第22回学事出版教育文化賞決定! 過去最多111本の応募論文から、子どもたちの「きらめき言動」集を作成し、自尊感情を育むしくみを作った取組に教育文化賞授与

優秀賞には「Agencyを育む教科教育の在り方の探究」の1編、今年創設した雑誌賞に2編を授与。受賞論文は当社月刊誌2025年4月号・5月号に掲載いたします。

学事出版株式会社

教育書を刊行する学事出版株式会社(鈴木宣昭 代表取締役社長)は、第22回学事出版教育文化賞の最終選考を実施し、永田守氏(元兵庫県芦屋市立打出浜小学校)による「児童の自尊感情を育む学校づくりをめざして ――打小発『きらめき言動』集の取組を起点として」に教育文化賞(最優秀賞)を、他1本の論文に優秀賞、さらに2本の論文に今回新たに創設した雑誌賞を授与することに決定いたしました。なお、教育文化賞・優秀賞受賞論文は、当社が刊行する月刊誌『月刊高校教育』『月刊生徒指導』の2025年4月号(3月13日発売)に、雑誌賞は『学校事務』『月刊生徒指導』の2025年5月号(4月12日発売)にそれぞれ掲載予定です。

学事出版教育文化賞は、全国のすぐれた教育実践を発掘・顕彰することを通して、教育関係者の皆さまの新たな取り組みを奨励し、教育の質向上の一助となることを目指して2003年に創設されたものです。22回目を迎える今回は、全国から111本と過去最多の応募がありました。

今年は新たに、当社刊行の月刊誌3誌(『学校事務』『月刊生徒指導』『月刊高校教育』)の扱うテーマに関したすぐれた実践を表彰する「雑誌賞」を新設。

選考委員による厳正な審査の結果、以下の通り教育文化賞、優秀賞、「学校事務」賞、「月刊生徒指導」賞を授与することに決定いたしました。


第22回学事出版教育文化賞 受賞論文

◆教育文化賞

【タイトル】

 児童の自尊感情を育む学校づくりをめざして ――打小発「きらめき言動」集の取組を起点として

【受賞者名】

 永田 守 氏(元兵庫県芦屋市立打出浜小学校)

【論文概要】

 子どもたちの自尊感情を学校生活の中でいかに高めていくか。目の前の子どもの「きらめき言動」を「①見つけ②価値づけ③発信する」取組を学校全体で行った。その具体的な実践内容、成果と課題について論述する。

受賞コメント

この度は、名誉ある教育文化賞を賜りまして、感謝申し上げます。学校現場は「ブラック」とよく言われます。教職員の心と体の「ゆとり」の喪失は、目の前に向き合う子どもたちにも大きな影響が及ぼされると懸念します。一方で、学校での子どもたちの様子をアンテナ高く感度をあげて見てみると、毎日、多くの「きらめき言動」が生まれていることに気づかされます。しかし、こういった「きらめき言動」はキャッチしなければ、すぐに消えてしまいます。そんな目の前で起きた「無形文化財」を「有形文化財」にする有効な手だてが「きらめき言動」の取組だと考えます。この「有形文化財」は、子どもたちと私たち教職員とのかけがえのない「共同作品」であり「物語」でもあります。これらが子どもたちや私たち教職員の「自尊感情」を育む力になると信じます。

※本論文は『月刊高校教育』2025年4月号(2025年3月13日発売号)に掲載されます。

◆優秀賞

【タイトル】
 Agencyを育む教科教育の在り方の探究
――児童と共につくる授業と年間カリキュラム
【受賞者名】
 川端 康誉 氏
(福井県坂井市立平章小学校)
【論文概要】
 Agencyを育むことのできる授業の在り方を目指して授業改善に取り組んだ。まず、「一斉授業」「課題解決型の授業」「児童による授業」「個別最適を目指した自主授業」の4つの授業スタイルを児童に提示した。そして、それぞれの授業スタイルでは、どんな力をつけることができるかを確認した。その後、総合的な学習の時間を成功させるための、授業の年間計画を児童と共に作成し、その計画を元に授業を進めた。年間の初めと終わりに意識調査を行い成果と課題を検証した。

受賞コメント

「学校での学びは特にない」―以前、私が勤務していた学校で、子ども達から聞いた言葉です。授業は黒板を写すことに終始し、テストのために知識を詰め込むことが主な学びとなっている現状に限界を感じた瞬間でした。VUCA時代においては、教育は知識の詰め込みにとどまらず、児童が自ら学び、行動する力、すなわち「Agency」を育むことが重要です。そのため、「Agency」を育むことのできる教科教育の在り方を目指し、実践を重ねてきました。その結果、児童の主体的な学びが促進され、一定の成果を得ることができました。本実践が授業のあり方で悩んでいる方の何かヒントになれば幸いです。最後になりますが、このような栄誉をいただけたこと、大変光栄に思います。教育現場で少しでも役立てるよう、引き続き努力してまいります。

