スパークル、2024年度の投資実績と今後の展望を公開
『新しい世界の経済循環』を生み出すため、運用中のファンドから2024年度中に計16件、総額約3.1億円の投資を実施

スパークル株式会社(所在地:宮城県仙台市、代表取締役:福留秀基、以下「当社」)は、運用中のファンドから2024年度中に計16件の投資を実施しました。
本レポートでは、各投資先の事業領域等の情報について整理し、当社の地域における1年間の活動を振り返るとともに、次年度へ向けた展望について公開いたします。
※本文中のグラフィックは、当社のインターン生が作成いたしました。
当社の目指す世界
<ミッション・ビジョン・バリュー>

当社は、東北に本社を構えるプロフェッショナルファームとして、地域の皆様に愛され、世界中の皆様とともに価値をつくりだすことを目指しています。
『新しい世界の経済循環をつくる』というミッション、『-100→100』というビジョンのもと、地域に根差す・地域の課題を解決するスタートアップやインパクトスタートアップに投資を行っています。
地域から『新しい世界の経済循環』を生み出すためには、課題に対する多くの挑戦者が必要です。その挑戦者が孤独に戦うのではなく、応援するステークホルダーが存在することで挑戦の成功率が高まると考えています。
様々なサポートを受けて成功した挑戦者が、やがて応援する側にまわり、知恵や資金、人脈を集結させ、次なる挑戦者を支える。そのような『恩送り』の循環を地域で生み出していくことが重要だと考えています。
当社はスタートアップへの投資を通じて、挑戦する人と応援する人をつなぎ、ともに成長し、地域の発展を創る仕組みを築いていきます。
当社が運用するファンドの種類
<組成済みファンドの全体像>

当社では、以下4件のファンドを運用しています。
【スタートアップファンド】
〇スパークル1号ファンド
地域とスタートアップの連携を通じて新しい産業創出を支援し、地域振興を図ることを目的として2023年に設立いたしました。地域発のスタートアップだけでなく、首都圏を含む全国・全世界から地域にインパクトをもたらす事業を行っているスタートアップも対象としています。
〇ステージアップファンド
東北から世界に通じるイノベーション創出を目的に、当社の前身であるMAKOTOキャピタルが2018年に設立いたしました。東北の大学発ベンチャーを中心とした東北発スタートアップを対象としています。
【インパクトファンド】
〇プロクレアHD 地域共創ファンド
青森みちのく銀行を傘下に持つプロクレアHDとスパークル株式会社が協力し、地域に根ざした企業やインパクトスタートアップを支援することを目的として2023年に設立いたしました。青森・北海道・秋田・岩手・宮城に根ざす中小企業やインパクトスタートアップを対象にしています。
〇TOHOネクストステージファンド
福島を発とした地域経済の活性化と地方創生に寄与することを目的として2024年に設立いたしました。福島を中心とした地域に根ざす中小企業・インパクトスタートアップを対象にしています。
2024年度の投資実績
<投資総額と投資先一覧>

2024年度は計16件の投資を実行し、投資総額は約3.1億円となりました。投資先のうち、4社は当社がリード投資家を担当しています。
〇スパークル1号ファンド(※新規投資先のうち3社は非公開)
・サグリ株式会社(HP:https://sagri.tokyo/)
・ANDLAW FZCO
・株式会社エンドファイト(HP:https://endo-phyte.com/)
・株式会社Gab(HP:https://www.gab.tokyo/)
・株式会社Essen(HP:https://corp.essen-japan.com/)
・Aria Rika株式会社(HP:https://aria-rika.com/)
・3D Architech Inc.(HP:https://www.3d-architech.com/)
・株式会社ForestFolks(HP:https://www.forestfolks.jp/)
・Zip Infrastructure株式会社(HP:https://zip-infra.co.jp/)
〇プロクレア地域共創ファンド
・株式会社Japan Navi青森(HP:https://japan-navi-group.co.jp/)
・disk株式会社(HP:https://disk-aomori.com/)
・株式会社JPステート(HP:https://www.jpstate.com/)
・タグボート株式会社(HP:https://crazy-cider.co.jp/)
<投資先領域>

