CureAppと自治医科大学が共同研究を進める高血圧治療アプリ国内第Ⅲ相臨床試験にて主要評価項目を達成

高血圧領域において日本初の革新的な治療法の確立に向け躍進

株式会社CureApp

報道関係者各位
2021年3月16日


株式会社CureApp(本社:東京都中央区 代表取締役社長:佐竹 晃太 以下、当社)は、当社で開発を行い、自治医科大学内科学講座循環器内科学部門の苅尾七臣教授らと共同研究を行なっていた高血圧症に対する治療アプリ®︎(以下、本治療アプリ)に関して、国内第Ⅲ相多施設共同無作為化比較試験(治験)を完了し、主要評価項目である24時間の平均収縮期血圧*1において統計学的な有意差が認められ、本治療アプリの降圧効果が確認されたことを報告致します。今後この治験の結果を用いて薬事承認申請を行って参ります。



治験概要と高血圧治療アプリの有効性について

本治験は2019年12月に開始され、降圧薬による内服治療を受けていない本態性高血圧症の患者様を対象に、治療アプリ®️の有効性と安全性を評価した試験*2です。高血圧治療ガイドライン2019(以下「ガイドライン」)*3に沿った生活習慣の修正のみを行う対照群と、ガイドラインに沿った生活習慣の修正に加え「治療アプリ®️」を使用する介入群の2群に分け比較検討をしております。

結果として、主要評価項目である「登録12週時時点における自由行動下血圧測定(ABPM)*4 による24時間の収縮期血圧の平均値のベースラインからの変化量」において、介入群は対照群に比べて統計学的な有意差が認められ、本治療アプリが高血圧症の治療に寄与したことが示されました。本治験結果の詳細に関しては、今後学会や論文での発表を予定しており、別途お知らせをさせていただきます。

高血圧症に対する「治療用アプリ」の可能性

高血圧は脳心血管病(脳卒中や心疾患)最大のリスク因子であり、高血圧に起因する脳心血管病死亡者数は年間約10万人*5と推定されています。日本国内での高血圧者の推定人口は約4300万人*3、高血圧に関連する医療費は約1.7兆円*6にものぼりますが、継続的に治療を受けていると推測される患者数は約1000万人*7であり、全体の1/4にも満たないのが実状です。

高血圧の治療には生活習慣の改善が不可欠ですが、患者様の価値観や意欲、職場・家庭環境などに左右されるため継続が難しく、医療機関による効果的な介入も困難という課題がありました。また、「薬には頼りたくない」という患者様も一定数おられ、降圧の達成に苦慮される場合も少なくありません。このような課題に対し、本治療アプリは、個別最適化された治療ガイダンス(IoT血圧計を用いた血圧モニタリングと生活習慣ログから最適化された食事、運動、睡眠等に関する知識や行動改善を働きかける情報)を患者様へ自動で直接提供します。意識・行動変容を促して患者様の正しい生活習慣の獲得をサポートすることで、薬を使わずに高血圧の状態から脱するという治療効果を導きます。

*1 収縮期血圧 :血圧測定で測定される、高い方の血圧。
*2 Kario K. Nomura A. Satake K. et al. A multicenter clinical trial to assess the efficacy of the digital therapeutics for essential hypertension: Rationale and design of the HERB-DH1 trial. J Clin Hypertens. (Greenwich) 2020;22(9):1713-1722  https://doi.org/10.1111/jch.13993
*3 高血圧治療ガイドライン2019[JSH2019] 日本高血圧学会(2019) https://www.jpnsh.jp/guideline.htm
*4 自由行動下血圧測定(ABPM) :普段どおりの生活をしながら 24時間一定間隔で継続的に血圧を測定する検査。血圧は様々な要因で上下するので、血圧の日内変動(1日の変動パターン)を知ることができます。
*5 「人口動態統計の概況」令和元年度調査(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei19/dl/15_all.pdf
*6 「国民医療費の概要」平成30年度調査(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/18/index.html
*7 「患者調査」平成29年度調査(厚生労働省) 
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/17/dl/05.pdf

