メルカリ、三菱総合研究所とシェアリングエコノミーに関する共同研究を実施 シェアリング時代の新たな消費モデルは「SAUSE(ソース)」

株式会社メルカリ

株式会社メルカリ(本社:東京都港区、代表取締役会長兼CEO:山田進太郎、以下メルカリ)は、株式会社三菱総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:森崎孝、以下MRI)とシェアリングエコノミーに関する共同研究を実施しました。
 
共同研究では、フリマアプリ上で洋服や化粧品の取引を行うユーザーを対象にアンケートを実施し、フリマアプリ利用前後における行動心理・購買内容の変化を分析しました。
その結果、フリマアプリを介して「モノのシェアリング」を行う消費者は、モノに対する価値観が「所有」から「利用」に変遷することによって、従来とは異なる消費行動をとることが明らかになりました。

主な調査結果は以下の通りです。
■モノのシェアを日常的に行う消費者は、「売却」を意識して新品を購入する
■消費者の一部は、売却金額を念頭におくことで、新品購入が増加、あるいは購入する商品ブランドが高価格帯に遷移している

これらシェアリングサービス普及後の従来とは異なる新たな消費モデルを、MRIでは「SAUSE(ソース)」と定義しました。

■シェアリングエコノミーに関する意識調査概要

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本調査主幹研究員 株式会社三菱総合研究所 宮川貴光研究員のコメント

個人の遊休資産を貸与・売買するというサービスの特性上、シェアリングはこれまで「過剰消費の是正」あるいは「節約手段」といった文脈で語られることが多い産業でした。しかし、今回の調査結果では、必ずしも上記の意図だけで利用されている訳ではなく、むしろ消費の拡大に繋がるような行動心理も一部では生じていることがわかりました。

■調査結果からの発見
今回の調査結果では、約半数以上のユーザーに、新品購入時の意識変容(フリマアプリでの売却を念頭においた商品選択)が見受けられました。特筆すべきは、新品購入においてポジティブな変化(頻度増加、高価格帯の遷移)が多く見られている点です。
従来、シェアリングを通じた消費行動変化について、「新品購入の減少」が強くイメージされていましたが、洋服や化粧品の取引においては、僅かながら減少よりも新品購入頻度増加の影響が多く見られています。
これらはモノに対する消費心理が「所有」から「一時利用」に変遷することで新たに生まれた消費行動の一部だと捉えることができます。

■シェアリング普及後の消費者モデル「SAUSE(ソース)」について
上記のように、シェアリングを通じた消費行動は従来説明されてきたモデルだけでは説明できない特徴が表れており、これらをMRIでは、以下3点の消費者行動の変化に着目し「SAUSE(ソース)」モデルと定義しました。


①Searchから始まる消費行動
スマートフォンの普及によって意思決定までのプロセス(認知・興味・関心)がひとまとめになり、リアルタイムで情報収集(検索)に至る行動に変化。


②モノの「所有」から「一時利用」へのシフト
購入した商品を一時的に利用するものとして捉える心理が働くことで、消費においてもその心理に影響された行動をとるようになった。

③モノの貸与・売却後に決まる商品評価
シェアリングによるモノの貸与・売却を通じて、消費プロセスの最後(手元から商品が離れた時点)に、「利用対価(購入価格から売却価格を差し引いた実質の支払い金額)」という観点で改めてモノに対する評価を行うようになった。

現状、SAUSEで説明した行動モデルは、シェアリングサービスを日常的に利用するユーザーの一部において表れている特徴ですが、シェアリングの普及に伴い、社会・経済全体に大きな影響を与えることが予想されます。
今後は、企業のマーケティング活動においても、シェアリングを通じて自社商品に接していることを鑑みたブランド戦略や販売戦略が重要となってくると考えられます。
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【シェアリングエコノミーに関する意識調査 調査結果サマリー】


1. フリマアプリ利用後、新品購入時に「売却」を意識
●新品購入の際、将来売却することを意識するかという問いに対し、新品洋服購入時の場合65%、新品化粧品購入 時の場合50%が、将来売却することを意識すると回答。


2. フリマアプリ利用後、新品購入頻度に変化
●フリマアプリ利用後、36%が、新品洋服購入頻度が変わったと回答し、うち19%は購入頻度が増加、17%は購入頻度が減少したと回答。
●化粧品の場合、28%が、新品化粧品購入頻度が変わったと回答し、うち14%は購入頻度が増加、14%は購入頻度が減少したと回答。
 

3. 将来「売却」できることが新品購入意欲を後押し

●新品購入頻度が増加した理由の中で、洋服、化粧品両方で上位にランクインするのは「フリマアプリでの売れ行きが良いから」、「フリマアプリで小遣い稼ぎができるようになったから」。

4. 購入する商品ブランドが高価格帯に遷移
●フリマアプリ利用後、52%が購入する洋服の価格帯が変わったと回答し、うち28%が高価格帯にシフトし、24%が低価格帯にシフトしたと回答。
●化粧品の場合、33%が購入する化粧品の価格帯が変わったと回答し、うち18%が高価格帯にシフトし、15%が低価格帯にシフトしたと回答。20・30代で見ると、洋服の場合45%、化粧品の場合36%が高価格帯にシフトしたと回答。

【調査結果詳細】
1. フリマアプリ利用後、新品購入時に「売却」を意識
新品購入の際、将来売却することを意識するかという問いに対し、新品洋服購入時の場合65%、新品化粧品購入時の場合50%が、将来売却することを意識すると回答。
「あとで売却する」という意識は新品購入する商品選択において大きく影響を与えていることがわかりました。

2. フリマアプリ利用後、新品購入頻度に変化
フリマアプリ利用後、36%が洋服の新品購入頻度が変わったと回答し、うち19%は購入頻度が増加、17%は購入頻度が減少したと回答。化粧品の場合、28%が新品化粧品の購入頻度が変わったと回答し、うち14%は購入頻度が増加、14%は購入頻度が減少したと回答。新品購入頻度が減少したユーザーと同程度、増加ユーザーがおり、従来考えられていた「節約手段」以外の利用目的を持っていることが伺えます。

3. 将来「売却」できることが新品購入意欲を後押し
新品購入頻度が増加した理由のなかで洋服、化粧品両方で上位にランクインするのは「フリマアプリでの売れ行きが良いから」、「フリマアプリで小遣い稼ぎができるようになったから」。調査結果から「あとで売却できる」という心理が働くことで、商品購入に対する心理的ハードルが下がる効果があると推察できます。

 

4. 購入する商品ブランドが高価格帯に遷移
フリマアプリ利用後、52%が購入する洋服の価格帯が変わったと回答し、うち28%が高価格帯にシフトし、24%が低価格帯にシフトしたと回答。
化粧品の場合、33%が購入する化粧品の価格帯が変わったと回答し、うち18%が高価格帯にシフトし、15%が低価格帯にシフトしたと回答。

20、30代で見ると、洋服の場合45%、化粧品の場合36%が高価格帯にシフトしたと回答。

売却額を加味することで、商品購入の予算が増え、従来よりも高価格帯の商品を購入する消費傾向が伺えます。また、その傾向はシェアリングサービスを日常的に利用していると想定される20代・30代により強く表れています。

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会社概要

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URL
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業種
情報通信
本社所在地
東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー
電話番号
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代表者名
山田進太郎
上場
マザーズ
資本金
125億5020万円
設立
2013年02月