「1000頭規模の酪農場」「年間15000トン規模の国産飼料センター」「びん牛乳工場」の立地表明を大分県庁で実施
生産者が経営に参画する「新しい産直」で、80億円規模の投資を実施へ
大分県の佐藤知事、中津市の奥塚市長に対し、グリーンコープより立地表明書を手渡した後、計画の概要を説明いたします。立地表明には大分県、中津市、そしてグリーンコープ幹部だけではなく、酪農場を運営するためグリーンコープと生産者が協働で設立した企業の株式会社耶馬溪ファームも出席します。
事業の背景
ウクライナや中東など国際情勢の流動化、さらには円安の進行によって、輸入飼料が高騰しています。かつて輸入混合飼料は1トン6万5000円程度だったのが、今では10万円にまで値上がりしています。
今や牛乳代に占める飼料代の割合は、耶馬溪酪農組合では昨年度は平均で90%に達しています。このままでは、国内で安心・安全・高品質な牛乳を安定供給することが不可能となるのは明らかです。
国際情勢や為替に影響されず、安心・安全・高品質な牛乳を安定供給するには輸入飼料に頼らない生産体制の構築、すなわち飼料の国産化が不可欠となってきます。
そこで、グリーンコープは先月、下郷農業協同組合、耶馬溪酪農組合と基本協定書を締結しました。この協定に基づき、国産飼料の製造から乳牛の飼育、そして牛乳の製造まで一貫して行える体制を新たに構築することにしたのです。
下郷農業協同組合、耶馬溪酪農組合との取り組み
グリーンコープは先月、下郷農業協同組合、耶馬溪酪農組合と基本協定書を締結しました。基本協定に基づき、「1. 1000頭規模の酪農場の建設」「2. 年間15000トン規模の国産飼料をつくるためのTMRセンター建設」「3. びん牛乳工場の建設」を3者の共同経営で行います。これら一連の取り組みは、来年中の稼働を予定しています。
一般的な「産直」とは、生産者とグリーンコープのような販売者の関係は「つくる、売る」という一方向の、シンプルな関わり方でした。ですが今回の提携によって、生産者がグリーンコープと共同で牛乳や飼料をつくり、経営にも参画する「新しい産直」を目指しています。
1. 1000頭規模の酪農場の建設
新設する酪農場では、循環型の酪農を行います。朝夕2回、牛舎内でふん尿におが粉を混ぜ、ロータリーで撹拌するなどして、水分量50%以下の完熟堆肥をつくります。牛舎の通路を広くとることで、牛にストレスを与えない工夫を施します。酪農場の運営にあたるための新会社「株式会社耶馬溪ファーム」を3者で出資し設立しました。
2. 年間15000トンの国産飼料をつくるためのTMRセンター建設
TMRとはTotal Mixed Rationの頭文字で「混合飼料」と訳されます。TMRセンターは、いわば混合飼料の「給食センター」です。酪農家が個々に飼料をつくるよりも遥かに効率的に生産できるので、飼料代を抑えることができます。また豆腐粕や焼酎粕といった地元産の食品の副産物を活かすことで、無駄なく栄養価の高い飼料をつくることもできます。運営は3者共同で出資し設立する新会社「合同会社グリーンコープTMRセンター」が担います。
3. びん牛乳工場の建設
びん牛乳工場を建設します。グリーンコープが「びん」にこだわるのは、再利用可能で環境への負担が少ないからです。酪農家がつくった生乳を一滴も捨てない工場を目指します。3者共同で出資し設立した新会社「株式会社グリーンコープミルク」が運営します。
立地表明概要
日時:11月20日(月)11:30 ~
場所:大分県庁(大分県大分市大手町3丁目1−1)
式次第:
・佐藤大分県知事、奥塚中津市長に、グリーンコープから立地表明書を手渡し
・グリーンコープから組織概要、立地の概要などを説明
・佐藤大分県知事、奥塚中津市長からの挨拶
・記念撮影
組織概要
一般社団法人グリーンコープ共同体
福岡市博多区博多駅前一丁目5番1号
代表理事 日高 容子
https://www.greencoop.or.jp/
2018年、グリーンコープ生活協同組合連合会や、社会福祉法人グリーンコープ、労働協同組合など、九州(福岡、佐賀、長崎、大分、熊本、宮崎、鹿児島)、近畿(大阪、兵庫、滋賀)、中国(鳥取、岡山、島根、広島、山口)、そして福島の16の生協、各種団体とともに「一般社団法人グリーンコープ共同体」を設立。ひとつのグリーンコープのように持てるものを共有・連帯しながら、それぞれの地域に根ざした生活協同組合として活動してきました。「安心・安全な食べものを子どもたちに食べさせたい」という母親の想いからはじまって、それぞれの地域を豊かにしていくことを目指しています。
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