KARIMOKU RESEARCH Survey 02:TIMELESS CHANGE
時間とともに生き、残るものとは---TIMELESSを考える『STAKKO Chunks & Blocks』curated by Postalco Design Studio
カリモク家具株式会社(本社:愛知県知多郡東浦町、取締役社長:加藤正俊、以下「当社」)は、KARIMOKU RESEARCH CENTER(以下、「当施設」)にて、2025年4月26日(土)〜8月8日(金)までの間、新たなテーマ『Survey 02: TIMELESS CHANGE』のもと、新エキシビションをスタートします。

KARIMOKU RESEARCHが発表する3回目の『Survey』のテーマは、『Survey 02:TIMELESS CHANGE』。東京を拠点とするポスタルコデザインスタジオ(以下、ポスタルコ)をResearcherとして迎え、時間の本質とその変化を探ります。1Fの「THE ARCHIVE」では、ポスタルコと協働し、”ひとつのブロック”を起点に新たな家具のあり方を提案します。本プロジェクトでは、モジュールという概念を通じ、変化し続ける現代の暮らしに適応する家具の可能性を探求しました。私たちの生活は日々変化し、住まいと仕事の境界も曖昧になりつつあります。そのような時代において、家具はどのように”タイムレス”であり得るのか?当社はポスタルコと共にその問いに向き合い、新たな選択肢を探る旅へと出かけました。本展示では、ライフスタイルの変化を受け入れながら、環境と共鳴し進化する家具の可能性を提示します。
また、地下1Fの「THE STUDY」では、同時開催プログラムとして、フォトグラファー・濱田英明による写真と映像の展示『時間の面影 – resemblance of time -』を開催します。濱田の作品は、移ろいゆく風景や人々の姿を通じて、「時間とは何か」という根源的な問いを静かに浮かび上がらせます。一瞬ごとに過ぎ去る時間の儚さと、その中に宿る豊かさ。そこに刻まれた確かな「時の痕跡」を感じることができる展示です。
「時間」は私たちにとって不可避の存在でありながら、その本質をつかむことは容易ではありません。変化し続ける時の流れの中で、何が普遍的であり、何が移ろいゆくものなのか。本展『Survey 02: TIMELESS CHANGE』では、家具と写真という異なる視点から、時間の概念を探求します。時間の流れの中で、私たちは何を受け継ぎ、何を更新していくのか。展示を通じて、その答えを探るきっかけとなれば幸いです。
INTRODUCTION OF THE EXHIBITION
『Survey 02:TIMELESS CHANGE』
デザインの世界では、「TIMELESS(タイムレス)」という言葉を耳にすることは少なくありません。不変で永続的な美を象徴する言葉として語られることの多いこの概念。しかし、「TIMELESS」とは、本当に単なる固定された視覚言語なのでしょうか?私たちはこの問いに向き合う中で、「TIMELESS」とは決して静的なものではなく、むしろ変化と共にあるべきものではないかと考えるようになりました。
人は本質的に変化する存在です。家族や友人との関係、文化や価値観、そして願望や欲求ーーそれらは時と共に移ろい続けます。この変化は不可避であり、ときに美しさすら感じさせます。KARIMOKU RESEARCHは、「ライフスタイル」を形づくる存在として、その変化を否定するのではなく、むしろ積極的に受け入れ、それに寄り沿う選択肢をとることにしました。
新たな『Survey』では、Researcherのポスタルコと共に「時間」という概念を軸に、真の価値と本質を探究します。ここでの「時間」は単なる絶対的な尺度ではなく、世界を捉えるための流動的なレンズです。「TIMELESS」とは、変わらぬ形を保つことではなく、環境と共鳴し続ける力の中にこそ宿るのではないでしょうか。
この『Survey』を通じて「ライフスタイル」のあり方を再考し、多様な選択肢の可能性を探ります。また、真に「TIMELESS」なものとは何かを肌で感じてもらいたいと願っています。変化を内包し、それに応じて姿を変える力こそが「TIMELESS」の本質なのではないかと、私たちは考えます。

