臍帯(へその緒)の医療資源活用に関する妊婦の意識調査。「出産後のへその緒、医療資源として提供してもいい」が半数以上。
再生・細胞医療における医療資源としての“へその緒”の調達は、近い将来課題に。
近年、出産時に妊婦さんと新生児をつなぐ臍帯(へその緒)には、ドナーの身体を侵食せざるを得ない骨髄移植などに代替する再生・細胞医療の医療資源として注目が集まっています。
ヒューマンライフコードも臍帯を用いた造血幹細胞移植後の非感染性肺合併症(※)など希少難治性疾患に対する臍帯由来間葉系細胞の輸注療法の確立を目指しており、そのほかにも、将来的には加齢性疾患のサルコペニア治療などにも活用できることが見込まれているなど、今後様々な病態の革新的な治療への活用が期待される医療資源です。
(※)造血幹細胞移植後の非感染性肺合併:
幹細胞を移植した後の肺における合併症で移植後30%程度の患者さんに発症し、標準治療のステロイド療法に対する反応が悪く、一旦ステロイド抵抗性(適切なステロイド治療を行っても病状に改善がみられない)になると不可逆的に進行し、未だ確立された治療法が存在しない致死率が高い病態。
今後、様々な再生・細胞医療の現場において臍帯のニーズは拡大し、臍帯の確保が人類のサステナブルな健康維持のための課題のひとつとなると予測されます。しかしながら現段階では、多くの出産において臍帯は医療廃棄物として廃棄されてしまっています。
今後は、多くの妊産婦の方、そのご家族に臍帯を医療活用の有用性について知っていただくことで、潤沢な臍帯の確保につながり、それがより多くの方の命を救う未来につながります。そのための啓発活動の一環として、今回は妊婦の皆さんの臍帯の医療資源活用に関する認知・意識についてのアンケートを実施しました。
約半数が臍帯の医療資源活用について認知。
半数以上が「気軽に提供できるならば提供したい」と回答。
「へその緒が、難病治療などの再生・細胞医療としての 治療薬の原料になることを知っている」という方は20人中9人と、半数近くいました。それに対し、エイジングケアとしての化粧品原料となっていることを知っているという人は3人のみでした。【図1・2】
現在想定している「出産後のへその緒の使い道」に関しては(複数回答)、「きれいに保管する」が最多(11人)で、次いで「決めていない」(7名)、「臍帯(へその緒)を医療品原料材などに使用できるよう保管・寄付する」(4名)、「臍帯血(へその緒の血液)を衣料品原材料などに使用できるよう保管・寄付する」(1名)という順でした。
臍帯“血”の保管・寄付よりも臍帯それ自体の保管・寄付の意向を持つ方のほうが多いという結果になりました。【図3】
へその緒が難病治療などの再生・細胞医療治療薬の原料となることについて尋ねたところ、
「気軽に提供できるならば提供してもいい」(12人)、「良いことなので自分もすすんで提供したい」(5人)、「少しネガティブな印象で、すすんで協力したいとは思わない」(3人)、「得に何も思わない」(1人)の順で、半数以上の方が提供する際に手間が掛からないのであれば提供したいと感じていることがわかりました。【図4】
積極的に協力したいという声も、不安の声も。より広く、正しい認知拡大を期待するコメントも。
具体的なフリーコメントでは、積極的に協力したいという意向を示すコメントも多くみられました。
提供しようと考えています。
良い試みだと思う。
助かる命があるなら協力したい。
誰かの役に立てるかもと思った/ぜひ人の役に立ちたい!/お役に立てるなら是非使って欲しいと思った。
産まれてくる赤ちゃんの命が他の人に役立つなら嬉しい。
授かった命・組織の一部で人助けができるのは素晴らしいと思う。
個人が最初にできるリスクがない臓器提供だと思うので協力したい気持ちはある。
廃棄するもので助かる命があるなら協力したい。/廃棄になるものを活用していかないのはもったいない。/廃棄する場合も許可を得たうえでされるわけではないので、どんどん活用してほしい。
どうせ出産時に捨てられてしまうようなら全員のへその緒を回収して使用して欲しいくらい大事なことに感じた。
保管・寄付を選択する際の手続きの煩雑さや不明確さを不安視する声もあがっていました。
難しい手続きがなければ良いと思う。
産後の大変な時に自分や病院の手間がかなり増えるなどがないのか気になる。
どういった手続きが必要なのか、病産院への負担がないかが気になります。
廃棄するもので助かる命があるなら協力したいが、バースプランに書けばいいのか、どうすればいいのかまでもっと認知されればよいのに、と思いました。
病院からなんのアナウンスもないのでこちらからわざわざいいにくい。
反対に、へその緒の保管・寄付への不安、抵抗があるという意見も。
提供したいがまだ抵抗がある。
身近にそういう人がいないからよく分からない。
安全性や有効性について疑問が残る。
廃棄するもので助かる命があるなら協力したいが、一般的に受け入れられなそうな印象。
協力したい気持ちもあるが個人で保管しておきたい思いが強い。
今後の認知の拡大・啓発に対して期待するというコメントも複数見られました。
今後認知度が高まれば提供することが当たり前になるのかな?と思いました。
医療に使えるのであればなぜ今まであまり話題にならなかったのか疑問を感じた。
医療に役立つこと自体は素敵なことなので、もっと知識が広まると良いと感じた。
誰かの役に立てるならと思う反面、どのように使われるのか不安がある。社会的認知や理解が更に深まると良い。
知らない人が多いと思うので、両親学級や産婦人科と連携して広められると良いかと思いました。
研究が進み多くの人に適応されることは喜ばしいが、臍帯血のように過大広告ととれる内容は好ましくないと思う。
従来廃棄されてしまっていた臍帯は、難病治療薬などの貴重な医療資源になります。その子自身の命を救うこともあれば、他の人の病気の治療に役立てられる可能性もあり、臍帯の寄付は、この世に生まれた新生児が、産まれて初めてできる社会貢献でもあります。
ヒューマンライフコードは、医療資源としての臍帯の正しい採取・活用に関する情報発信を臍帯原料の新薬を開発する企業の務めであるととらえ、今後もひろく、正しい啓発活動を行ってまいります。
【ヒューマンライフコードについて】(https://humanlifecord.com/)
ヒューマンライフコード株式会社は、国産かつ備蓄可能な臍帯(へその緒)(“コード”)からの細胞製品を製造・開発し、現在でも確立した治療のない難病患者さんの生きる希望へつなげ(“コード”)、その先には健康寿命延伸につながる病気の重症化予防を目的とする未来の医療へとつなげる(“コード”)ことで、誰もが心豊かな生活を実現できる社会(“ヒューマンライフ”)を創り出すことをビジョンとしています。2019年「第1回東京ベンチャー企業選手権大会」最優秀賞&東京都知事賞受賞。東京都主催「スタートアップ・エコシステム東京コンソーシアム」が運営する「ディープ・エコシステム」の支援対象企業に選定。2023年内閣府主催「第5回日本オープンイノベーション大賞」厚生労働大臣賞受賞。2023年経済産業省によるスタートアップ支援プログラム「J-Startup」選定企業。
https://prtimes.jp/a/?f=d61963-22-b2a251ecab2ca0980ad3f0c5d6e7caea.pdf
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