スキンケアセラピー実現の土台を構築 ポーラ化成、世界的に権威ある化粧品技術者学会にて発表
スキンケア品の感触をポジティブに知覚させ、心理状態を快に
論文タイトル
『スキンケアの触感に宿るヒミツの力 ~スキンケアセラピーの確立に向けて~ 』
英文名:“The secret power of texture in skincare ~Establishment of skincare-therapy〜”
発表者: 池島 俊季、大石 貴矢、諸隈 亜佑美、大久保 堅三郎、水越 興治
ポーラ化成工業㈱ フロンティアリサーチセンター
発表内容概要
私達は日々、さまざまなストレスにさらされており、時には不快な心理状態に陥ってしまいます。ポーラ化成工業では、スキンケア品の触感(モノに触れたときの感じ方)や使用時の環境を通して心理状態を快にする「スキンケアセラピー(図1)」を確立し、多くの方が日々行うスキンケアの心理的効果を高めて、セラピーに拡張すべく研究を行いました。
これまでの研究では、触感が心理状態に与える影響が確認されてきた一方で、不快な心理状態まで癒すスキンケアの設計は難しいのが実情でした。
そこで本研究では、心理状態が触感に与える影響に着目し、その影響を確認することで、スキンケアを使用する時の最適な環境や、異なる触り方に適したスキンケア品の物性を見出し、心理状態と触感を従来以上に快に導けると考え、下記3ステップで検討を行いました。
「心理状態」が「スキンケアの触感」に与える影響を解明
①の結果を踏まえ、画像や音楽などの使用環境を利用して、スキンケア品の触感や心理状態を快に導く方策を検討
心地良い触感に導くために重要なスキンケア品の物性的特徴を触り方に応じて解明
本研究で得られた知見により、心理状態を快に導くことのできるスキンケア品や使用環境を、使用シーンに合わせて効果的に設計できるようになりました。これはスキンケアによるセラピー実現の土台となる大きな前進で、スキンケアが秘めていたWell-beingへの可能性を解き放つ大きなマイルストーンになると考えています。
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ポーラ化成工業では今後も、革新的な技術開発を通じてWell-beingをもたらすモノづくりを目指します。
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【補足資料1】 研究で分かったこと
検討①「心理状態」と「スキンケアの触感」の関係とは?
研究の結果、心理状態はスキンケア品の触感に影響し、心理状態と触感は相互に影響を及ぼす関係にある(※1)ことが判明しました(図2 発見①)。つまり、心理状態を快にすると、相互作用により、さらにスキンケア品の触感をポジティブにできると考えられます。
検討②、③ 心理状態と触感のループをポジティブサイクルに導くために
次に、心理状態と触感の両面に働きかける方策を検討しました。その結果、スキンケア使用中に視覚・聴覚刺激を用いることが有用(※2)であることや(図2 発見②)、スキンケア品への触り方に応じて触感向上に重要な物性が異なること(図2 発見③)(※3)を見出すことに成功。これにより、スキンケアセラピー実現に向けた土台が整いました。
※1 20-50代男女108人が、20日間にわたり心理状態の評価とスキンケア品の触感を評価した。
※2 画像または音楽の刺激を被験者に提示してからスキンケア品の触感と心理状態を評価いただき、視覚や聴覚の影響を調べた。被験者は、視覚の影響を確認する試験:20-50代男女44名、聴覚の影響を確認する試験:同64名。
※3 スキンケア品を自分で塗る場合と他者から塗ってもらう場合に分けてスキンケア品の触感を被験者に評価いただき、触り方ごとの触感評価とスキンケア品の物性の関連性を確認。被験者は20-50代女性30名。
【補足資料2】 IFSCCについて
IFSCC世界大会は、世界中の化粧品技術者・研究者にとって最も権威のある学会で、最先端の化粧品技術が披露されます。応募論文はIFSCCの厳正な審査を受け、選ばれたものだけに発表が許されます。今回は口頭で76件、ポスターではそれを上回る多数の論文が発表されました。
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