現在運用中のファンドでは投資領域を全領域としており、幅広いスタートアップへのご支援を行っています。2024年度はディープテックやバイオ・ヘルスケア領域への投資が多い結果となりました。
<投資地域>

投資先の本社は全国各地の地域に点在しており、将来的に地域経済を牽引しうる有望なスタートアップです。そのほかにも、首都圏や海外への投資も実行しています。
<スタートアップの成長ステージ別投資割合(インパクトファンドを除く)>

スタートアップファンドの投資先は、シードラウンドのスタートアップが大半を占めています。当社はこれまでも複数のリード投資実績を有しており、創業初期の支援を得意としています。
2024年度の投資先動向(一部抜粋)
2024年度には当社投資先スタートアップで様々な事業進捗がありました。ここでは一部を抜粋しご紹介いたします。

株式会社ElevationSpace
株式会社ElevationSpaceは、小型人工衛星の開発を行う宇宙スタートアップです。同社は宇宙空間での実験や製造を可能にする回収型の人工衛星を開発しています。
2024年度にはシリーズAの資金調達を完了しました。これにより、仙台に新オフィスを開設するなど、地域に新たな雇用を創出しています。2025年3月には、経済産業省のスタートアップ育成支援プログラム「J-STARTUP」に採択されました。

AstroX株式会社
AstroX株式会社は、空中発射方式による衛星軌道投入ロケット開発を行う宇宙スタートアップです。2024年度にはプレシリーズAの資金調達を完了し、世界初の気球空中発射によるロックーン技術の実用化に挑戦しています。また、福島県南相馬市で初となるロケット打ち上げに成功し、南相馬における新産業構築に向けた大きな一歩を踏み出しています。

輝翠TECH株式会社
輝翠TECH株式会社は、農業向けオフロード自律走行AIロボット(Adam)の開発を行っているスタートアップです。高齢化による人手不足が深刻な農業領域に対するロボットの導入によって、作業効率の向上と労働力不足の解消を目指しています。2024年度にはシリーズAの資金調達を完了し、量産体制の整備と多様なニーズに合わせたアタッチメントの開発を行っています。

株式会社ファーメンステーション
株式会社ファーメンステーションは、発酵技術を活用して、未利用資源を高付加価値な製品に変えるバイオテクノロジースタートアップです。特に、食品廃棄物や未利用農産物を活用したサステナブルな化粧品・生活用品等の開発に力を入れています。
今年度には、工場を移転・増強。新工場である奥州ファクトリーは、廃園になった幼稚園を活用し、地域に根ざしたアップサイクル事業を行っています。

六花酒造株式会社
六花酒造株式会社は、青森県弘前市にある老舗の酒造蔵元です。青森の気候と風土を活かした地酒づくりにこだわり、地元産の米と水を使用した日本酒を醸造しています。
2024年度には根強いファンのリクエストに応じ、酒蔵移転を機に封印した日本酒ブランド「じょっぱり」を、2年ぶりに「JOPPARI」として復活させ、新ブランド「杜来」との2ブランド体制で展開。伝統の技を守りながらも、時代に合わせた新しい酒造りにも挑戦し続けています。
今後の注目分野・テーマ
来年度以降、スパークル1号ファンドでは以下の事業領域に取り組むスタートアップに注目しています。
〇『地域発』スタートアップ
全領域に注目しておりますが、特に全国・全世界といった高い視座を持つスタートアップとご一緒したいと考えています。
〇『地域着』スタートアップ
地域に多い第一次産業である農林水産業の課題解決と革新を目指すディープテックに注目しています。地域に根ざすという当社の強みを活かし、地域の企業や自治体へのお繋ぎなどを通じ、事業共創を支援していきたいと考えています。
プロクレアHD 地域共創ファンド、TOHOネクストステージファンドにおいては、地域に根ざし、着実な成長を目指している企業様が対象ということもあり、地域の不動産の活用や場所・資源の有効活用をテーマとした取り組みを一緒に行っていきたいと考えています。
ファンド組成に至る背景と困難
2023年度までは、東北から全国・世界へ羽ばたく人を支援するファンドを組成・運用してきました。しかし、東北の課題解決のために視野を広げる中で、東北が直面する課題は他の地域でも共通しているのではないかと考えるようになりました。
「地域の事業者や行政は、新しい取り組みやアイデアを求めているのではないか」
そうした想いから、『地域発・地域着』という他にはない新しいコンセプトを掲げ、スパークル1号ファンドを組成しました。
目新しい取り組みとして共感してくださる方も多くいらっしゃいましたが、一方で、「本当に成功するのか?」という不安や、新しいコンセプトゆえの理解の壁もあり、ご一緒できなかった方も少なくありませんでした。私たちの力不足を痛感した瞬間でもあります。
それでも、まだ成果が見えていない段階から協力し、共に歩んでくださる方々には、感謝の気持ちでいっぱいです。これは、当社のバリューの一つである『成果にこだわる』という部分にも通じます。これまで支えてくださった方々への恩返しとして、成果を出せるよう、ひいては地域全体を豊かにする『恩送り』を実現できるよう邁進したいと考えています。

