ACCESSとボスコ・テクノロジーズ、既存インターネット・ルーティングプロトコルとSDNの融合化に成功

-「アプリケーション接続サービス(AP-GW)」と SDN/Openflow対応次世代スイッチ「AEROZ(TM)」の実装完了、 プロトタイプの提供開始-

ACCESS

株式会社ACCESS(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:室伏 伸哉、以下ACCESS)と株式会社ボスコ・テクノロジーズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:林 經正、以下 ボスコ・テクノロジーズ)は、ボスコ・テクノロジーズのキャリアグレードの「アプリケーション接続サービス(AP-GW)」と、ACCESSのSDN(※1)/Openflow(※2)対応次世代スイッチ「AEROZTM(エアロス)」の実装を完了し、2月中旬より、評価用プロトタイプとして、主に通信事業者、データセンター事業者、大規模サーバーシステムを有する企業を対象に提供開始していくことを発表いたします。
ACCESSとボスコ・テクノロジーズは、昨年10月に、SDN技術でネットワーク仮想化への効率的な移行を実現するソリューションの開発・提供において協業していく旨を発表しており、この度のプロトタイプ開発完了は、本協業による成果の第一弾となります。両社は、既存インターネット環境へのSDN導入・運用コストを大幅に低減する、この度の統合ソリューションにより、SDNの普及促進を支援してまいります。

世界的なスマートデバイスの普及により、通信事業者やデータセンターのネットワークに掛る負荷は急増しています。こうした流れに対応し、増大するトラフィックの制御をソフトウェアにより柔軟に実現するSDNの実運用化が進んでいます。これに伴い、多くの事業者が既存インターネットのルーティングプロトコルとSDNとの接続という課題に直面しています。然しながら、これまで、こうした課題を解決する汎用のソリューションはなく、SDNを段階的に導入するために、自社独自仕様の煩雑なネットワーク運用手法を内製で開発するか、もしくは、膨大な投資により全てのスイッチをSDN対応に入れ替えるか、SDN導入自体を先送りにしなければなりませんでした。

こうした課題を解決するために、ACCESSとボスコ・テクノロジーズは、「AEROZ」上でAP-GWを動作させるソリューションのプロトタイプを開発いたしました。本統合ソリューションを採用することにより、通信事業者やデータセンター事業者、企業のシステムにおいて、OpenFlowなどのSDNコントローラと連携するインターネット・ルーティングプロトコルのBGP(※3)をAP-GW化し、既存インターネットとSDNが混在するネットワーク環境を、導入・運用コストを大幅に低減しつつ実現することが可能となります。

この度のプロトタイプ開発では、SDNのフローテーブル管理と、BGP/OSPF(※4)等のルーティングテーブル管理を共存させるCo-table management(SDN/IP共存テーブル管理)技術をAP-GWで実現しています。また、「AEROZ」のように、UNIX系OSを搭載している通信機器上で上記AP-GWを動作させるL2-L3プロトコルレイヤの拡張通信処理機能(特にMACアドレスの管理)を実装することにより、AP-GW機能を「AEROZ」上で動作させることに成功しました。ルーティングプロトコルであるBGPやOSPFを利用した既存のIPネットワークにSDNの部分導入が容易になるため、SDN利用を大きく促進していくことが期待されます。また、SDNの運用に慣れていない運用者にとっては、BGP等のルーティングテーブル管理を行うだけで、SDNを容易に運用できるようになります。

ユースケース:
・データセンターでは、次世代ネットワークを即座に構築し、ネットワーク帯域資源を有効利用することが可能となります。
・SDN利用の利点である論理ネットワークの運用管理に比重を置くことにより、物理的なネットワークインフラ運用を削減し、運用管理コスト(Opex)を減らすことが可能になります。
・通信事業者の広域網に導入することにより、サービス主導のネットワークを柔軟に、かつ迅速に制御することが可能になります。
・セキュリティ対策としても応用できます。

ACCESSとボスコ・テクノロジーズは、引き続き、共同で、両社の技術・ノウハウを持ち寄り、SDNの普及促進を支援するソリューションの開発・提供に注力してまいります。

