴリズムにより更なる不適切なショック治療を減らす可能性があります。

•条件付きMRI対応:MRIの撮像条件が満たされている場合、1.5Tと3TでのMRI撮像が可能となります。

【メドトロニックについて】
大胆な思考。より大胆な行動。私たちはメドトロニックです。Medtronic plc(本社:アイルランド、ゴールウェイ)は、ヘルスケアテクノロジーをグローバルにリードし、人類が直面している多くの困難な健康課題に積極的に取り組み、ソリューションを探し、見つけ出します。150ヵ国以上にまたがる情熱を持った9万5千人以上の従業員からなるグローバルなチームを団結させているのは、「人々の痛みをやわらげ、健康を回復し、生命を延ばす」という私たちのミッションです。私たちは70以上の健康課題を治療する、心臓ペースメーカ、手術支援ロボット、インスリンポンプ、外科用手術機器、患者モニタリングシステムなどの多様なテクノロジーと治療法を提供しています。私たちは、多様な知識、飽くなき好奇心、そしてそれを必要とするすべての人を助けたいという思いを原動力に、革新的なテクノロジーで、1秒に2人の人々の生活を、毎時間、毎日、変え続けていきます。メドトロニックは、インサイト(洞察)に基づいた治療法の提供、人を第一に考えたエクスペリエンス、そして世の中により良いアウトカム(結果)をもたらすことに注力していきます。

私たちは何ごとにもエンジニアのマインドを持って、想像を超えるものを創り出します。

Webサイト  www.medtronic.com



【日本メドトロニック株式会社 (Medtronic Japan Co., Ltd.)について】
日本メドトロニックは1975年の設立以来40年以上にわたり、生体工学技術を応用し、慢性疾患をお持ちの方々の痛みをやわらげ、健康を回復し、生命を延ばす医療機器を通して人類の福祉に貢献することを目指しています。メドトロニックが提供する先端医療技術は、心臓疾患をはじめ、パーキンソン病、糖尿病、脊椎疾患、脳疾患、慢性的な痛みなどを広くカバーしています。Webサイト www.medtronic.co.jp

なお、将来の業績見通しに関わるすべての記述は、メドトロニックが米国証券取引委員会に提出する定期報告書に記載されているようなリスクや不確定要素の影響を受ける場合があります。実際の業績は予想と異なる可能性があります。

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


ビジネスカテゴリ
医療・病院医薬・製薬
ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

日本メドトロニック株式会社

14フォロワー

RSS
URL
https://www.medtronic.com/jp-ja/index.html
業種
医療・福祉
本社所在地
東京都港区港南1丁目2番70 品川シーズンテラス 22F
電話番号
-
代表者名
宇佐美 英司
上場
未上場
資本金
-
設立
1975年11月