正常データだけでAI学習!リザバーコンピューティング設定最適化ツール「QoreTune」を提供開始

エッジAI振動異常検知ソリューション「VADQore」のチューニングを効率化。既存の「VADQore View」と連携したデータ活用サイクルを実現。AI人工知能EXPO2025(春)にてデモ公開

株式会社QuantumCore

フル機能のエッジAIを提供する株式会社QuantumCore(本社:東京都品川区、代表取締役:秋吉 信吾、以下「当社」)は、当社のリザバーコンピューティング技術を基盤とした振動異常検知ソリューション「VADQore」性能を最大限に引き出すパラメータ調整ツール「QoreTune」の提供を開始いたしました。本ツールは、振動・音響センサーによる異常検知パラメータを直感的なUIで最適化し、最短10秒の学習データから高精度な異常検知モデルを構築することが可能です。また、既にリリース済みのタブレットダッシュボード「VADQore View」と連携することで、データ収集から分析・最適化までの一貫したワークフローを実現します。

単体動作可能なエッジAIデバイスからモニタリングツール、そしてチューニングツールまでラインナップ

本製品を含む関連ソリューションのデモンストレーションを、現在開催中のAI人工知能EXPO2025(春)にて出展しております(東京ビッグサイトにて2025年4月15日~17日)。実際の検知精度や運用イメージをその場でご体験いただけますので、ぜひブースまでお越しください。

 開発背景と概要 

当社は従来より、振動・音響データからリアルタイムで異常を検知するエッジAIデバイス「VADQoreシリーズ」を提供してまいりました。この製品は、物理学由来のリザバーコンピューティング技術を採用し、正常データのみの少量サンプルから高精度な異常検知モデルを構築できることが特長です。

すでにリリースしている「VADQore View」は、タブレット1台でVADQoreデバイスをBluetooth接続し、オフラインでの管理・データ取得・設定変更を可能にするダッシュボードアプリです。振動データをリアルタイムでグラフ表示し、異常検知履歴の管理も行えます。

今回新たにリリースした「QoreTune」は、VADQore Viewで収集したデータを活用し、VADQoreの能力を最大限に引き出すための専用チューニングツールです。異常検知の閾値やパラメータを最適化し、多様な産業機器や環境に合わせた高精度な設定ファイルを生成することが可能になりました。専門知識がなくても、直感的なUIでリザバーコンピューティングの高度な設定を調整できるため、導入・運用のハードルを大幅に下げています。

ノーコードで可視化しながらパラメータチューニングが可能

 「VADQore View」と「QoreTune」の連携による最適化サイクル 

  1. データ収集:VADQore View
    タブレットとVADQoreデバイスをBluetooth接続し、振動・音響データをリアルタイムで可視化。 複数のVADQoreデバイスを同時に管理し、収集したデータをCSV形式でエクスポート。

  2.  

    データ分析・最適化:QoreTune
    VADQore Viewからエクスポートしたデータを取り込み、リザバーコンピューティングのパラメータを最適化。 異常スコア分布や検知精度を視覚的に評価し、最適な設定を探索。 

  3. 設定適用:VADQoreデバイス
    QoreTuneで生成した最適な設定ファイルをVADQoreデバイスに適用し、検知精度を向上。 VADQore Viewを通じて設定の変更や更新が可能。 

この一連のサイクルにより、現場での運用データに基づいた継続的な検知精度の向上が可能となります。オフラインでの完結したワークフローのため、クラウド接続が難しい環境でも高度なAI最適化が実現できます。

QoreTuneの特長

  1.  データ取り込み & プレビュー機能
    正常データ(OK)、異常データ(NG)、テストデータをCSVファイルから簡単に取り込み可能。 VADQore Viewアプリと連携し、実機で取得したデータをシームレスに分析できます。 

  2. リザバーモデル設定の直感的UI
    リザバー内部ユニット数、スペクトル半径、リーク率など、専門的なパラメータを視覚的に調整。 技術者でなくても、最適な設定を簡単に探索できます。 

  3. シグナルタイプ別の前処理設定
    音声振動などの前処理パラメータを信号タイプに合わせて最適化。 多様な現場環境に適応した設定が可能です。弊社独自技術「マルチパスフィルタ」の適用も可能です。

  4. 包括的な分析結果表示
    精度、適合率、再現率、F1スコアの算出や、異常スコア分布、ROC曲線、PR曲線の可視化機能を搭載。 設定の良し悪しを数値・グラフで直感的に把握できます。

  5.  設定ファイル出力と自動適用
    最適化された設定ファイルを自動生成し、VADQoreデバイスに直接適用可能。 HTML形式の詳細分析レポートも生成でき、チーム内での情報共有に最適です。 

AI人工知能EXPO2025(春)でのデモ展示

開催日時:2025年4月15日~17日 

会場:東京ビッグサイト 

ブース番号:東6ホール AI・ディープラーニングゾーン AI-42

展示内容: 

  • QoreTuneを使用したVADQoreパラメータ最適化デモ

  • VADQore ViewとQoreTuneの連携ワークフローデモ

  • VADQoreシリーズ製品の実機展示と異常検知デモ

  • リザバーコンピューティングを活用した各種エッジAIソリューション 

本デモでは、実際の工場設備や機械から取得した振動データをVADQore Viewで収集し、QoreTuneでどのように異常検知の精度を向上させるかをリアルタイムで体験いただけます。オフラインでのデータ活用サイクルの完全なデモンストレーションをご覧いただけますので、製造業や設備保全に携わる企業様はぜひご来場ください。

 今後の展望 

当社では、リザバーコンピューティング技術を基盤とする「Qoreシリーズ」をさらに発展させ、振動・音響異常検知にとどまらない多様なエッジAI応用を推進してまいります。特に「正常データのみからの学習」と「エッジデバイスでのリアルタイム判定」という強みを活かし、製造業、建設業、交通・物流など様々な産業分野での予防保全や品質管理の革新に貢献いたします。

また、「VADQore View」と「QoreTune」の機能連携をさらに強化し、より効率的なデータ活用サイクルの実現を目指します。特にオフライン環境で完結する異常検知パイプラインの構築を重視し、セキュリティやプライバシーの観点からもクラウド依存を最小限に抑えたソリューション提供を継続してまいります。

 株式会社QuantumCoreについて 

当社はリザバーコンピューティング(Reservoir Computing)の研究で著名な東京大学・池上 高志教授と公立はこだて未来大学・香取 勇一教授をリサーチアドバイザとして迎え、「少量データ」を「エッジ上」で「リアルタイム学習」できる多変量時系列処理ソリューション「Qoreシリーズ」を開発・提供しています。ビッグデータありきの作りきりモデルではなく、環境や設備に合わせて柔軟に学習・適応するAIを実装することで、データ収集や計算リソースの制約が大きい現場にも新たな可能性をもたらします。

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会社概要

株式会社QuantumCore

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URL
https://www.qcore.co.jp
業種
サービス業
本社所在地
東京都品川区西五反田2-14-13
電話番号
-
代表者名
秋吉 信吾
上場
未上場
資本金
-
設立
2018年04月