「AEROZ」について
「AEROZ」は、OpenFlow対応スイッチ(ハードウェア)にACCESSの子会社であるIP Infusionのネットワーク機器向けミドルウェア「ZebOS(TM)」(ソフトウェア)のL2/L3(BGP、OSPF、IS-IS(※5))対応スイッチ機能を標準実装した、ハイブリッド型のSDN向けスイッチ製品です。OpenFlow対応スイッチ機器によりネットワーク仮想化を実現するHop by Hop方式のネットワーク仮想化に加えて、イーサネットなどの既存ネットワークにも対応します。近年の膨大なインターネットトラフィックにも対応可能な高速10Gインターフェースとして10GbE x 48ポート(10GBASE-Tx40/SFP+x8)を備えたSDN対応スイッチ「AEROZ」は、高性能、高可用性に加え、SAF(Service Availability Forum)準拠のレジリエンスも兼ね備えた、データセンターや通信事業者の厳しい要件を満たす事ができるTop-of-Rackの理想的なスイッチ製品です。

 「アプリケーション接続サービス(AP-GW)」について
「AP-GW」は、SDNの実用化支援技術と位置づけて、これまで大手通信事業会社やベンチャー企業の皆様と協力して開発してきました。これまでAP-GWは、仮想ソフトウェアスイッチOVS上や、ハードウェアSDNスイッチ上で実装し、その優位性を評価してきました(http://www.bosco-tech.com/141028_ap-gw/)。本成果のプロトタイプをベースに製品化を目指していきます。

※1 SDN(Software Defined Networking): ネットワーク構成を動的に設定するために、ネットワーク全体をソフトウェアで制御(定義)する、という次世代ネットワーク技術のコンセプト。
※2 OpenFlow: ネットワークの仮想化を実現する次世代ネットワーク制御技術。OpenFlow Switch Consortiumが提唱し、Open Networking Foundationにより標準化が進められている。
※3 BGP (Border Gateway Protocol):インターネットの中核をなすルーティングプロトコル。
※4 OSPF(Open Shortest Path First):ルーターやレイヤー3(L3)スイッチがパケットの転送先を動的に決定するためのルーティングプロトコルの一種。
※5 IS-IS(Intermediate System to Intermediate System:ルーティングプロトコルの一種。


■株式会社ACCESSについて
ACCESS(東証マザーズ:4813)は、1984年の設立以来、独立系ソフトウェア企業として、世界中の通信、家電、放送、出版、エネルギーインフラ業界向けに、モバイル並びにネットワークソフトウェア技術を核とした先進のITソリューションを提供しています。累計搭載実績10億台突破のモバイルソフトウェア、並びに世界中の通信機器メーカなどへの豊富な採用実績を誇るネットワークソフトウェアにおける開発力とノウハウを活用して、現在、クラウドを介してスマートデバイス上で多彩なサービスを実現するHTML5ベースのアプリケーション、並びにネットワーク仮想化(SDN)等の先進のネットワーク技術の開発・提供に注力しています。アメリカ、アジア、ヨーロッパ地域の子会社を拠点に国際展開も推進しています。
http://jp.access-company.com/

■ボスコ・テクノロジーズについて
「技術で人を幸せにする」を経営理念に2012年2月29日に設立。これまで、伝送ネットワークのネットワーク設計システムのSDN化と商用運用、海外ベンダと協力したSDNスイッチの開発、通信事業会社と協力したSDNコントローラの開発を行ってきました。また、これらの技術を利用したネットワークセキュリティ製品SMART(Simple Management of Access-Restriction Translator)を開発・販売し、通信事業会社の実システムにて運用実績を積んできております。ボスコ・テクノロジーズは、最先端の技術開発と、それを利用する人々の幸せ創りを実現します。
http://www.bosco-tech.com/

※ACCESS、ACCESSロゴ、AEROZは、日本国、米国及びその他の国における株式会社ACCESSの登録商標または商標です。
※IP InfusionおよびZebOSは、IP Infusion Inc.の米国ならびにその他の国における商標または登録商標です。
※その他、文中に記載されている会社名および商品名は、各社の登録商標または商標です。

 

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会社概要

株式会社 ACCESS

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URL
https://www.access-company.com/
業種
情報通信
本社所在地
東京都 千代田区神田練塀町3番地 大東ビル
電話番号
03-6853-9088
代表者名
大石 清恭
上場
東証プライム
資本金
170億7200万円
設立
1984年02月