今後の展望
当社は、スパークル1号ファンドをはじめとする各種ファンドの運用を通じて、より多くの素晴らしい企業とのご縁を大切にし、価値ある投資を実行していきたいと考えています。
特に、『地域発・地域着』の成功モデルを1つでも多く生み出すことを目指しています。
私たちが考える成功モデルとは、独立系VCとして財務的リターンを追求することに加え、地域社会にポジティブなインパクトをもたらすものです。例えば、東日本大震災で甚大な被害を受けた南相馬市におけるAstroX社のロケット打ち上げ など、地域の未来に希望を与える事例を増やしていきたいと考えています。
また、地域における挑戦を支える環境整備も進めています。
プロクレアHD 地域共創ファンド、TOHOネクストステージファンドのように、上場や急成長だけにとらわれず、地域で挑戦する企業・地域から社会的インパクトを与える企業を支援する体制が徐々に整ってきました。
現在行っている各種取り組みを着実に成果につなげ、各地域における挑戦を支え、応援の輪を広げられる環境を構築することで、来年度も引き続き地域経済の発展に貢献してまいります。
当社では来年度を目標に、引き続き『地域発・地域着』というコンセプトの新たなファンドの立ち上げを検討しています。
新ファンドでの投資を通じ、地域におけるスタートアップと地域の企業・自治体との事業共創を生み出す仕組みを創造・強化していくことを目指します。

当社にご興味をお持ちいただいた皆さまへ
〇スタートアップの皆さま
私たちは、単なる資金提供者ではなく、地域にインパクトをもたらす事業を共に創り上げるパートナーとしての役割を果たしたいと考えています。
当社のLP(リミテッド・パートナー)には、地域の事業者や地方銀行の皆さまが名を連ねており、地域経済界とのつながりを持つことができる点が特徴です。これにより、相互に価値を提供し合う機会を創出できると考えています。
地域の力を活かし、地域から全国・世界へと展開する道筋を共に描く、そのような『良き仲間』として、ともに挑戦できる存在でありたいと思っています。ぜひ、気軽に声をかけていただき、議論ができればと思います!
〇地域の企業、自治体の皆さま
これまで地域において、投資は「怪しいもの」や「投機的で一か八かの勝負」といった印象を持たれることも少なくありませんでした。しかし、当社は単に資金を増やしてお返しするだけでなく、地域の未来をともに考え、中長期的な価値を創出する存在でありたいと考えています。そのためにも、投資という枠組みを超え、地域の皆さまと多様なテーマについて対話を重ねながら、地域の新たな未来や可能性を模索していきたいと思います。
もし当社のビジョンや取り組みにご興味をお持ちいただけましたら、ぜひ気軽にお声がけいただければと思います!
スパークル株式会社について

スパークル株式会社は、「新しい世界の経済循環をつくる」をミッションとして、ファンド事業・インキュベーション事業・経営ソリューション事業を展開。東北を世界に伍する場所とするため、様々な方々と共創しながら挑戦し続けるプロフェッショナルファームです。
代表者:代表取締役 福留 秀基
URL: https://spurcle.jp
本社:宮城県仙台市青葉区中央4丁目4番19号 アーバンネット仙台中央ビル
設立:2018年8月1日
お問い合わせ先: info@spurcle.jp
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