ABOUT THE EXHIBITION
『STAKKO Chunks & Blocks』
優れたプロダクトは、誠実な素材と細やかな配慮によって生まれます。それは時間に抗うのではなく、時間と共に生き、変化していくものではないでしょうか。色褪せ、適応し、分解し、そして進化するーーその過程こそが、使い手の人生と深く響き合う本質的な価値を生み出します。このようなプロダクトをポスタルコは「silent supporter(静かな支え手)」と呼んでいます。それは、使い手の身体の動きと調和し、日々の営みに静かに寄り添いながら、新たな選択肢へと自然に馴染んでいく存在です。
本展示では、ポスタルコがデザイン・発案し、当社が制作した新たなモジュールシステムと、それを活用した新たな空間の提案をご覧いただけます。
「部屋は固定されるべきではない。ピアノを弾くように、部屋を変えることができるべきだ」
建築家で思想家、発明家でもあったバックミンスター・フラーのこの言葉は、空間のあり方に対する根源的な問いを投げかけます。本プロジェクトでは、この考えを手がかりに、変化する暮らしの中で、長く愛され、住まう人に温もりを与え続けることのできる家具と空間のあり方を探求しました。
日々の生活や人生のステージの変化に応じて自在に形を変えるスタッキングアイデアを、当社の持つ卓越した技術と知見を組み合わせて具現化。素材には、人の身体に最も近い存在である木や天然素材を採用し、6つに分けられた空間で、それぞれの質感や風合いが調和しながら豊かさをもたらすよう設らえられています。自然の素材に触れることで生まれる心地よさや安心感が、空間全体にも広がり、使い手の感覚に寄り添う新たな暮らしのあり方を提案します。ポスタルコの柔軟な発想による「人の営みに寄り沿う温もり」と、当社の技術による「快適な生活を実現するためのプロポーションと使い勝手」が融合することで生まれた、新たな暮らしの場。それは使い手の暮らしに自然に馴染み、時間と共に変化し続ける「TIMELESS」な価値が体感できる場となるでしょう。

『STAKKO』
「STAKKO」は、その名の通りstacking(積み重ねる)と言う考え方を基に、『Survey 02: TIMELESS CHANGE』のコンセプトと呼応する形で、ポスタルコと当社が共同で制作した新たな家具の提案です。マイク・エーブルソンが家具のデザインを担当し、エーブルソン友理が名称やロゴを考案したこのSTAKKOは、箱型のひとつのブロックを起点に、棚、椅子、テーブル、ソファなどへと自由にトランスフォームができるモジュラーシステムを採用。無限のバリエーションを生み出しながら、生活の変化に寄り添い、進化し続ける家具です。人の暮らしは、住まい、仕事、興味や価値観の変化によって、日々大きく移り変わります。そのたびにインテリアを一新するのではなく、家具そのものが次の暮らしへと適応し、持ち運ばれていく。時と共に深みを増す木の質感や、使い込まれることで刻まれる傷や思い出が、未来へと繋がっていく。STAKKOは、そんな時間の積み重なりを受け止める器としても存在します。
また、ロゴマークにも採用されている幾何学的な立体形状Chunkは、家具の角や引き手など、人の手が自然と触れる位置に誂えられています。高さの調節など、生活をサポートするだけでなく、何気なく触れた時に感じる木の質感や温もり。日本の森林から生まれたChunkは、使い手の手に天然素材の優しさを思い起こさせ、空間に穏やかな時間をもたらすでしょう。


About Karimoku Furniture's techniques and archives

当社が培ってきた箱物製作の技術のひとつに「ダブテール手法」があります。「ダブテール(dovetail)」とは、鳩の尾の形に似た「蟻ほぞ」と「あり穴」を組み合わせる伝統的な接合技法で、古くから収納家具の引き出しの前板と側板の接合に用いられてきました。
当社では、1990年代から収納家具の引き出し作りの一部にこの技法を導入。通常の霰組(あられぐみ)とは異なり、嵌合後は抜けにくく、見る角度によっては接合部が目立たないという特長を持ちます。特に、引き出しのように力のかかる方向が決まっている構造において、高い強度と耐久性を発揮します。
一般的な家具ではこうした接合技術は製品の内側に施されるため、外からは見えないことがほとんどです。しかし、本プロジェクトではダブテールの美しさそのものをデザイン要素のひとつとして取り入れ、機能性と審美性を兼ね備えた仕上がりを追求しました。
当社にはこの高度な加工を実現するために独自にカスタムされた専用機が複数台備えられています。伝統技術と現代の精緻なものづくりが融合することで、機能と美が両立した、新たな価値を持つ家具が生まれました。
Researcher:Postalco Design Studio

ポスタルコは日々の暮らしに着目した製品を、東京を拠点に作り続けているデザインスタジオです。衣服から家具、スペースデザイン、グラフィックデザインに至るまで、独自の考えを応用してきました。使い捨てが増える時代において日本製にこだわり、永く使われることを想定してデザインしています。
Web:https://www.postalco.com
Instagram:@postalco.tokyo
開催概要
会期:2025年4月26日(土) ~ 8月8日(金) ※土日曜定休
※最終日は16時まで
時間:12:00 - 18:00
会場:KARIMOKU RESEARCH CENTER 1F THE ARCHIVE
会場構成:Postalco Design Studio
スタイリング:小林 眞 (out of museum)
植栽:PUPUA INTERNATIONAL
同時開催プログラム①
濱田英明『時間の面影 - resemblance of time -』
同時開催プログラムである『時間の面影 - resemblance of time -』では、フォトグラファー・濱田英明が約10年にわたり取り組んできた作品の集大成を発表します。
本展は「時間」と「空間」の在り方を探求する試みです。写真は観る者に時間の解釈を委ね、映像は創る者が時間を構成する。そして、時間は絶え間なく流れる中で生まれる「間(あわい)」に宿り、空間は「空(くう)」の広がりを持つ。濱田はこうした視点をもとに、撮影という行為を通じて根源的な問いを投げかけ、時間と空間の感覚を再考する場を創り出します。
本展では、テーマ、撮影手法、展示方法のすべてを一貫し、新たな表現の可能性を提示します。また、作品を引き立てるオリジナルの木製フレームを当社が製作。家具とともに作品を鑑賞することで、時間と空間が交錯する感覚をより深く体感できるよう、展示空間が設計されています。さらに、大型LEDモニターによる映像上映を通じて、目の前に風景が立ち上がるような没入体験を提供します。
従来の展示形式にとらわれない新たなアプローチにより、ここでしか得られない特別な体験が生まれます。それは、鑑賞者それぞれの視点が交錯し、新たな時間の捉え方が生み出す場となるでしょう。そして、この場で生まれた問いや感覚が日常へと繋がり、その先の営みへと広がっていくことを願っています。

