日本政府、ハイチにおける人道危機の影響を受ける人々に対する保健ケアと安全な水の提供を強化するため、UNICEFに2億8,300万円の無償資金協力を実施

2025年3月13日 ポルトープランス(ハイチ)発
暴力の激化によって、何千人もの子どもたちや家族が最も基本的な権利を奪われ続ける中、日本政府は、避難民やホスト・コミュニティ、アルティボニット県と西県の武装集団に支配された地域で暮らす人々に命を守る保健ケアや安全な水を届けるため、国連児童基金(UNICEF)を通じて2億8,300万円の無償資金協力を実施します。
本資金協力は、悪化する状況に直面しているぜい弱な子どもたちや家族が緊急支援を受けられるよう、必要不可欠な保健ケアや水と衛生サービスへのアクセスを確保することを目的としています。
多くの家族が、安全な飲み水の入手に日々苦労しています。避難所が過密状態にある上、清潔な水や衛生設備へのアクセスが限られていることから、何千人もの人々、特に子どもたちが、コレラなどの水が媒介する感染症の危険にさらされています。
UNICEFハイチ事務所代表のギータ・ナラヤンは、「日本政府による本資金協力は、暴力の影響を受ける子どもたちと家族に対する水と衛生および保健支援を強化するために必要不可欠です。保健ケアや医療物資を提供するとともに、水と衛生に関するインフラを改善させ、最もぜい弱な人々を守るため、保健・医療従事者への研修を行います。」と述べました。
ハイチで長期化する安全および人道の危機により、基本的なサービスが崩壊寸前まで追い込まれています。現在、55パーセントの保健施設が機能しておらず、何百万人もの人々が質の高い保健ケアを受けられていません。多くの病院が略奪、破壊、焼失され、人々は病気や怪我の治療を受けることができません。
UNICEFの資金要請および支援計画を示した「子どもたちのための人道支援(HAC)」によると、ハイチでは子どもを含む380万人が安全な飲み水に対する喫緊のニーズに直面しており、420万人が保健ケアへのアクセスを必要としています。
西内和彦 在ハイチ臨時代理大使は、「日本政府は、UNICEFをはじめとする国連機関と連携し、複数の危機に直面する人々を支えるハイチ政府の取り組みに対して、特に保健、水と衛生、食料、栄養の分野において、多くの支援を提供してきました。本資金協力は、最もぜい弱な人々が必要不可欠な保健や水と衛生のサービスにアクセスできるように支援するものであり、日本はこれまでもハイチにおけるコレラや水を介する感染症との闘いに貢献してきたことを鑑みると、本事業はより重要な意味を持ちます。」と述べました。
本資金協力により、UNICEFとパートナーは、保健ケア施設における水と衛生設備の設置や修復、病院や避難所へ安全な飲み水の提供、総合的な緊急支援を通じた保健ケアサービスの強化を行うことで、約18万人に支援を提供します。加えて、コレラの予防や水処理に関する認識向上セッションを開催します。
人道的状況が悪化する中、何千人もの子どもたちと家族が、日々命をつなぐことに苦労しています。このような状況下で提供された日本政府からの本資金協力は、強い連帯の証であり、最も助けを必要とする人々に希望と安堵をもたらすものです。
■UNICEFについて
国連児童基金(UNICEF)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190以上の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。
※UNICEF国内委員会が活動する33の国と地域を含みます
※UNICEFの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■UNICEF 東京事務所
UNICEF東京事務所は、ニューヨーク本部直轄の国連機関事務所として、日本政府からの政府開発援助(ODA)による資金協力や、国会議員、国際協力機構(JICA)、非政府組織(NGO)等との連携を促進しています。
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