 




自治医科大学 内科学講座循環器内科学部門
教授 苅尾 七臣



 世界初の高血圧治療用アプリが、第Ⅲ相臨床試験(治験)において主要評価項目である24時間の平均収縮期血圧で降圧効果を確認できたことは、高血圧治療におけるたいへん意義深い大きな第一歩です。高血圧に対しては、早期からの治療介入と徹底した降圧の達成により、重症化リスクを低減することが重要であり、治療の基本には、減塩、適正体重の維持、運動や睡眠など生活習慣の見直しが必ず求められます。精緻な双方向性アルゴリズムに基づく本治療アプリによる『デジタル高血圧治療』は、高血圧治療の新領域として、今後の個別最適化医療の社会実装、および薬に頼らない非薬物治療の一翼を担うことが期待されます。



株式会社CureApp
代表取締役社長 兼 医師 佐竹晃太


医学的エビデンスに基づいて個別化されたアドバイスを提供するために、アルゴリズム作成にも力を入れ、患者様がデータを入力してくださるほど、より最適化されたアドバイスを提供することになります。高血圧症における「治療アプリ®︎」の普及は、高血圧治療に変化をもたらすだけでなく、医療費削減にも大きく貢献することができると考えております。昨年、日本で初めて保険適用された弊社のニコチン依存症治療アプリ「CureApp SC」と同様に、「高血圧治療アプリ」も薬事承認及び保険適用を目指していきます。




株式会社CureAppについて

株式会社CureAppは、高度なソフトウェア技術と医学的エビデンスに基づいた疾患治療用プログラム医療機器創出に向け、研究開発を行い、製造販売を目指すMedTechベンチャーです。「アプリが病気を治療する効果を持つ」という新しい医療サービスを日本で初めて実現するために、病気を治療するアプリである「治療アプリ®︎」の開発に取り組んでいます。2020年8月には、疾患治療用アプリとして国内初となる、ニコチン依存症治療アプリ及びCOチェッカー「CureApp SC」の薬事承認を取得、同年12月より保険収載され処方を開始しました。
現在、高血圧治療アプリ以外に研究開発中の治療アプリ®︎は、東京大学医学部附属病院と共同開発・臨床試験中のNASH(非アルコール性脂肪肝炎)治療アプリ、独立行政法人国立病院機構久里浜医療センターとアルコール依存症治療アプリの共同研究中、第一三共株式会社と共同開発中のがん患者支援治療アプリがあります。

加えて、これら医療機関向け治療アプリ®︎の開発で蓄積した知見を活用し、民間法人向けモバイルヘルスプログラムの「ascure卒煙プログラム」、「特定保健指導対応型ascure卒煙プログラム」を提供し、200を超える多くの企業、健康保険組合などに導入をいただいています。

さらには、日本で生み出したモデルをベースに「日本発のデジタルヘルスソリューション」として、順次グローバルにも展開していく予定です。


※「治療アプリ®︎」は株式会社CureAppの登録商標です。


【株式会社CureApp 会社概要】
代表取締役社長:佐竹 晃太
本社所在地:東京都中央区日本橋小伝馬町12-5 小伝馬町YSビル4階
事業内容:プログラム医療機器開発、モバイルヘルス関連サービス事業
URL:http://cureapp.co.jp/

【自治医科大学 概要】
名称 :学校法人自治医科大学
代表 :理事長 大石 利雄
所在地:栃木県下野市薬師寺3311-1
URL:http://www.jichi.ac.jp/

 

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会社概要

株式会社CureApp

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URL
http://www.cureapp.co.jp/
業種
医療・福祉
本社所在地
東京都中央区日本橋小伝馬町12-5 小伝馬町YSビル4階
電話番号
-
代表者名
佐竹晃太
上場
未上場
資本金
5000万円
設立
2014年07月