濱田英明「時間の面影 - resemblance of time -」
会期:2025年4月26日(土)〜8月8日(金)
時間:12:00 - 18:00 ※最終日は16:00まで
会場音楽:森山公稀(odol)
同時開催プログラム②
濱田英明「時間の面影 – resemblance of time – 」に合わせ、本展示の会場音楽を担当している森山公稀 (odol)のライブパフォーマンスによるアンビエントミュージックのコンサート「アンビエント森山 vol.5」を開催いたします。森山が作曲・ピアノ・シンセサイザーを担当するodolのMV制作に濱田英明が多く携ってきたことから実現した企画です。同空間にて行われている展示とともにお楽しみください。
日時:【昼公演】6月8日(日)14:00 - 15:00(13:30開場)
【夜公演】6月8日(日)17:00 - 18:00(16:30開場)
定員:30名
料金:3,300円(税込)
開催場所:KARIMOKU RESEARCH CENTER B1F
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濱田英明
1977年、兵庫県淡路島生まれ。2012年、35歳でデザイナーから撮影業へ転身。
Web:https://hideakihamada.com
Instagram:@hamadahideaki

森山 公稀
東京藝術大学在学中の2014年にロックバンド「odol」を結成。ピアノ、シンセサイザー、そして全楽曲の作曲を担当し、今までに5枚のアルバムをリリース。
ソロ名義では舞台や映画の劇伴、CM、他アーティストへの楽曲提供・プロデュースなども行なっている。 また、アンビエント・ミュージックを奏でるイベント「アンビエント森山」を不定期開催している。
Instagram:@koki_moriyama
オープニングイベント
日程:2025年4月26日(土)
一般公開初日には、トークイベントを開催します。下記詳細をご確認いただき、ご興味のある方はお早めにお申し込みください。
<トークイベント>
ポスタルコのマイク・エーブルソンと、当社の加藤洋によるトークイベントを開催します。展示の解説だけでなく、ポスタルコと当社の出会いや、今回のコラボレーションに至るまでの背景、技術や素材選びのプロセスをお伝えします。
時間:19:00 - 21:00
定員:50名 ※先着順
KARIMOKU RESEARCH
「KARIMOKU RESEARCH」とは、家具の開発だけに留まらず、カリモク家具が長年培った木工への知見を活かした様々なものづくりを通じて、自社が掲げる「木とつくる幸せな暮らし」というミッションを追求していくプロジェクトです。これまでも家具づくりという枠組みにとらわれない活動を続けてきましたが、この新しいプロジェクトでは、異なる文化圏や世代、また業種など様々な人々が考える豊かな暮らしのあり方を見つめ直し、「木とつくる幸せな暮らし」について探求。調査や開発という一連の過程を発信していきます。このプロジェクトにおいて核となる『Survey=調査』の活動などを通して生まれた成果や軌跡とカリモク家具が持つ技術力を活かし、多種多様なパートナーと共に、家具に留まらない新しいアウトプットの共創を目指します。
Web:https://karimoku-research.com
Instagram:@karimoku_research
About KARIMOKU RESEARCH CENTER

住所:〒106-0031 東京都港区西麻布2丁目24-2
電話:03-6433-5995
営業日:月曜日ー金曜日・祝日(土・日休業)
※4/26(土)、4/27(日)のみ特別営業
営業時間:12:00-18:00
アクセス:東京メトロ表参道駅 A5番出口より徒歩10分

カリモク家具の起源は、創業者の加藤正平が長年続く材木屋を引き継ぎ、愛知県刈谷市で小さな木工所を始めた1940年に遡る。様々な木製品を生産することで技術を磨き、1960年代に入ると、自社製の木製家具の販売を開始。高度な機械の技術と職人の技を融合させる「ハイテク&ハイタッチ」という製造コンセプトを掲げて木材生産分野における土台を作りあげ、日本を代表する木製家具メーカーへと成長を遂げる。
Web:https://www.karimoku.co.jp/
Instagram:@karimoku_official
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