※本論文は『月刊生徒指導』2025年4月号(2025年3月13日発売号)に掲載されます。

◆「学校事務」賞

【タイトル】
 ソーシャルワーク視点を踏まえた学校事務を行う意義と取り組みについて

【受賞者名】
 武井 大輔 氏
(神奈川県綾瀬市立天台小学校)
【論文概要】
 
事務全般に係る提案や助言にかかわる事務職員がソーシャルワークの視点を取り入れて職務を行うことは、子どもたちの個々の最適な学びを実践することにつながる。事務職員は「学校組織における総務・財務等に通じる専門職」とされるが、総務は学校組織が円滑に動くように手を講じる組織運営全体に関わる業務である。社会福祉士・精神保健福祉士の国家資格をもつ事務職員として、ソーシャルワークを踏まえた取り組みについて述べる。

受賞コメント

このたびは、新規創設の「学校事務」賞、初代表彰として選出いただき大変光栄に存じます。3つの異なる市での様々な経験を踏まえ標準職務の枠組みを超越した「能動型の学校事務職員」を目指したく、論文を執筆しました。学校事務職員は、案件の発生によって対処する「受動型の学校事務」が中心です。昨今の複雑化・多様化する環境下で、大局観をもって職務に取り組むことが今後は求められると私は考えております。社会福祉関係の国家資格(三福祉士)を自己研鑽で取得し、昨年は児童相談所でケース記録の記入方法も学習しました。SOAPという医療現場のカルテ記録方法を応用し、日々の職務へ昇華する実践が、本論文の要旨になります。「学校事務賞」が、各地で学校事務職員による新たな実践が活性化する契機となりますことを心より祈念いたしております。

※本論文は『学校事務』2025年5月号(2025年4月12日発売号)に掲載されます。

「月刊生徒指導」賞

【タイトル】
 SNSの疑似体験で子どもたちの情報モラルを育てる実践
――Googleクラスルームを活用して
【受賞者名】
 高田 保則 氏
(紋別市立紋別小学校)
【論文概要】
 
Googleクラスルームのネットワークコミュニティーを作り、小中学生がSNSの疑似体験をしながら、情報モラルを学ぶ実践に取り組んだ。子どもたちは、自分たちでルールを定め、マナーを意識し、情報交流を楽しんでいた。この実践が、子どもたちの情報モラルの育ちに寄与したのかを検証するため、質的分析と量的分析を試みた。その結果、Googleクラスルームを活用した実践は、子どもたちの情報モラルを育てる可能性がある事が示唆された。

受賞コメント

「これ、楽しいんだよね」。通級指導教室に別室登校していた子の一言が、実践のきっかけでした。実践論文をまとめた際に、Googleクラスルームに投稿して子どもたちに読んでもらいました。「紋別の子どもたちが、こんな素敵なコトをやっているのを沢山の先生方に知って欲しいのです」と意図を伝えました。子どもたちから、「いいと思います」「頑張って!」とコメントが寄せられました。良い報告ができそうです。ibisPaint俱楽部のGoogleクラスルームを開設して3年が経ちました。登録者は100名を超え、毎日誰かが投稿し、誰かがコメントを寄せています。毎朝それらを眺めるのが、私の楽しいルーティンワークになりました。風変わりな実践を温かく見守っていただき、応援していただいた学校関係者の皆さまに感謝いたします。ありがとうございました。

※本論文は『月刊生徒指導』2025年5月号(2025年4月12日発売号)に掲載されます。

「月刊高校教育」賞

該当なし


選考委員

秋田喜代美氏(学習院大学文学部教授)

村井正美氏(読売新聞東京本社編集局地方部長)

妹尾昌俊氏(教育研究家、一般社団法人ライフ&ワーク代表理事)

学事出版教育文化賞について

当社の創立40周年を記念して2003年度に創設。全国の様々な教育実践を幅広く募り、優れた実践を顕彰することを通して、教育関係者の新たな取り組みを奨励し、学校教育向上の一助となることを目指している。例年多くの応募があり、外部有識者も含めた選考委員会にて「教育文化賞」、「優秀賞」、「奨励賞」等を選出。今年は新たに当社刊行の月刊誌のテーマに即した実践を表彰する雑誌賞を創設。

第21回学事出版教育文化賞表彰式
教育文化賞・優秀賞にはトロフィー授与

第23回学事教育文化賞は、2025年6月頃から募集開始を予定しております。

最新情報は当社ウェブサイトをご覧ください。

https://www.gakuji.co.jp/

会社概要

会社名:学事出版株式会社

代表取締役社長:鈴木宣昭

所在地:東京都千代田区神田神保町1-2-5 和栗ハトヤビル3F

事業内容:教育関連図書・教材の出版

コーポレートサイト:https://www.gakuji.co.jp/

公式X(Twitter):@gakuji_shuppan https://twitter.com/gakuji_shuppan

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会社概要

学事出版株式会社

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URL
https://www.gakuji.co.jp/
業種
教育・学習支援業
本社所在地
東京都千代田区神田神保町1-2-5 和栗ハトヤビル3F
電話番号
03-3518-9067
代表者名
鈴木宣昭
上場
未上場
資本金
1380万円
設立
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