東京医科歯科大学とVIE STYLE、精神・メンタルヘルス領域での共同研究を開始
イヤホン型脳波計を用いて健常者を対象とした不安・緊張状態の把握に着手、将来的な臨床応用を目指す
共同研究の概要
日本国内では約8割の方が何らかの悩みや不安を抱えながら生活していると言われています。不安や緊張は精神障害の主要な症状となるだけでなく、健常人にも起こる精神状態です。ストレスやプレッシャーによって不安・緊張が生じ、一時的に動作等が円滑に行うことができなくなることを「Choking under pressure」現象と呼びます(日本では「あがり」ともいう)。その結果、スポーツや仕事におけるプレゼンテーションなどでパフォーマンスが低下してしまうことは、私たち誰もが経験することです。
こうした「自分でコントロールしたくても出来ない(気分などの)メンタル状態」に関しては、専門的なセラピストによる認知行動的な療法か、実験室環境で行うニューロフィードバック、投薬などが提案されていますが、多くの人が手軽に利用できる手段ではないことが課題でした。そこで、東京医科歯科大学が強みとする各種精神症状への生物学的精神医学のアプローチと、ヴィースタイルが持つウェアラブル脳波計「VIE ZONE」と汎用ニューロフィードバックアルゴリズムを組み合わせることで、不安や緊張状態に対して、在宅でも行えるような簡易な訓練プログラムの開発を進めることとなりました。
本研究では、まずは健常者を対象に不安・緊張状態をイヤホン型脳波計を用いて把握することが可能かどうか検証を行い、その後不安・緊張状態でない状態との判別が可能かを検討します。将来的には、不安・緊張だけでなく、焦燥・渇望といった他の精神障害と結びつきやすい状態に関する応用研究も行い、従来のアプローチが手に届かなかった「症状を緩和・解消するための新たな介入手法」としての開発を目指します。
東京医科歯科大学 精神行動医科学分野 髙木俊輔助教のコメント
近年はスマートウォッチなどセンサーが内蔵されたデバイスを常に身につけて脈拍などを日常でモニターできるようになってきています。しかし、現在一般に普及しているデバイスではセンサーは単純なものしか計測できておらず、人の心に直接関係する生体活動を捉えることはできませんでした。今回研究を行うヴィースタイルの開発した脳波計は一般に普及できるデバイスで、十分な精度の脳波計測が行える可能性があると感じました。脳波は個々の脳神経の活動が直接反映された生体活動指標です。日常で脳波を使用して自らの脳の働き=感情や思考の動きを把握できればより高度な感情や思考のコントロールができるようになるかもしれません。当共同研究でそのような研究結果が得られることを期待しています。
東京医科歯科大学病院 精神科 治徳大介講師のコメント
ヴィースタイルの開発したイヤホン型脳波計は、簡便でありながら精度が高く、さまざまな臨床応用が考えられるデバイスです。まずは健康な方の心の状態を把握するところからスタートしていき、将来的には、ゲーム障害や気分障害といった精神疾患に対象を広げることを視野に入れております。ヒトの心の把握や、これら精神疾患の診断や新しい治療法の開発につながる研究になることを期待しております。
東京医科歯科大学について
東京医科歯科大学は、1928 年10 月12 日に官立歯科医学教育機関として設置され、学問と教育の聖地である湯島・昌平坂において、医学と歯学の融合を通じて、先進的な医療の実践に従事する日本で唯一の医療系総合大学院大学として「知と癒しの匠」を創造し、人々の健康と社会の福祉に貢献しております。
VIE STYLE株式会社について
ヴィースタイルは、「Live Connected, Feel the Life~」をミッションに掲げ、ニューロテクノロジーとエンターテイメントで、感性に満ちた豊かな社会をつくることをサポートするプロダクトを創造することで、ウェルビーイングに貢献し、さらに、脳神経に関わる未来の医療ICT・デジタルセラピューティクスの発展にも寄与していきます。
会社名 | VIE STYLE(ヴィースタイル)株式会社 |
代表取締役 | 今村 泰彦 |
所在地 | 神奈川県鎌倉市材木座5-10-14 |
関連会社 | VIE STYLE,INC. (US法人) |
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